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なろうのテンプレを踏んだ異世界行った場合 

作者: ヘカトン

なろうの作品で奴隷が好感を持つわけがないって言っていたのでなんとかして好きにさせようと頑張って見ました。

 俺はジンという。

ある日突然神様に呼ばれて異世界に飛ばされた男だ。

いつも見ていた小説サイトのようにテンプレのようにチートをもらって、異世界に送られた。


 まあなんで送るときにチートを上げるのか聞いたら現代社会で暮らした人間に魔物ひしめくファンタジー世界に送るのにチートの一つでも送らなかったらすぐ死んでしまう。

よほど性悪の神でもない限りチートの一つぐらい送ると言われた。


 まあそうだ。なんでファンタジー世界に送るって言っといてその後知らないよっていうのはなしだろう。

送っただけでもありがたいとか神様が人間にそこまでするかとか意見がありそうだが、わざわざこちらと話をするぐらいフランクな神様だ。少し融通がきいてもおかしくない。


 そういうわけで俺は異世界に飛ばされることになった。


 


 テンプレのようにギルドに入りテンプレのように俺はチートを使ってランクを上げて稼ぎを上げる。

少々のやっかみはあったがほとんど非難されることはなく俺はギルドに所属することが出来た。

大体の小説では突っかかってくる冒険者などがいるがそんなことはなく、皆日々依頼をこなすことが精一杯で他人に構っているような余裕がなさそうだ。

なぜならこの世界では誰でもできる仕事などは低ランクの奴らに回され、危険のある討伐任務や護衛、配達などの仕事しか受けられない。


 毎回同じ魔物と戦ってられるわけじゃないし、間引きが済んだら長期間自分のできる依頼がない場合がある。

そんな日々の中で他人に構う余裕のあるやつはそんなにいない。


 それにもし問題を起こしたらギルドから脱退させられて他の街でも依頼を受けられなくなる。

そもそも冒険者稼業なんていうのは日雇いのその日暮らしの仕事。堅気の仕事ができないやつらが最低限のルールを守ってやる最後のセーフティネットのようなものだ。


 そこからわざわざ落ちる真似をする奴はあんまりいない。




「お疲れ様。これ報酬ね。」

「どうもありがとう。」


 短くお礼を言って俺はギルドから出た。

基本的に俺はギルドとは深く関わりがない。

俺自身がコミュ症気味というのもあるが、ギルドはならず者一歩手前の冒険者をまとめる手前問題を潰すのには熱心だが、問題を起こさない奴にはあまり関心がないのだ。


 一応俺も高ランク冒険者になったが、一部の冒険者のようにコネやつながりなどがないため特別な依頼を受けたりしたことはない。

ギルドの壁に貼ってある一般用の依頼をこなす日々だ。


 まあ毎回受けなくても1回で1ヶ月近く働かなくてもいいぐらいの報酬がもらえるのが冒険者の唯一のいいところだろう。

仕事嫌いな俺にとっては自分の気分でいつでも依頼を受けられるこの環境は素晴らしい。


 だが最近の俺は違う。

毎日のように依頼を受けて金をためていた。

理由は簡単である。奴隷がほしい。




 この世界はテンプレ異世界通りに美的水準は高い。

だがその恩恵に預かれるのは一部だけだ。

すなわちイケメンか金持ち。


 転移した俺は日本人の普通な顔だ。

ファンタジー世界のデフォルトの顔である欧米型とは違うしょうゆ顔だ。

基本的に東の方の顔とか言われる。


 まあそんな俺だから冒険者仲間の綺麗なあの子とか大人っぽいお姉さんとか垢抜けた町娘とか美人な受付嬢とかとフラグがたつはずもなく。

1年経った今でも恋愛経験ゼロだった。


 でも童貞ではなかったが。

当たり前だが冒険者ギルドの近くには慰安と経済的な理由で娼館が隣接している。

当たればでかい金が動く仕事でしかも命の危険にさらされる男たちはそりゃもう溜まっている。


 というわけで俺は先輩達にさっさと行けと急かされて脱童貞したのだ。

それから余裕が有る時は何度も馴染みの娘に通っていたが、その娘はイケメンと評判の男と所帯を持ったと聞いた。

娼館の女将さんから稼ぎをためてお目当ての男とくっついたと聞かされた俺は裏切られた思いになり、ついその娘のことを愚痴ってしまった。


だが、


「あんた勘違いしてほしくないんだが、娼館は春を売る場所で愛は売ってませんさね。ほしけりゃ狙いの女にいいところを見せるか甲斐性を見せな。」


と諭されてしまった。


 それで気がついたわけだ。

娼館で女と触れ合って恋愛気分でいたのが間違いだったと。

恋愛したかったら自分でチャンスを掴まないといけないことを。


 と言ってもそもそも相手されないから娼館に行っていたわけで、なんとか接点のある女性たちにアプローチを仕掛けてみようと情報を集めてみたら皆相手が決まっていた。

それもそうである。男と違って女性は相手の価値で自分の価値がきまる中世世界だ。


 顔面偏差値の高い女性たちはそれはもう親や友などから情報を集めて人生設計を固めていた。

大抵の女性は冒険者などという職業についた男に目もくれず堅気の男と生涯をともにすることを誓い合っていた。

冒険者なんかと所帯をもつのは何かしら良くないところのある女性ばっかりだ。


 顔が良くないとか欠損があるとか傷があるとか理由が様々だがろくなものじゃない。

そういうわけで俺がたどり着いたのが奴隷の女の子と恋愛しようというものだった。




 当たり前だが美人な奴隷は高い。

めちゃくちゃ高い。

何で高いかというとテンプレ異世界では奴隷には服従の首輪がされていてその首輪は高価でしかもそれをつけた奴隷には何でもいうことを聞かせられるという特典があるからだ。


 そのため普通は労働奴隷を高くするはずだったのだが、性奴隷としての価値が上がったために美しくてしかも若い女性は軒並み高いのだ。

まあ買うやつの半数以上が冒険者の男という時点でお察しだが。


 俺と同じく皆考えることは一緒だった。


 そういうわけで奴隷商館に来たが、ここはテンプレ通りではなかった。

檻に入れられ裸にされて展示させられることはなく普通の受付だった。

俺は出鼻をくじかれたが、普通に対応することにした。


「すみません性奴隷が欲しいのですが。」

「申し訳ありませんお客様。まずはこちらの書類を見てもらえませんか?性奴隷を欲しいとおっしゃるのであればこの書類に目を通してから出ないと。」

「アッハイ。」


 というわけで目を通す。

一番最初の重要事項として奴隷を保有する物の義務として所有物の生存権を著しく侵害する行為は厳禁と書かれている。

……でかでかと書かれているから本当に重要事項なんだろう。


 次々と目を通していったが要約すると

・生存権は保証されているよ殺しちゃダメ。

・なんでも言うこと聞かせられるけど奴隷の人権を損害する行為は犯罪。

・性奴隷と言ってもランクがあるよ。そのランクに応じて求めていい限界が決まっているよ。

とのことだった。


 なんというか奴隷と言っても結構法でガッチガッチに定めているからむやみに手を出しづらくなった。


「すみません。性奴隷のランクの項目の詳細が知りたいのですが。」

「……すみませんがお客様は加虐趣味の方でしょうか?」

「はい?」

「性奴隷のランクを知りたがる方というのは大抵どこまで傷つけていいか尋ねる方なので……」

「なるほど。」


 普通は性奴隷は性交渉のみを労役とかせられていてプレイ内容でランク付けされるらしい。

Aは普通の性交渉。Bはそれ以外で肉体に損害がない所。Cは肉体の損害あり。Dに至っては殺しもありの文字通り使い捨てらしい。


「Dランクはですねどうしようもないクズなんです。大抵とんでもない犯罪を犯して裁判で奴隷行きが決まったやつでたまに上玉が混じりますが気をつけてくださいね。服従の首輪の穴を通って所持者を殺そうと考える奴らばかりです。基本使い捨ての肉袋と考えて下さい。ああ男も混じってますが仕様です。」

「アッハイ。」


 性奴隷の闇深すぎぃ。


「あのー家事とか出来ますかね?」

「基本的にはできるものが多いですね。普通は親から仕込まれるものですからね。女が家事をできるのは当たり前と考えたほうがいいです。ただし例外はあります。それとあくまで性奴隷ですからね。家事までさせるのであれば最初に労役を加算するので高くなりますよ。」

「それでいいです。俺ゆくゆくは嫁になって欲しいので。」

「……お客さん冒険者でしょ。」

「はい。」

「ここによく嫁を探しに来ますが一つ忠告しておきます。割りきって付き合って下さい。女性の方からこちらに好感を持たれることはほぼ皆無です。」

「……ええぇ。」

「この所その違いに気づかないお客様が多いので注意しますが、あくまでお客様はご主人というだけで売り手である女性の買い手でしかありません。むしろ奴隷を買う人間として毛嫌いされるでしょう。」

「マジですか。」

「ええ。この大陸では奴隷落ちしたものの中でも性奴隷は価値が低く見られます。そもそも労働奴隷と違ってさしたる技術がないものが容姿だけで選ばれるものですから見る目が違うのです。なので基本的に性奴隷にされたものは勉学もなく技術もなく容姿だけがいいという普通の環境ではありえない廃棄物です。」

「廃棄物ですか。」

「普通は10年ほど暮らしていれば何かしら身につくものですが、読み書きも作業も出来ないものは都市に住んでいればいないのですがね。まあ辺境の村や蛮族、または甘やかされた貴族などが性奴隷になりますね。」

「あのーそう聞くと性格とか悪そうなんですけど……」

「ご安心をここの店頭に並べる奴隷は基本的には主人を立てるように教育しております。普通の主従関係であれば不快に思うことはないです。」

「れ、恋愛関係は……」

「正直に申されまして厳しいでしょう。主が並外れた偉業を成し遂げた人物であるとか尊敬できるものであるかはたまた性格の相性がよかったなどまあ可能性を低く見積もって下さい。」


 うーむ。これは厳しいのか?

受付の人がここまで丁寧に説明している様子だと奴隷と恋愛関係など無理と言っているが。

ええい!やってみるまでわからないものだ!こうなったらやってやる!

奴隷恋愛計画を。



・1人目の奴隷ミーナ


「おはようございます。朝食の用意が出来ました。」

「……ああ。」


 こちらを敬う態度を見せるワンピースに身を包んだ美女。

Bランクで美しくて自分の手の届く範囲となったら30代のミーナしかいなかった。

女性は25歳から年齢が一気に下がって30代で値下がりする。


 Bランクというアブノーマルな性癖の許容しつつ自分の懐事情に余裕のできる奴隷と言ったら彼女しかいなかった。

というわけで少々年の入った彼女と暮らしてみたのだが……


「……」

「……」


 正直に言おう。気まずい。

1ヶ月暮らしてみたが、彼女に粗はない。

家事は完璧にこなすし、夜の方もそつなくこなす。


 だが、だが、愛がない。

事務的であたたかみがなく、ただただ作業をこなすように相手をされる。

ああ、受付の人が言っていたことはこういうことだったのだなと身にしみて分かった。


 もういい。こうなったらお金をためてまた違う奴隷を買おう。

今度はもっと初な感じでもうちょっと仲を深めていこう。


 それにはまず。


「ミーナちょっと話がある。」




「ご主人様ありがとうございました!」


 俺の家に来て一度も浮かべたことのない晴れやかな表情でミーナは俺に礼を述べた。

今日俺は彼女の身柄を買い上げた。

具体的に言うと奴隷としてかせられた労役を金で買った。


 正直言うと懐が寂しい。だが、商館に売っぱらうのは良心が許さなかった。

なんというか商館に連れて行った時にすんごいどよーんってオーラを出していたから売ろうって気に慣れなかったのよね。


 それに別に彼女に過失があったわけじゃないからね。


 そういうわけでミーナの首輪を外したらこうして感謝されました。

いい機会だ。ミーナに首輪抜きでどういう感じだったか聞こう。


「ジン様が主人としてどうだったですか?正直におっしゃいますが想像よりもお優しかったですね。」

「あのー少しは好感を持ってくれないかな?」

「奴隷に何を求めているのです?そんなものが欲しかったらもう少し女心を知ろうとしたら如何?」

「……」


 次だ次。


・2人目の奴隷アイシャ


「……おはようございます。」

「朝食は。」

「できてる……ます。」


 マジで不満気な態度のこいつはアイシャ。

次に買った教育のなされていない奴隷だ。


 こいつを買う時受付からかなり止められた。

不快に思う。商売人として商品を出せるレベルじゃないなどなど止められたが俺はあの他人行儀な態度をなくすために教育前のまっさらなやつを買った。


 正直言ってその時の俺を殴りたい。

ここまでひどいとは思わなかった。

家事はしない。敬わない。性交渉を厭う。ついに俺に手をだしたことから俺は奴隷の首輪を使う事になった。


 いやあ最初に使った時はスッとした。

あの不満気な顔のまま俺の言葉に従うさまは良かった。

だが、奴隷として扱う内に気づく。


 あれこれって恋愛感情作れなくね?


 というわけでこいつは売り払うことにする。

躊躇いはない。

こんな性奴隷と言えない産廃はどこかの脂ぎったおっさんに叩きこまれればいいんだ。




「あああああっ!上手く行かねー!」


 俺は商館を出て愚痴をこぼした。

全く成果が出ないことに苛立ちを覚えたのである。

教育が行き届いた奴隷は事務的になる。教育がなければ反抗的。


 だったらどうやって情を割りこませればいいのだ。

考え考え、街をうろついていく。


 そして俺に誰かがぶつかった。


「おっと。」

「お兄さんごめんなさ~い。」

「ああ、気をつけて……」


 !そうだ。これだ。




・3人目の奴隷ミー


「ご主人様ー。ごはんですよー。」

「ああ。まってろ。」

「ひゃあん。胸掴まないで下さい。」


 俺のセクハラにまんざらでもなさそうな表情を浮かべる彼女は俺の奴隷兼嫁のミーだ。

物心の付かない5歳くらいの年齢から引取り調教し俺に好感を持つよう誘導した。

10歳になる頃には頭の軽いバカになっていたが、そのまま家事技能を教えて今に至る。


 そう俺の必要とする奴隷がいないなら作ればいい。

というわけで俺に好感の持った奴隷を作った。

こいつは俺がしたいといえば何でもこなす完璧な奴隷だ。


 代わりに知能がかなり低いが仕方ない。

いらない知恵を身につけても困る。


「ご主人様ー?私の料理どうですかー?」

「おいしいよ。」

「えへへ。うれしいです。」


 少女の年齢にしては子供っぽいしぐさをする彼女だが俺は気にしない。

彼女が15になるまでそれはそれは苦労した。


 自宅から殆ど出ないように軟禁して情報源を俺だけにして。

俺の意に沿わない行動をしたら容赦なく叱り。

逆だったら褒め。


 何度も何ども彼女の身体に薬を使い、快感を教え込み。

そうして出来上がったのがこのミーだ。

ああ長かった。俺が30になる前に作れてよかった。


 俺の最高の奴隷。俺は幸せだ。


「ミー俺の事好きか?」

「大好きだよご主人様!」


・結論テンプレ異世界の奴隷に好感を持たせるには洗脳するしかない。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 面白かったです。 [気になる点] 主人公はロリコ(ry [一言] やはり奴隷に好感を持たせるには、これぐらいやらないと駄目なんですかね。歪んだ好感ですが。
[一言]  まぁ確かに、洗脳しかないですよね……  というか、ニコポナデポとか、普通の服与えたりとか、同じ食卓を囲んだりとか、その程度でコロッと参るチョロインのほうが、リアルに考えると恐いですけど。…
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