序文 世界
これは『ちきゅう』というほしの、そのひがしのはてにある『にほん』のおはなし。
せかいをまきこむおおきなたたかいがありました。
さらに『ちきゅう』へきょだいないんせきがせまっていることがわかりました。
そこで『にほん』のひとびとは、ほしのそとにかつろをもとめ、だいちからのびるおおきなえれべーたーをせっせとつくろうとします。
しかし、そのえれべーたーはかんせいをもくぜんにして、こわれてしまいました。
『にほん』のひとたちはあわてました。
えれべーたーがこわれたことで『とうきょう』がうしなわれたからです。
『にほん』のしんぞうぶ『とうきょう』は、こっかとしてのきのうがつめこまれていたのはもちろん、いちばんのじんこうみっしゅうちでした。
おおくのひとがかなしみました。
そしてかなしみはさらなるかなしみをうみだします。
そのなかで、あらたなしゅとをつくろうと『にほん』のひとはこえをあげます。
しかしどこをしゅとにするのかで、はなしはまとまりません。
ついにはおなじ『にほん』のひとどうしであらそいがはじまってしまいます。
『にほん』がないせんをはじめたとき、せかいがうごきました。
『ちきゅう』のひとびとは、いんせきのらっかをかいひできなかったのです。
おちてきたいんせきは、ちじょうにはかいをもたらします。
そしていんせきがおちたつぎのひのこと。
せかいに――――『かいぶつ』があらわれたのです。
『かいぶつ』はせんそうでひへいしたせかいでさらなるはかいのかぎりをつくし、せかいじゅうがちとひめいであふれました。
そんなつめたいせかいにも、どうかあたたかなぬくもりを。
これはじぶんをぎせいにしてしまう『しきかん』と、そのきたいにおもいでこたえようとする『しょうじょ』たちのものがたり。
あるいは。
こころがゆがみきった『しょうねん』のふくしゅう――いのちのせんたくのものがたり。




