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1999年9月13日（月）：樹海ビデオ
西岡の青春は決して平坦な道のりではなかった。中高一貫の私立高校の学籍を与えられていた西岡だが、高校へ内部進学した経緯からして、尋常ではなかった。生き物の命を含むいくつかの、誰かの大切なものを西岡は奪った。その事により、外部進学者と中退学者を何人か発生させて、自身に外部進学の鉢が回って来ないよう努めた。
高校に進学してからも、いじめ被害者の地位をキープして、西岡の在校という異常事態の塩漬け繰り越しと、学級運営のコントロールを怠らず、大人たちを出席日数や成績の改ざんに追い込みながら、西岡は今の暮らしを守っていた。そんな暮らしの途上で、こうして個室ビデオ店で樹海のビデオを観て遊んでいるのだ。
樹海には、くさったしたいが転がっている。ちなみにこのビデオの一部は、この年の8月に民放のテレビで放送された事がある。それでも、西岡は300円を損したとは思っていない。他にもいっぱい、面白いものが観れたのだ。
