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唯々公平な「僕」と唯々普通な野丸くん

作者: お菓子と袋

作風を変えて実験しました

今から始まる話は、僕、野丸が出会った不思議な男「僕」との会話した ただそれだけの話


僕、野丸は恐らくどこにでもいると言いたいが、よく考えると何処にでもいるというのはおかしい話のような気もする なぜなら、人のみならずこの世の全ては恐らく全てが少しづつ違うという持論を そう、そんな安っぽい歌の歌詞のような持論をちっぽけな我が身ながらも持っているからである。

しかし、その考えで言うならば一般人と呼ばれるような人たちと共通点がかぶっている僕も人と違うといっても良いのかもしれない まぁ、ただの普通か異常かというとノーマルな僕はだからどうだという意味や意義がありそんなことを思っているわけでは無いがそんなとりとめのないこと考えている僕の前には名前はしらない

ただ、自分を「僕」というということしか知らない男がそんな僕の思考が読めているかのようににやにやともしくは、ニコニコともつかない顔で見ていた その男が急に口を開いた

「野丸くん 今日は何の話をしに来たんだい」

「僕が話に来たとは限らないのになんでそんなことを?」

「いやぁ 君はいつも話がある時しか来ないからかな」

そこで一旦言葉を切り、続けた

「いや もしかしたら話がない時も無理やり話を作ってるのかもしれないし、話が有っても来ない時が有ったのかもしれないね それは僕が君にならないと、いやなっても分からないかもしれないが…」

そんなことを男は言っていたが僕は、そんな話を聞きたいわけでは無いのでそこで無理やり話を切った

「いや 話は有るんだ 聞いてくれないか」

そう言うと、男は

「そうだね 聞くくらいはしてあげよう」

そんなことを言うが、聞いた後には自分の想像もしない返答を言ってくれるのでわざわざ語りに来るのだ

だから話もしに来るし、哲学的で答えもない いや、あるのかもしれないが僕には理解できないであろう答えになりそうなものも聞くのだ

そして、僕は今回の話 いや話題 もしくは議題を語った ただの仮定を想定して

「僕の見る限り虐められている いや、僕が勝手に思っているだけかも知れないが、僕にはそう見える男の子がいる その男の子は助けるべきなんだろうか?」

男はその問いに対しこう問い返した

「君はどうしたいんだい?」

その問いに僕は答えに詰まってしまった 本来はすぐ助けるべきだというべきなんだろうがそんなことはとてもじゃないが僕には出来ないし、そもそもそれが出来るならこんなことを相談に来ずにもう助けようとすら思ってはいないんじゃないか?  しかしそれを口にするのはとてもじゃないが僕の知る一般的な価値観ゆえに答えられなかった 

そんな僕の沈黙を気に留めていないかのように、男は言葉を続けた

「そもそも その君のいう男の子はもしかしたらマゾヒストな体質かもしれないし もしそうならその男の子を虐めているように見えるという様に見える子達は、とても優しいのかもしれないね」

「男の子はとても嫌がっているように見えたから違うと思うんだけど」

その発想はおかしいと思った僕はつい反論の言葉を言った 言ってしまったのだ こうやって反論してしまえば目の前の男は際限なく話しだし その話は色んな物事を信じられなくなるような話だというのに

そして、男は喋りだした

「本当に嫌だったか 君には解るのかい?」

「それは分からないけど…」

「まぁ もし本当に虐められていたとして何かまずいのかい?」

「そんな悪いことはしちゃいけないと…」

男はさえぎるように続けた

「なぜ 悪いんだい? そして仮に悪かったとして、なぜやってはいけないんだい?」

その言葉を聞いて僕は考え出した 悪いからやってはいけないと返すのは簡単だ しかし、その返答では彼は満足しないだろうし何よりそれで済ますのはなんだかすっきりしなかった そんな感情で出した答えは

「みんなが不快になってしまうしそれに、そんなことが続けば僕にも被害が及ぶかもしれないからだ」

これは、男も返答に困るかと思ったがそんな回答は予想できていたとでも言うかのようにこう返してきた

「みんなが不快になるかどうかは君には解らないだろう? それに、その彼が虐められ続ければ君には、被害が行かないのではないのかな?」

その返しに何も返すことはしなかった いやできなかった 男は尚も続ける

「そもそも 人は不快な虫を殺すんだからそれが人間に向かっている それだけなんじゃないかな」

それに、違うといえれば良かった だが、理性はそれに賛成してしまっていた 賛同してしまっていた

そんな僕に男は続けた

「僕は、常に両方を見る」

「…両方を?」

「そうさ そうだねぇ もし人が殺されたとする 法律で見ればそれは殺した方が悪いのだろう だが、もし殺す側にひどい恨みや、殺された側が殺されて当然という事をしていたら?そんなことは知らないんだからわからない だが仮にそうだとしたら君たちの言う良い悪いで物事をはかれないだろう 何故なら知らないのだから」

そう一気にまくしたてるように語った そして今回最後の言葉を放った

「正義の反対はまた別の正義なんて言うけどさ 僕から言わせればどんなものもだいたいが自分に都合の良いものを正義と言っているだけさ ただそれだけの事なんだよ 世の中って だから今回のことも君の正義を通せばいい 助けたいなら助けて、嫌ならやらなきゃいいのさ 絶対の答えは誰にも分からない」

そう言って寝ころんだきり、最低でも僕が帰るまでの間、無反応になった

帰り道、僕は彼の言った言葉を思い出していた

(「助けたいなら助けて、嫌ならやらなきゃいいのさ」)

その言葉はなぜかずっと頭から消えなかった

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