【エピローグ】とある地方の少女が見た京都大会の結果
後日、とある地方都市の大きな戸建ての邸宅。
夜にその一室のベッドの上でスマホを眺めてる少女が一人。その画面にはこの間、行われたかるたの京都宇治大会の結果が書かれていた。どうも、協会がついさっき、大会結果をアップロードしたようである。
「A級の優勝者は斎川由梨、準優勝が桑野舞と……ま、順当なところかー。つまんないなー」
ベッドの上で足をパタパタさせながら、興味なさげに3位以下の結果を見る。
4位入賞者に『大阪明星会』の文字を見て、一瞬、表情が明るくなるが、「花山結姫」という名前を見て、一転してテンションを落とした。
「…………やっぱり、あの子の名前はないなぁ。もう、かるたやってないのかな」
と、普段はA級の結果しか見ないのだが、この日はなぜかB級の結果に目を向けた。すると、気になる文字を見つけた。
B3級優勝 四条光輝(大阪明星会)
「え? 大阪の四条って、まさか…………」
その文字を見た彼女は目を見開き、過去の大会の結果を慌てて検索する。それは7年前の3月に行われた小・中学生大会の4年生の部。そこに書かれた優勝者の名前はまさしく「四条光輝」だった。
「しじょう、みつき…………四条くんだ。四条くんなんだぁ……」
漢字もかるた会の地域も一緒、彼女は確信した。彼に違いないと。
そして、在りし日の小さい頃の彼を思い出す。
『お前とのかるた、楽しかったぜ! また、やろうな!』
記憶の片隅にある小学4年の光輝は無邪気に笑って、そう言っていた。
「うれしい……! また、四条くんとかるたやれるといいな」
彼女がそっと胸に手を当てる。
「あたしの憧れの人、だから…………」
次回から高校選手権の個人戦に入ります。




