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異世界転生スケルトンパラディン〜召喚の証を持つ骨人〜  作者: ファンタジーに転職した新参者
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パラディンより先に勇者になったんだが。

ごめん。パラディンって聖騎士だよね。確か。

勇者の方が上だよね。ごめん。

今回の話でちょっと矛盾生じそうだったので、一話のセリフを少し変えました。

あれから2週間、あんな格好つけといてもう完全にイエリを信じている俺。


いや、実を言うと最後に『執行猶予をくれてやる』的な事言った時点でバリバリ信用してたけどね。

んで、あの日以来、以前よりイエリの距離が近くなったんだが。

いや、物理的に。笑えないから。異常な距離だから。

もう、好きとか嫌いとかじゃ無いから、これ

相手が神だから変な感じになるけど、妄信的と言うか、何か信者みたいなレベルで俺の全てを肯定し始めたんだが....


まぁ、それはもうどうしようも無いから別に良いんだけど、それよりこれを見てくれよ。


「ハァッ!」

俺が思いっきり空を殴る。すると雲が何かに吸い込まれるように宇宙の果てを目指し飛んで行く。

はう。いや、何があったかって?はっはっは。たった2週間ですよ?何かあるわけ無いでしょう。


んー。そうだなぁ。強いて言えば、スケルトンの王に鬼畜ブートキャンプを受けていたんですよ。

なに?どういう事かわからないって?仕方が無いなあ!はっはっはっはっ


これはあの日、イエリを強化した所からになる。


────────────────────────



強くなれ強くなれ強くなれ強くなれ強くなれ強くなれ....

「そんなに気を張り詰めなくても大丈夫ですよ?」

そう、なんかさっき強く怒ってしまったからか急に喋り方が変わった。

思い返せば1番最初に会った時も口調が急に変わったよな。


まぁ、口調が事務的でなくなったのは良いのだ。

良いのだが.....


「なぁ、この体勢なんとかならんか?」

「なりませんね」

たった数十分前までなのに否定します。が懐かしく感じるよ。


っていやいやそうじゃなく!

体勢だよ体勢。

俺が岩の上に座ると、俺の方膝の上に乗り、俺の足に自身の足を絡め、手を首の裏に回し、体を預けてくるのだ。


「いや、流石にこの体勢だと集中出来ないんですけど」

「そうですか。なら強化出来るまでこの体勢でいれますね」

ま、まずい。未だかつてここまで俺が押されていることが有っただろうか....いや、あるわ。寧ろそっちの方が多いわ。


「心の底から望めば強化できますよ」

「心の底から....」


強くなれ強くなれ強くなれお、おっぱいが....強くなれ強くなれ強くなれ強くあ、そこ踏まないで....強くなれ強くなれ強くなれ強くなれ強くなれだから、そんなに強く抱きしめないで....強くなれ強くなれ強くなれ強く....

「俺の精神が強くなるわ!」

俺はガバッと起き上がり直ちに《空中飛行》で空へ逃げ出す。


まったく、俺なんかのどこが良いんだ?神の時から好きだってんなら一目惚れか?もう骨になってるけどいいのか?

今度は邪魔が入らぬよう、空から下を見下ろす形で念じる。


強くなれ強くなれ強くなれ強くなれ強くなれ強くなれ強くなれ強くなれ

強くなれ強くなれ強くなれ強くなれ強くなれ強くなれ強くなれ強くなれ

強くなれ強くなれ強くなれ強くなれ強くなれ強くなれ強くなれ強くなれ

強くなれ強くなれ強くなれ強くなれ強くなれ強くなれ強くなれ強くなれ


そこで、再びあの質問が出るので、今度こそyesと答える。

すると、下にいたイエリが光り出す。

暫く青白く発光して、やがて光が収まった時、イエリは......

そうだな。どこが変わったかと言うとちょっと分かんないな。


あ、でも肉づきが変わった。全体的に肉がついて...いや、太ったわけではなく。

太ももとか二の腕とか、む、胸とか。あぁ、今気づいたけど身長も少し伸びたな。上から見てるから良く分からなかった。


なんか、もともと俺の好みに合わせて作られたらしいけど、俺はもうイエリなら何でも良いのかもしれない。

……人の事言えんな


取り敢えず、何が変わったかそんなにわからんが強化して損は無いだろう。

「イエリ!サラはどこだ!」

上から下に叫ぶって奇妙な状態だな。

「案内します」

エスコートしろ。とでも言うように手を差し伸べてくる。

いや、この場合俺がされるんじゃ無いのか?


「ってかお前も飛べるだろ。どころか俺も使えない能力使えるだろ」

「えへへ」

悪戯がばれた子供のように笑うイエリ。

敢えて言おう天使だと。


……いや、神だけどさ


イエリが俺のところまで即座に上がってくる。


「何か変わったか?」

「むぅ。減点です」

「いや、俺はお前のことは大好きだが今は俺よりお前の方が俺のことを好きなんじゃ無いか?」

我ながら言ってて頭が混乱するよ。


「そうですね。でも減点は減点です。好きな人だからこそ厳しくするのです」

「あぁそうかい」

「それで、サラがいる方はですね....」


どかんっ!と響く。その方向を見るとめちゃくちゃでかい亀がいる。

なんなんだろうな。さっきからあの亀が騒いでんだよ。

怪獣大戦争でもしてんのか?


イエリがその亀を指差す。

「あっちですね」

「....は?」



「おいおいおいおい待て待て待て待て待てよ!?」

俺はできる限りの速度で走る。

《空中飛行》で飛ぶより、《縮地》の方が早いのだ。


《時間操作》を完全に忘れてた俺であった。


そして瞬間で目的地に着く。

なんだかんだこの世界の広さはわからんが、1秒で地球7周半する速度より早いのはダテじゃない。

今の俺の目で追いつくギリギリって相当なもんだぞ.....


「サラ!!」

亀の足元まで来て、サラを探す。

いねぇ。こいつ(巨大亀)が戦ってるのは数人のスケルトン。数匹か?

「まさか.....!?」

俺は亀を見る。

亀は得意げに少し口角を上げ、ふんすと鼻をたてる。.....ような気がした。


「てんめぇぇぇ!!」

思いっきり殴った。

まぁ、まて。ただむやみに殴ったわけじゃない。きちんとスキルの使用も考えてる。

まず相手に触れてだな......

ドパン!と音を立て、殴られた亀の左腕は根本の部分から粉砕した。


は?

え。俺まだ何もしてないんすけど......

俺の攻撃力、頼りになりすぎじゃない?

数字的に低かったけど、顔面殴った時これ耐えた防御力高くね?


え?俺のステータス強くね?

「ってか、今それどころじゃねぇんだよ!」

俺は万が一にもサラが奴の体内に入るとき、スキルを使うとサラにも危険が及ぶと考え、とりあえず顔面を思いっきり殴った。


多分、言動ほど頭が焦ってないのは、《盗神スキル》のおかげだと思う。


すると、今度は顔面が粉砕し、動きが止まる。

倒れるのではなく、止まった。


何処かから拍手の音が聞こえたが、無視して静止した亀の元へ向かう。

「おい!さら!どこだ!!」

頼むぞ....



結論から言おう。

サラはいなかった。

俺はそこに倒れ込むが、涙は出ない。

こんな俺(スケルトン)でごめんな。サラ。お前のために泣いてやることもできない俺で....


そして、涙目で額を押さえたイエリが空から降りてくる。

そして、イエリの手を掴んだサラも一緒───

「うぇ!?」

「うぇ?」

俺の謎用語をイエリがリピートする。


な!?サラ。え?ちょ、え?

「マスター、説明しますから落ち着いてください」

「お、おう。そうだなどこから説明してもらおうか。あぁ、では私の爺ちゃんが鬼ヶ島に行って宝箱を開けたら100年経ってしまった話から説明してもらおうか....」

「マスター。私が悪かったので落ち着いてください」


「どーしたのー?」

サラが、話を聞こうとあぐらをかく俺の周りを心配そうにうろちょろするので、俺はきょとん、とした顔を崩さず、サッと捕まえ、膝の上に乗せるとすぐさま抱きしめる。


「で、どうしたんだ?」

そんな俺の何食わない顔を見ても笑顔を絶やさないイエリは数十分でかなり大物になったと思う。


「はい。森に入る時一度、私は神ではないので世界のことを把握出来ないと言いましたね。あれは嘘です」

「だにぃ!?」

「流石に大袈裟です」

「ごめん」

「いえいえ」


俺がサラの臭いをくんかくんかしても笑顔を絶やさないイエリは本当に凄いと思う。

「マスター、実は私はスキルと入れ替わることができるのですよ」

「だろうな。偶に嫌われてんじゃないかって思うくらい素っ気ないもんな」

「そんなことはありえません!」

ずいっと俺に顔を近づける。

俺はサラを抱きしめたまま後ろに仰け反る。


「で、入れ替われるからあの時は嘘じゃなかった。でも、今は神だから知ることが出来るって事ね」

「そうです」

「もう、肯定します。とは言わないのか」

「そちらの方がよろしいでしょうか?」

「いや、どっちも違う魅力があるよ」

「ありがとうございます」


その桃色の世界を感じ取ったサラはむ〜っと頬を張る

「おぉ、そうだったな。それで、結局どうしてサラはここにいるんだ?」

その言葉に、一度イエリは固まったが、意を決したように話し始める。


「……私がマスターを強くするために、この先の状況を予測してここにサラがいると、嘘をつきました」

少し“嘘”と言うところでつまずいたな。

「そうか.....お前には何か罰を与えないとな」

「いえ、私にはご褒美になってしまいますので罰を与えないという罰ではどうでしょうか」

自白しやがったな。

「いや、それなら放置プレイになりそうだろう」

これ以上変態性を開花させてはならん。


「では、どういたしましょうか」

「お前には、暫く俺の事を嫌いになってもらおうか?」

「死にます」

いや、即答かよ。

「えー。名案だと思ったんだが....」

「では、今日、一緒に就寝する際にマスターに夜這いをかけないと言うのはどうでしょうか」

「そもそも一緒に寝ないよ?」

「なっ!?」


本気(マジ)だったのか....

マズイ。貞操の危機が。

「じゃあ、一緒に寝ないのが罰な」

「そんな...あんまりですぅ..」

その場で本当に泣き出すイエリ。

「知るか」

「ますた、サラは?サラは?」

「サラは良いよ」

危険性がないからな。


……なんだ?寒気が...


「あの、勇者様」

俺たちが話していると骨野郎が話しかけてくる。

……いや、声の感じは野郎ではないが。


「あの!」

無視された為か、耳元で大きめの声を出す

「あ?んだよ。うっせーな」

あれ。俺こんな口悪かったか。いかんな、本崎の“死”に付き合わされてからというもの、短い期間で色々あって性格が変わってしまってるな。


「し、失礼しました」

「いや、良い。俺こそ気が立っていたみたいだ」

「謝りはしないんですね....」

「なんか言ったか?」

「いえ!何でもありません!!」


ん。それより忘れていたが、こいつ俺の事変な呼び方しなかったか?

「なぁ、勇者って何だ?」

「神に力を授けられた、勇気ある者の事です」

「いやそれは知ってるよ....ってか、スケルトンなのに神から力授かってどうすんだよ」

「え?っと...我らの神、女神ダグラク様は人間達と我らを戦わせる為、1000年に一度、力を授けると言う伝承があるのですよ」


邪神ダグラクめ...美の女神なんて呼んでんの魔物じゃねぇか。

「ほーん。で?」

「その、次は我々スケルトン族なので」

「次?順番待ちしてるのか」

「は、はい。あ、いえ。順番というより、序列があって、一個体ずつの力と数、自分の一族のそれを我々は何となくわかるので、1000年目に弱いものになると言われているのですが」

なんかはっきりしない喋り方だな。


「ならわざと弱くする種族もいそうだがな」

「いえ、嘘か誠か分からない伝説の為に弱くは出来ません。それに2番目に弱かった場合、すぐに人間達に滅ぼされてしまいますので」

「あぁ、そうか」


そこまで話していて、ようやく違和感に気付く。

「ってか、お前ユニークか?」

「ユニークモンスターの事ですか?」

俺はそうだ。と頷く

尚、俺はまだサラを離していない。

「お前の知能は明らかに後ろの(スケルトン)三匹とは違うし、何より喋れているではないか」

「あぁ。確かに...でも、私は王家の血を引くものですので、違いますよ」


ん?会話にならんな。

「王家の血を引く者は、元をたどると勇者が先祖ですので、知能だけが優れているのです。まぁ、すごく頭が良いというほどではないのでこの個体が優秀なだけで、ユニークモンスターの劣化番だとでも思ってください」

イエリが耳元で囁く。


「む?何故知能だけなのだ?」

その言い方なら、ランダムに強さかどれかがつきそうだが。

「一族や、国をまとめる王族は知能が低ければ如何に強い王がいようとも、いずれ滅びます。ですのであの邪神がDNAをいじったのかと」


なら、細胞単位で操作できる俺は何とかできるのではないか?

「気になるのならやるのも一興ではないでしょうか。マスターの暇つぶしに使われるなら本望かと」

「いや、本望じゃねぇだろ!」

つい強めの口調で突っ込んでしまった。

……あ、興奮してる。ダメだこの変態。


「まぁ、流石に俺の興味本位で一族滅ぼすってのも気がひける」

「え?」

「あ、いや。何でもないんだ」

スケさんが驚いたように聞き返す。

ん?スケさんとは今名付けた、スケルトンのスケさんだ。


「あ、あの。勇者様!もしよろしければ、一緒に国まで来てくれませんか!?」

「いや、まぁ良いけど...」


超至近距離で骨はきつい。怖かった。


その後、スケルトンの国まで来た。思ったより活気がある国だ。

まぁ、聞こえてくるのは声ではなく

「カタカタカタッ」

「カタッカタカタッ」

と言う音だが。


そして、謁見の間まで来ると、兵士達が慌てて敬礼をする。敬礼を返すとスケさんはどこかへ向かう。

知能がそこまで低い訳でもないのか?

「いえ、オーガなどは普通に一般モンスターでも喋ったりしますので、知能は低い方です。あ、例えが悪かったですね。オーガは喋れるだけで基本バカです。ピクシー族などが良い例かと」


なるほど。全員喋れる上で、もっと強くて知能が高い種族もいるのか....


「スケルトン雑魚じゃねぇか!?」

「だから勇者がいなければ滅びそうになってるんですよ」

「なるほど」

それは大変だな。

あ、スケさん戻ってきた。

「では、行きましょうか」

ギィーっと音を立てて謁見の間のドアが開く


「やぁ、待っていたぞ勇者」

偉そうだなこいつ。

「勇者様相手に偉そうだぞ。王子」

ん?あっちが王か。2人とも王座を挟んで立ってるし骨だからわからん。

王ってそこの王座に座るもんじゃないの?種族間の違いか?


あれ、スケさんどこ行った?まぁ良いか。


「勇者様、息子の非礼をどうかお許しください。そして、出来る事ならば我が国をお救いください」

ん〜。最近のラノベ主人公なら『だが断る!』とか言いそうだが、あいにく俺はそこまで鬼畜じゃない


「そうだな、この国の美しい姫君を旅につけさせてくれるのであれば考えてやろう」

いや、鬼畜じゃないよ?断り文句だよ?

「もとよりそのつもりでございました。レーリア、入って来なさい」

え。本当に渡しちゃうの?娘?そんなに今困ってんのかよ。


「ふっふっふ。我が娘は100人いれば101人が振り向く絶世の美女ですからな。勇者様が欲しがっても無理はないでしょう」

いや1人多いな!

どんだけ美人なのか。はてさて、見極めてやろうじゃないか。

いや、冗談だよイエリさん。そんなに睨まないでよイエリさん。


ま、まぁ。この国を救ってやるのも良いかな?

べ、別に絶世の美女欲しさとかじゃないから。本当だから。


そこで、俺の後ろから何者かが歩いてくる。

刮目せよ!とばかりに光り輝く宝石に綺麗な衣装をまとった100人いれば101人が振り向くような絶世の美女がそこに....


「ってスケルトンじゃねぇか!!」

今回長くなりました。


そういえば今回、人間の国行く。みたいな話だった気もするが気のせいだろう....

0時前に投稿したかったんだけど11:58分で、うちのネット環境なら0時過ぎになるしなんか悔しいから少し時間ずらして投稿してみた。

いないと思うけど待ってる人いたらごめんね?

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