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運命の交錯


しばらく経ってから、父方の実家に顔を出す機会が訪れた。普段はなかなか行けない場所にあるし、何より祖母との間に微妙な距離感があったので、頻繁には訪れていなかった。けれど、今回は何かに導かれるように、その攻略本を持って行こうと思った。


「あの名前…やっぱり気になるな。」


そう思いながら、祖母の家に着いた。久しぶりに見る祖母は少し年老いて見えたが、変わらず優しい笑顔で迎えてくれた。僕はリビングに座り、持ってきた攻略本を取り出した。


「ねぇ、この本、ちょっと見てもらってもいい?」


祖母に本を渡すと、彼女は丁寧にそれを開き、中をじっくりと眺めた。そして、最後のページに書かれた名前に目が止まった。次の瞬間、祖母の目が潤み始めたのがわかった。


「この字…これは…あなたのお父さんの字よ…」


驚きのあまり、僕は言葉を失った。まさか、本当に父のものだったなんて。祖母は涙を拭いながら、昔のことを語り始めた。


「あなたのお父さんも、ゲームが大好きだったのよ。あの頃は、まだファミコンが流行っていたわね。よくこの本を持ってきて、夢中で遊んでいたものよ。」


僕は胸の中が熱くなった。父が遊んでいた同じゲームを、同じ攻略本でクリアしたなんて。運命としか思えなかった。


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