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1999年9月9日(木):レゲエとカンフー
この日、瀬黒は通学電車を途中下車しなかった。なので、瀬黒と別れた西岡は1人で帰宅して、私服に着替えて自転車で個室ビデオ店に行った。
昨日、瀬黒が借りていたクラブ音楽のビデオを西岡も借りて観た。しかしそれは、レゲエというのか何というのか、西岡には馴染みが無いジャンルの音楽で、音響も非常に豪華すぎた。(頭がヘンになりそうだ、globeかtrfの音楽ビデオにすれば良かった)というのが、率直な感想だった。
それでも、瀬黒の鼻唄と一致するパートを西岡は聴き逃さなかった。そこに歌詞の表示は無く、確かにそれは間奏のパートだった。
それを確かめた西岡はビデオをもう1本借りて、利用時間を1時間延長した。裕福な家庭で養われていた西岡が、娯楽費をほぼ全て、レンタル・ビデオに回していたので、300円の追い銭は負担に感じなかった。
西岡は口直しにコウドウ派という中国拳法のビデオを見て、それが終わると利用時間の2時間経過を待たずに退店して、家に帰った。