え?転生先がスケルトンってマジですか?
ども。ファンタジー、初めて書きます。
思いつきで書いたのでためてません。
なので投稿ペースは遅めかな?2日に一話は投稿!...したいなぁ。
全てが覆われそうな虚無の闇。
光の失われた瞳.....瞳さえも失われた目を座らせる俺こと春咲夏樹は今、見渡す限りの大草原の真っ只中にいた。
「すげー広いなー」
────────────────────────
「えー!?本崎くん500ポイント突破したの!?」
うるさい。
放課後になり、机に突っ伏してた俺は少し体を起こす。
「まぁ...っね!」
髪の毛さら〜させるのやめなさい。お前自分が思ってるほど格好良くないよ。気づけよ。
お前この前、『俺、ジョニーデップよりレオナルドディカプリオ派の顔付きだから』とか言ってたけどそんな格好良くねぇよ。
ってか、何だよその派閥。もっとわかりやすい二択にしろよ。
きのこの山とたけのこの里派みたいに明確な派閥にしろよ。
「確か小説家になろうで500ポイントって凄いんだよね!」
「....ま、まぁね」
いやそんな凄いか?ジャンルによるだろうが。
……どちらにしても俺より稼いでるとは、解せぬ。
「ね、確か『転スケ』だっけ?」
何だ!?その危ない雰囲気のする略称!
俺はおもわず立ち上がる。
「....う、うん『転生したらスケルトンだった件』だよ?」
突然立ち上がる俺に少し動揺しながらも本崎は答える。
いや、パクリじゃん。
しかもパクっちゃいけないレベルのやつじゃん。
ポイント1000とかその辺りの人達のパクるだけでも怒られるだろうに。お前、それで500稼げたのはむしろ称賛するわ。
.....何のパクリかは言わないけど。
.......何ののパクリかは言わないけど!(大事な事なので二回言いました。
まぁ、いいや。くだらねぇ。
大方、まだ全然小説を読んだ事ない人達を引っ掛けて稼いだんだろ。
そんなポイントで何がいいのか。
全く。これだからナルシはいけねぇ。裏であくどい事を平然としやがる。
※完全な偏見です。
べ、別に負け惜しみとかじゃないんだからね!
まいっか。
もう帰ろ。明日テストだし。
「確か、もうすぐ書籍化されるんでしょ?」
────は?
500ポイントで書籍化ってされるもんなの?
いや、されたとしても稀だよね。多分。
それもパクリ作が?そんなの書籍化させるとこなんてあんの?
……あぁ。そうか。そもそもが嘘なのか。こいつまず小説なんか書いてねぇんだ。
まぁ、元々中二病で有名な本崎くんの黒歴史が一つ増えるだけだし。
思えばこいつ、全てが全て嘘で塗り固められてるやつだしな。信じて聞いてた俺がアホだったのか。
多分、そこの女も適当に煽ててからかってんだろ。
もう、帰ろ。
……あ、卵買わなきゃ。あとネギ。
スーパーを出た俺は、バーゲンセールでの戦利品であるネギを手に、あの優しかった近所のおばちゃんが鬼の形相で襲ってきた魔の戦場での悪戦苦闘を思い出し、噛み締めながら歩いていた。
そしてその途中、誰かの声が聞こえた。
「おい神!そろそろ良いんじゃないか!俺をそっちに連れてけよ!」
お ま え か 。
そこには天に向かって苛立った声で叫ぶ本崎の姿が....
思わず俺は隠れた。
何故かは分からないが、隠れないといけない気がした。
……いや、正直に言おう。面白そうだから。と
「あ?そっちと俺の言ってる世界は違うのか?...良いんだよそんな事!」
本崎がこんな怒ってんの初めて見たな。いや、演技だったな。あいつ役者のが向いてんじゃね?
何どと思いながら本崎の観察を続ける俺。
「お!?本当か!よし、すぐ頼む!」
うん?なんかよく分かんないけど何かが起きるみたいだ。
あいつの脳内ではな。
なんて、半ば笑いをこらえていると本崎の方へトラックが走り出す。
……いや、方へ。なんてもんじゃない。本崎めがけて、轢き殺そうという意思があるかの如く走り出す。
……あれ?何で俺走ってんの?
あぁ、ほら。本崎も驚いて....あ笑った!こいつ今笑いやがった!
「てめぇ!ぶっ殺す!!」
本崎を助けるため、体が勝手に走り出す程の正義感は何処へやら。今度は本崎を殺すためにこれまで以上の速度で走り出す。
「う?わっわっ」
本崎は慌てて原始人のような声を発する。
そして、トラックは本崎にあたり───
俺に当たる。
『──もし?』
誰だ?こんな所で泥棒に心を盗まれた少女のような起こし方をするやつは。
『──もしも?』
ん?もしも....?いや、それなら疑問系はおかしい。
『しもしもー?』
あ違うこれ、バブリーだ。バブル時代の人だ。
俺は勢い良く起き上がり、周りを見る。
白っ!明る!!眩しすぎて辛い!目があかない!
目ガ、目ガーー
「あの、バブリーしてるとこ悪いんですけど」
『.....ばぶり?』
何だろう。この人は少し遠くにいるような感覚を覚えるな。
近くから声は聞こえるけど、遠くから聞こえる様な自然な感じに小さく声が響く。返事も少し遅れてるしな。
声は女?っぽいけど、男と言われればあぁ。そうなの?ってなる位の微妙な声。
『ばぶりーとはなんでしょうか?』
急に普通にしゃべりだしたな....
「あのーあれですよ。チョベリバーとか言ってる。その〜...貴方みたいな感じの人?の事です」
ごめんなさい。俺も良くわかんないんです。
『でも、これが普通ではないのですか?』
何言ってんのこの人。
って言うかそろそろ目が慣れてくれても良いんだけど。全然この人が見えないよ。目が開かないよ。
取り敢えず、これだけは言っておこう。
「時代遅れも良いところ。って位には普通じゃないです」
『そう。ならどうすれば良いのでしょう?』
ん?喋り方の事か?
「まぁ、普通で良いんじゃないんですか?」
『普通?貴方の普通がわかりません』
「いえ、貴方の普通で良いです」
なんか今のちょっとイラっときた。
『そう』
「……」
『……』
「……」
『……』
なんか言えよぉぉ。
...いや、落ち着いて考えたら、今話す必要があるのは俺だけなのか。
ってかそろそろ眩しすぎ!この部屋本当何なの!
『....天、国?』
「...え?」
な、何が?
『ここ』
「……」
で、電波ぁ
ん?いやちょっと待て、俺今言葉にしたか?ここは何処か。って
『言ってない』
「そ、そう...ですか.....」
やべぇ電波じゃなかった。マジだった。え?どする?ん?何話せば良いんだ?
「え、あの。何でさっきはへん...あんな喋り方を?」
『ゆうたが言ったから?』
ゆうた?聞き覚えが....あぁ!本崎の下の名前だ!本崎勇太!っておいおい。ゆうたなんて名前何処にでもいるだろう。
『あってる。本崎勇太あってる』
……どうやらあいつのようだ。
ってそうだ!確か俺あいつと一緒に轢かれて.....なんかイライラしてきた。そう言えばあいつ、助けに来た俺を見て笑ったんだよな。解せん。
「貴方が助けてくれたんですね?ってか、眩しいんですけど。ここはどこ───」
そこまで言って思い出す。さっきの言葉を。この人はここを何と言った?
たしか、ここは.....
『天国。だと、思う』
だと思う....だと....!?
『貴方たちの呼び名では天国で合ってる。と、思う』
そうだった。この人電波じゃなくて心読めるタイプのマジの人だった。
「では貴方は?」
『神...?』
……かみ?..髪?紙?
....神!?GOD!?
G O D
と書いてゴッド!?
『落ち着いて?』
「ハッ。神様の御前でご無礼を犯しました事を命をもって償います」
『だから落ち着いて。もう死んでる』
そーだった!くそ!何で俺まで死ななきゃいけないんだ!くそっ!!
本崎め!今度会ったらブッコロだブッコロ!あ、あいつも死んでるか。
まぁ、それはそれとして問題は死んだ俺に神様のご用はなんでしょな?ってことだな。
『私、ゆうたに、力を貸した。でも、ゆうた、急かすから、貴方、死んだ』
はい。意味分かんないのでここからカット!
つまり。神様の言った事をまとめるとこうだ。
本崎に力を貸して、異世界に勇者召喚させようとした。しかし本崎が俺の力は俺が決める!
とかの給い始めたので、自分で作らせた。
その能力、及び身体は奴の小説の主人公の物で
曰く、体の9割は超万能幹細胞がどったらこったらで、簡単に言うと光速をも目で追える、化け物並みの反射神経、動体視力に、超速度での自然回復ができる。
曰く、能力は全力召喚とか言う召喚能力で、自身のステータスによって出てくるモンスターは強いのが出やすくなる。
曰く、身体の構造上、人間ではその効果は果たせないため、外見はスケルトン。つまり全身骨だけの骨人間にならなくてはならない。と言う。
いや、チート?
って思うよね。俺も思った。ただ、それをするには、いかに勇者の器である本崎とはいえ、魔力という、内に秘めた力が足りないとか。んで、たまたま通りかかった俺が、本崎には負けるが高い魔力を有していたので、どうせこのままなら死ぬし、魔力、もらっちゃおっかな〜←今ここ
「俺完全に巻き添えじゃん!!」
『そう』
「いや、そう。じゃなくて!」
どうしてくれんの!その魔力?とか言う中二的パワーのせいで俺死んだの!?
『そもそも、ゆうた、骨にしなくて良い、言った。 でも、ダメって。ゆうたのせい』
「いや誰のせいとかじゃなくて!ってか、あいつアホなんじゃねぇの!?なんで魔物転生に憧れんの!」
『でも』
そこまで言うと、ゆっくりと俺の周りで何かが集まる。ような気がする。
『大丈夫。お詫び、あげる』
「え....」
突如、俺の体は青い粒子状の光に包まれる。しかし、目を瞑ってる俺には何が何だかわからない。
そして、体が砕けるような感覚があったと思ったら、次いで無理矢理体をプレス機で圧迫するような、そんな痛みが襲う。
そして、痛みは残っているものの、光は拡散していく。
「ヒグッ!?」
目を覚ますと....体がスケルトンになっていた!ってえ!?
何だこれ!?バーロー坊やもびっくり大変身だよ!
『君に、ゆうた、作った身体、あげる』
「え!?これ、俺も異世界いくってことですか?」
『そう』
「の、能力は!?」
少し放心した後の俺の質問に、神様は、ん〜。と唸る。
『あげる』
「貰った!?」
持ってなかったのか。あぶねぇ折角の異世界、ただのスケルトンじゃやってらんねぇよ。
危うく、死ぬまで他のスケルトンたちと一緒に『カタカタカタッ(訳:おはよう』なんて生活になるとこだった。全力召喚?なんかよくわからんしデメリットの高そうな名前だが貰えるもんは貰っとけ!
「能力は一つですか...?」
『むぅ。贅沢』
そりゃあそうだよな。
そもそも死ぬはずの所を助けてくれたんだしな。
……あれ?俺が死んだのはこの神のせいだっけ...
『でも、いいよ。どんなのが、良い?』
「え、作れるの?」
魔力足りんの?
『んー。作れるの、鑑定系?か──』
「鑑定系で!」
少し声が遅れていて、もどかしいので食い気味でいく。
って言うか、鑑定系も作れるのか。異世界漂流物だと王道能力じゃねぇか。
確かにあれないと生きていくの大変そうだわ。
スケルトンはアンデッドだから死んでるがな
HAHAHA
....ダメだ。テンション上がりすぎだな。落ち着け俺。心頭滅却日の本強し。
よし。
『そうだ、鑑定、か、ナビゲーション、か』
落ち着かない心をどうにかしようと試行錯誤する俺に神様は問いかけた。
何だ?少し神様の声が弾む。と言うか笑った感じが....
「ん?それは、例えば、これは何だ?と思えばこれは何々。と出る鑑定と、これは何だ?と思えばこれは何々ですよ。以外にも、この道はどっちに進めば良い?と思えばこちらです。など、知りたいことを全て教えてくれるタイプの奴か?小説でもその二つのタイプに分かれるが....」
『察し良すぎ、ドン引き』
顔は見えないけど顔引きつってんだろうな...ってだからそろそろ部屋眩しすぎんの何とかして!
『無理、神、見られる。ダメ。』
「そ、そっすか。あ、ではナビゲーションの方で」
『ん。りょー』
おぉう。この人のキャラがわかんないな
ってかそんなことより
「さぁ!俺を異世界へ飛ばしてくれ!」
『む。上から。なんか、ゆうたみたい』
そして俺は身体を分解される様な痛みに再び耐えるのであった....
そして消えゆく意識の中、俺はこう思った。
小説書いてるのなんて嘘だ。とか言ってごめん本崎
恐る恐る目を開けると、遂に明るすぎる部屋を脱し、薄目ではなく普通に外が見えた。
「外ってこんな暗かったっけ?目が慣れんな」
「その声は、はるさ....き!?」
そっか、本崎も無事異世界に来てたのか。それに、あの場にはあいつはいなかったしな。
説明を受けていない本崎からすれば転移したら居るはずのない異世界にクラスメイトが居るのだから驚いてる。ってわけだな。
《前文を肯定します》
おぉう。これがナビゲーション系のスキルか。
《肯定します》
ん?前文をってことは本崎は説明を受けてるのか?
《いえ、恐らく個体名『ゆうた』が驚愕、また憤怒の気を隠す気もなくまき散らしている別の理由ではないかと考察いたします》
よく聞くと微妙に本崎には口悪いな。お前
それより憤怒?異世界に自分以外の人が来るのは嫌だってか?まったく
「な、な、な、な!」
「な、な、じゃないよ。俺はお前のせいで死にかけ....ってか死んだんだぞ!あやま──」
「何でお前がその身体なんだよー!!」
.....あ。そう言えば俺スケルトンになったんだっけ?
自分の手を見る。カラカラと音がなる。
....あ、骨だ。
「ん?あれ?そう言えば何でお前は人間なんだ?」
「こっちが聞きてぇよ!」
《それは個体名『ゆうた』が持つはずであった力をマスターが美しく、麗しき女神、アウラ様にお譲りされたからだと推測されます》
あの神、そんな名前だったのか。
まぁ、今はそんなことより
「え。それって。俺が本崎の力を....奪っちゃったって事.....?」
「……」
「……」
暫くの沈黙の後に本崎が声を荒げる。
「ふっざけんじゃねぇぇ!」
「ごめんごめんごめんごめん。悪気はなかったんだ!って言うか......」
そこまで言うと、何処からか悲鳴が聞こえる
「キャー魔物よ!魔物が出たわ!!」
え?魔物?ご冗談を。何処にそんなのが.....兵隊が来る。こっち来る。あ。これあかん
「アカーーーーーーーーーーン」
全力疾走のち、今大草原。
「すげー広いなー」
一話目から文字数多すぎた気もしましたので、主人公死んだあたりで一話切ろうかと思ったのですが、どうにか草原のとこまで持ってきたかったので、結局そのまま投稿しました。
あぁ。後悔はしていない。ただ、この後どうなるか作者も知りたい。
スケルトンパラディンになるための流れがうかばない!(笑)