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univ.SchicksalSymphonie  作者: ゆにこん
第一楽章 運命のはじまり
1/3

#0 序説のような少し未来の話

「これって、絶体絶命ぜったいぜつめいってやつだよな…」


 周りの草むらからは触手しょくしゅがウネウネと伸びていた。

 それは聞く人が聞けば性的な妄想を呼び起こす表現ではあるが、実際に遭遇すると嫌悪感けんおかんしか感じない。

 スライム。不定形の魔物モンスターの代名詞であり、冒険者ハンターが最初に遭遇する難関。


「こんなノロマ、わたしがり刻んで上げる!」


 腰に下げた刀を抜き、魔物スライムに斬りかかろうとする。

 こいつの名前は江茉エマ。オレの幼馴染みで、彼女のことはよく知っているが、この“考える前に飛ぶ”性格は昔から全く変わらないな。

 まあ、そんなこと江茉エマに言ったら、きっとスライムの代わりにオレが斬られるだろうが。


「ダメーーーーーーーっ!」

「…えっ?」


 少女の叫びが江茉エマの刃を止める。

 この少女はフユ。

 彼女は歴代続く錬金術士れんきんじゅつしの家の末娘すえむすめらしい。

 だが、そんな彼女もモンスターと直接戦う職業ジョブではなく、この場ではモンスターの情報を小型端末(スマホ)から調べるくらいしかできないでいた。


「スライムの体は強酸性きょうさんせいだから、触れたら溶かされちゃいますよ!」


 『最初の難関』なんてのは、どこぞのRPGロールプレイングゲームの話で現実リアルは違う。


 良く観察するとスライムの表面はドロドロとした粘液ねんえきのようなものが覆っていた。それが地面に落ちるや、ジュワッ!とした音と共に触れた草から煙が上がっている。あんなものには死んでも触れたくはない。いや、触れたら死ぬ。


 唯一の救いは、この魔物モンスターの動きが遅いことか。けれど、今いるのはスライムの巣窟そうくつのど真ん中。四方八方どこからも触手が伸びてきて逃げ場などなかった。


「ちょっとハヤト!さっさとこの場を切り抜ける作戦なんかないの!?」


 大切なかたなの代わりに落ちていた枝で触手を払う。

 持っているのがただの枝にも関係なく、その太刀筋たちすじは一流の剣士のものだった。


「そんなこと言われてもなぁ…エマの方がランク高いんだから、なんかいい策はないのか?」

「この中で一番役立たずなんだから、頭くらい使ってよねっ!」

「ぐぬぬ…」


 はじめから江茉エマに作戦は期待していなかったが、痛いところをつかれては反論もできなかった。

 う~ん、どうしたもんか…

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