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雨は嫌いだ 【不問4】

作者: まなお

〈注意事項〉


過度なアドリブはお控えください


男女不問作品というか、ノンバイナリー作品です。登場人物はどの声が演じてもOK!


台本を使用する際は、タイトルと作者名を記載の上で上演お願いします。

課金制・無課金制問わず自由に使用してもらって結構です。


使用の際の連絡は不要ですが、作者にDMを送ってくだされば、聴きにいけたら行きます!

アーカイブも残っていたら、送ってくだされば聴きます!

Twitter:manaosoda_



25分〜30分目安


ジュリ:

ソラ:

ユウヒ

ダイブツ



【Trans rights are human rights】



↓↓本文↓↓


ジュリ「雨だー」


ソラ「だねー」


ジュリ「雨だよー」


ソラ「そうだねー」


ジュリ「雨〜!」


ソラ「うんー」


ジュリ「雨じゃん!」


ソラ「…」


ジュリ「雨か〜」


ソラ「ジュリ!」


ジュリ「雨ー!!!!!」


ソラ「(遮って)うるさい!」


ジュリ「うぉーびっくりした」


ソラ「何してるの?」


ジュリ「ソラは雨好き?」


ソラ「嫌い。ジュリは?」


ジュリ「うーん、どうだろう」


ソラ「はぁ、で、何してるの?」


ジュリ「いやーね、雨だなって思って」


ソラ「うん、で?僕の部屋で何してるの?」


ジュリ「暇なんだよ」


ソラ「は?」


ジュリ「雨降ってるからさ、出かけられないじゃん?だからやることないんだよ」


ソラ「だからって僕の部屋に居座ることないでしょ」


ジュリ「ソラだってどうせ暇してるでしょ?」


ソラ「仕事だよ」


ジュリ「そんな画面ばっかり見ちゃって、目に良くないぞ〜」


ソラ「だから仕事なんだって。邪魔しないでよね」


ジュリ「またまた〜休日だよ〜?そんな休日に仕事するワーカホリックいるわけ」


ソラ「いるんだよ、ここに。」


ジュリ「悲しい。悲しすぎるよ」


ソラ「…」


ジュリ「休日が雨ってだけで悲しいのに、雨の日の休日に家で仕事をしているなんて、」


ソラ「…」


ジュリ「涙が!止まらない!!」


ソラ「…」


ジュリ「まるで!この雨のように!!」


ソラ「はぁ…」


ジュリ「今、うまいこと言ったと思った?ねえ思った?」


ソラ「寒い。」


ジュリ「よかった!節電になるね!」


ソラ「…」


ジュリ「エアコンを使わないことによって、財布だけでなく環境にもいいことをしているのだよ」


ソラ「もう、わかったよ。何がしたいの?」


ジュリ「あそぼ?」


ソラ「何で」


ジュリ「わかんない」


ソラ「出てけ」


ジュリ「うそうそ!遊びたいゲームがあるんだ!


ソラ「なに?」


ジュリ「ひみつ〜。そうだ!ユウヒとダイブツも呼ぼう。」


ソラ「どうぞ」


ジュリ「あ、もしもしユウヒ?ダイブツも一緒?

じゃあさ、今日雨じゃん?うちでみんなで遊ぼうよ!


うん!はいはーい!じゃあ1時間後ね!


1時間後にくるって!」


ソラ「よかったね」


ジュリ「なんかおやつあったけ?」


ソラ「さあ」


ジュリ「おやつはないとダメだよ。人が来るんだから」


ソラ「ユウヒとダイブツが何か持ってくるでしょう」


ジュリ「あ、そっか!でも飲み物は?」


ソラ「お茶がある」


ジュリ「え〜コーラ飲みたかったな〜」


ソラ「じゃあ自分で買いに行けばいいじゃん」


ジュリ「一人はやだよ〜」


ソラ「めんどくさいやつだな〜

ユウヒとダイブツにコーラも持ってくるよう頼んどくよ」


ジュリ「やったー!」


ソラ「(微笑)」


ーーー


SE:ピンポーン


ジュリ「あ、きた!ソラ開けてあげて」


ソラ「ジュリが行けばいいじゃん」


ジュリ「トイレ!大きい方!」


ソラ「もう仕方ないな…」


SE:荒めなピンポーン


ソラ「はーい、今開けるって。いらっしゃい」


ユウヒ「いやーすっごい雨だね〜今日」


ソラ「二人ともびしょびしょじゃん」


ダイブツ「ユウヒが傘忘れるから」


ユウヒ「だって予報では降らないって!


ダイブツ「窓見たら降ってるのすぐわかるだろ!」


ユウヒ「傘とりに戻ろうって言ったのに、遅れるって言ったのはダイブツじゃん!」


ソラ「まあまあ」


ダイブツ「はい。なんか適当にスイーツと、ジュリのコーラ。」


ソラ「どうもありがとうね」


ジュリ「わーいコーラ〜」


ソラ「あ、ジュリ!もう…」


ダイブツ「はは、机に置いとくね」


ソラ「ありがとう」


ユウヒ「すっごい可愛いスイーツ買ったんだよ〜、開けてみせよーよダイブツ」


ダイブツ「はいはい」


ジュリ「何これ桃丸ごと入ってるじゃん!」


ソラ「宝石みたい」


ユウヒ「でしょう〜」


ジュリ「桃のムースケーキ、濃厚マロンプリン、キャラメルチーズケーキに、これは!あの伝説の、ジャイアントマスカットと北海道産、生クリームのショートケーキではないか!!」


ダイブツ「ジュリが見たら興奮するかなって思って」


ジュリ「する!した!」


ユウヒ「ユウヒセレクションでーす」


ジュリ「さっすがユウヒ!」


ソラ「センスいいね」


ユウヒ「当たり前でしょう」


ジュリ「うーん、どれにしようかな〜」


ソラ「ジュリの先に選びなよ」


ジュリ「え〜そうだな〜じゃあここは、一番興奮したジャイアントマスカット!!ではなく、


濃厚マロンプリン!!」


ダイブツ「(重ねて)濃厚マロンプリン、と」


ジュリ「へへ、よくわかってる〜」


ダイブツ「プリンには目がないもんな〜ジュリは」


ジュリ「ふふふ」


ユウヒ「次、ソラ選んでいいよ」


ソラ「え、いいの?じゃあ、キャラメルチーズケーキにしようかな」


ユウヒ「いいの?」


ジュリ「え〜マスカットじゃないの?分けたかったー」


ソラ「ユウヒとダイブツの方がフルーツケーキ派でしょ?」


ジュリ「確かに」


ユウヒ「うっ、まあね」


ダイブツ「じゃあ、ありがたくこの伝説のジャイアントマスカットと北海道産、生クリームのショートケーキをいただくよ。」


ソラ「はは」


ユウヒ「じゃあ、僕は桃のムースケーキ」


ダイブツ「ずっと食べたかったんだよな」


ユウヒ「へへ、でも食べるのもったいない!」


ダイブツ「じゃあ私が貰おうかな」


ユウヒ「ダメだよ!」


ダイブツ「冗談」


ソラ「相変わらず仲良いね」


ダイブツ「おかげさまで」


ユウヒ「ふん!」


ジュリ「いいな〜」


ソラ「僕たちだって仲良いだろ」


ジュリ「さっき怒られたもん」


ソラ「それはジュリが僕の仕事を邪魔するからで」


ジュリ「休日に仕事する方がいけないんです〜」


ダイブツ「ちゃんと休める時に休んだほうがいいぞ?」


ジュリ「そーらみろ」


ダイブツ「まだ本調子じゃないんだし」


ユウヒ「ソラ…」


ソラ「大丈夫だよ。ちゃんとご飯も食べてるし、ちゃんと寝てるよ」


ジュリ「…」


ユウヒ「ソラ、あんたまだ、」


ソラ「っ…」


ダイブツ「ん〜美味しい!」


ユウヒ「ダイブツ!」


ダイブツ「スイーツの前で悲しい顔は禁物!ジュリがブサイクな顔してるぞ」


ジュリ「っあ!ブサイクってなんだよ!」


ユウヒ「…ふ、なんか顰めっ面のような、苦笑いのような、泣きそうな顔ね」


ジュリ「ユウヒまで!」


ソラ「…そう、だね。ごめん、ジュリ」


ジュリ「…ううん、美味しいものは楽しく食べなきゃね!」


ソラ「だね。」


ーーー


ユウヒ「(俳優の卵のものまね)『俳優っていうのは、スピリチュアルなものだと思うんだよね。役はただのキャラクターじゃなくて、一人の人間なんだ。俳優として、その人の人生を背負わなきゃいけないのさ。』って」


ジュリ「あはははは!」


ソラ「有名なの?」


ユウヒ「調べてみたけど、CMのエキストラとか、小劇場の村人Aとか」


ジュリ「あははははは!お腹痛い〜(爆笑)」


ユウヒ「僕が働いてるって知って常連になってきてるのが、もう最悪。」


ジュリ「はははは!」


ソラ「ジュリ、笑いすぎ。ダイブツはいいの?ユウヒがこうやってちょっかいかけられてるってのに」


ダイブツ「まあ、ユウヒのことは信用してるし」


ユウヒ「わからないよ〜昔と今のギャップで胸射抜かれたりして」


ジュリ「昔から知ってる人なんだっけ?」


ソラ「ああ、昔ユウヒのことをいじめてたって言う」


ユウヒ「そうそう。初めて再会した時は土下座までされたよ(笑)」


ジュリ「うぇ〜何それ引く〜」


ダイブツ「ま、こんなイジメっ子、いくら精進したからって私の敵じゃあないさ」


ユウヒ「いいますな〜」


ダイブツ「はっはっは!」


ソラ「そっかそっか(笑)」


ユウヒ「今度、そいつ来る時みんなも来てよ」


ジュリ「いく!行く行く!そして悪酔いしてやる〜」


ソラ「こらジュリ」


ユウヒ「ダイブツもガツンっと言ってやってね」


ダイブツ「(キリッと)『作曲家って言うのは、譜面との意思疎通なんだよね』」


ソラ「…。」


ジュリ「…。」


ユウヒ「…。」


ダイブツ「笑えよ!恥ずかしいなあ」


ジュリ「ごめんごめん、ダイブツがいきなりそんなこと言うなんてびっくりした」


ユウヒ「あんまり面白くなかった」


ダイブツ「なんだと!」


ソラ「はは、聞いてるよ、ダイブツの書いた曲」


ダイブツ「え、ほんとに?」


ソラ「作業用bgmとして最高。仕事がとても捗ります。」


ダイブツ「それはどうも(笑)」


ユウヒ「うぅ、最後のひとかけら…」


ダイブツ「早く食べないと私が貰っちゃうよ」


ユウヒ「そんなことしたら破局だよ」


ダイブツ「ごめんなさい」


ジュリ「ソラも、食べ物恨みには注意するんだよー」


ソラ「ジュリも気をつけてね。僕、根深いから。」


ジュリ「ええ?!」


ユウヒ「(食べる)んんん!!美味しかった!ごちそうさまでした!」


ソラ「ありがとうね、こんなに美味しいケーキ」


ダイブツ「いえいえ」


ユウヒ「念願の、丸ごとピーチムース、美味でした〜」


ジュリ「美味美味〜」


ソラ「ジュリもプリン美味しかった?」


ジュリ「美味でした!」


ソラ「はは、じゃあ片付けちゃうから、ソファの方でゆっくりしててよ」


ダイブツ「いいよ、やるよ?」


ソラ「いいのいいの。ダイブツとユウヒはお客さんなんだし。なんか暖かい飲みもの欲しい?お茶しかないけど」


ダイブツ「お茶いいね。ありがとう」


ソラ「はーい」


ジュリも「僕も手伝う〜」




ユウヒ「ねえダイブツ。ソラってまだ」


ダイブツ「そう、みたいだね」


ユウヒ「どうする?」


ダイブツ「そろそろ、話したほうがいいかもね」



ーーー


ソラ「お待たせ〜、まだ熱いから気をつけてね」


ダイブツ「ありがとう」


ユウヒ「ねえ、ソラ」


ソラ「なに?」


ユウヒ「まだ、ジュリいるの?」


ソラ「え?」


ジュリ「なに言ってんのユウヒ。ここは僕の家でもあるんだよ〜」


ソラ「(重ねて)なに言ってんのユウヒ。ここはジュリの家でもあるんだから、いるに決まってるじゃない」


ユウヒ「ソラ!」


ダイブツ「ユウヒ。」


ユウヒ「っ…」


ダイブツ「もう、3年、か」


ソラ「なにが?」


ダイブツ「ジュリがいなくなってから、1年も経ったんだよ」


ジュリ「ちょっと待って、なに言ってるのダイブツ。ユウヒもなんか変だよ」


ソラ「いなくなるってなに?ジュリは今だってここにいるじゃない」


ダイブツ「ソラ。ジュリは、死んだんだよ。ちょうど今日みたいな雨の日に、殺されたんだよ。」


ソラ「っ!!」


ユウヒ「ダイブツ、言葉を」


ダイブツ「これくらいはっきり言わないとダメでしょ」


ソラ「はぁ…はぁ…なに、言ってるの?二人ともいきなりどうしたって言うのさ」


ユウヒ「ソラ。ジュリがいなくなって辛いよね。みんな悲しいし、苦しいし、心の傷を負った。でも、もう1年経ったんだ。

そろそろ新しい方向に歩まないと、ソラの身体がもたないよ。」


ソラ「だから!ジュリは、ここにいるんだって!さっきまで一緒に話してたじゃない!ねえ、ジュリからも何か言ってやってよ!」


ジュリ「…。」


ソラ「なんで今黙るの!いつもお喋りのくせに!またそのブサイクな顔になってるよ」


ジュリ「ブサイクじゃないもん」


ソラ「へへ、ほら、ほらユウヒ!ダイブツ!ジュリはいるじゃないか」


ダイブツ「どこに?」


ソラ「ここだよ、ここ」


ダイブツ「最初からソラとダイブツと僕の3人だけだよ。」


ソラ「やめてよ、そんな冗談、笑えないから。」


ユウヒ「…」


ソラ「なに?ドッキリ?ひっかからないからね、そんなの」


ジュリ「っ…」


ソラ「もしかして、ジュリもグル?そういえば遊びたいゲームがあるとか言ってたもんね。これがそうなんでしょ?」


ジュリ「…。」


ソラ「はいはい面白かったよ。これでおしまい!」


ジュリ「…。」


ソラ「なにまただんまりしてるんだよジュリ!」


ダイブツ「ソラ。これ読みな」


ソラ「なんだよこれ」


ダイブツ「いいから」


ソラ「小学校の教員、歩道橋で転落死。ってなにこれ」


ジュリ「…。」


ソラ「『柳町小学校の教員、田村樹里たむらじゅりが帰宅途中に歩道橋から転落し、緊急搬送先にて死亡が確認。

田村はXジェンダー、またはノンバイナリーであることから生徒の親から苦情が多々あったという。

このことで田村は精神的に追い込まれ、今回の事故に至ったのではないだろうか…』っ…」


ユウヒ「貸して。

『この国はまだLGBTQIA+コミュニティーが幅広く認められていない。私たちの兄弟や姉妹が平穏に暮らせるように、安心できる毎日がおくれるように、お互いを支え合わなければならない。誰もが息苦しいと感じない社会を、みんなで作り上げなければならない。』」


ソラ「嘘だ…」


ダイブツ「残念だけど、これが真実だよ。ジュリはもういない。社会に殺されたんだ。」


ソラ「でもジュリはっ…!」


ユウヒ「ジュリはソラの恋人だったし、あの事件の影響は大きすぎたんだよね。だからソラはジュリの幻覚を見るようになった」


ソラ「幻覚…?」


ダイブツ「ジュリがなくなった翌日から、ソラはジュリと話してるように見えて、いつも空気と話してたんだよ。


でもなソラ。もう3年経ったんだ。そろそろ外に出ようよ。

まだまだだけど、色々と周りも少しずつ変わり出してる。

それに私たちだってついてる。な?外に出よう。」


ソラ「ダメだ!ダメだよ!外に出ちゃったら、ジュリが消えちゃうんだよ!

外に出たから、ジュリは消えちゃったんだよ!」


ユウヒ「消えないよ!ジュリはいつでもここに、ソラの中にいるよ。僕たちの中にいるんだよ。」


ダイブツ「太陽が怖いなら私たちが日陰になってあげる。雨が怖いなら、私たちが傘になってあげる。いつだってソラを守ってあげる。」


ジュリ「ソラ」


ソラ「ジュリ!ジュリ、僕はここから出ないよ。ジュリから離れない。ずっと一緒にいよう」


ジュリ「ソラ。ソラもわかってるんでしょう?このままじゃいけないって。」


ソラ「ジュリ?」


ジュリ「ソラ、もう僕、ソラを閉じ込めたくない。」


ソラ「なに言ってるのジュリ」


ジュリ「ソラは外に出ていいべきなんだよ。僕たちは外に出てもいいべきなんだよ。怖がらなくていいべきなんだよ。日向を歩いていいべきなんだよ。歩こうよ。日向を。」


ユウヒ「ソラ…?」


ソラ「(泣き始める)っ…っ…!ジュリ…、ごめん…。ごめんね、ジュリ。ジュリのこと守れなくて、ごめんね」


ユウヒ「ソラ!」(← またジュリに話してるの?!って止めようとして)


ダイブツ「ユウヒ。(首を振る)」


ソラ「ずっと考えたくなかった。ずっとないことにしてた。後悔しかなかったから…

一緒にいたのに、家族だったのに、ジュリが思い悩んでること、気づいてあげられなくて、ごめん。

ちゃんと話、聞いてあげられなくて、ごめん…っ

僕たちみたいな人は、支え合わなきゃいけないのに、守りあわなきゃいけないのに、守られてばっかりで、ジュリのこと、全然守れてなくて、

ごめんなさい…」


ジュリ「僕も、話さなくてごめん。いつも誤魔化しててごめんね。ちゃんと向き合えばよかった。ソラなんだから、隠すことないのに、言えずにいて、ごめんね。」


ソラ「ジュリっ…!」


ジュリ「でも、悔やむのも謝るのももうおしまいだ。ソラはもう前を向かなきゃ。」


ソラ「(まだ泣いてる)」


ジュリ「ははっ、ソラ、涙が滝のように流れてる。アニメでしかみたことないよこんなの。

あ、ソラの場合「滝」じゃなくて「雨」だね。」


ソラ「うまくないから」


ジュリ「はは、やっぱり?」


ソラ「本当に消えるの?」


ジュリ「消えないよ。見えないだけで、ずっとソラと一緒にいるから。晴れの日も、雨の日も。」


ソラ「雨は嫌いだよ。」


ジュリ「そうだった、そうだった。」


ユウヒ「…」


ダイブツ「…」


ジュリ「ソラ。ありがとう。今までも、これからも、愛してるよ。」


ソラ「愛してる、ジュリ。ずっと。永遠に。死ぬまで、愛してる。」


ジュリ「死ぬのはあと70年日向を味わってからにしてくださいね」


ソラ「あと140年ね。」


ジュリ「長生きだな〜」


ソラ「ジュリの分まで生きなきゃだから」


ジュリ「うん。それじゃあね、楽しかったよ。」


ソラ「またね、ジュリ。」


(間)


ユウヒ「ソラ、ジュリは…」


ソラ「ここ。」


ダイブツ「そっか。私のここにもいるよ。」


ユウヒ「ふふ、僕も。」


ソラ「二人とも、ごめんね。たくさん迷惑かけて。」


ダイブツ「なーに言ってんだよ。お互い支え合って助け合う。それが兄弟ってもんでしょう」


ソラ「うん、ありがとう」


ユウヒ「よし。じゃあ次はこの家の片付けだな!」


ソラ「え?」


ユウヒ「言っとくけど、ゴミ屋敷だからね。」


ソラ「そんな…」


ユウヒ「特にソラの部屋!」


ソラ「うっ…」


ダイブツ「じゃあ、二人が片付けしてる合間に濃厚マロンプリン、いただきますか〜」


ユウヒ「あ!こらダイブツ!それは仏様の!!」


ダイブツ「いいじゃんいいじゃん。ジュリもいいよって言ってるよ」


ユウヒ「呪われても知らないからね!」


ソラ「はは、ジュリの食べ物の恨みはすごいよ〜」


ダイブツ「大丈夫大丈夫」


ユウヒ「もう、、うぉ、まぶし!」


ソラ「晴れたね」


ユウヒ「お!見てみて!虹だぁ!」


ダイブツ「本当だ。『雨が降れば、虹がかかるってもんよ。虹、つまり、プライド』」


ユウヒ「黙れ。」


ソラ「ははは。やっぱり、雨は、(笑顔で)嫌いだ。」



【終】

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