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吸血鬼ですが、何か? 第9部 深淵編  作者: とみなが けい
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『ひだまり』ハロウィーンキャンペーンはフィナーレを迎えた…スケベヲタク死霊から多くの死霊がハロウィーン制服のスカート覗きで昇天してしまった…。

『ひだまり』ハロウィーンキャンペーン最終日は物凄い騒ぎになってしまった。

朝のトレーニングを終えた俺達は『ひだまり』の最終日の応援に狩り出された。


既に開店前、キャンペーン期間中は1時間開店を早めたにも関わらず、すでに店の前に開店を待つ行列が出来ていて、ハロウィーンのコスプレをした客も大勢いた。

喜朗おじはとりあえず駐車場に場所を広げ、寒風を避けるためにビニールを張り巡らせた大型テントの下の席で無料サービスの暖かいコーヒーを準備して行列の人達をそこに収容した。

驚いた事に取材を断ったテレビなどの取材陣が何組か来ていて、敷地外にカメラを抱えたカメラマンなどが待機していた。


俺たち全員が店内で円陣を組み、ワイバーンに幸運を!スコルピオに幸運を!『ひだまり』に幸運を!と気勢を上げて開店した。


開店と同時に客達がなだれ込み、外に出て明石と俺はテレビなどの取材を断り続けた。

取材が出来なくとも何かニュース素材が欲しいのか敷地外から『ひだまり』にカメラ向けて忙しく立ち働く真鈴達にカメラを向けている奴もいた。


俺も行列の整理案内、会計、皿洗い、何か足りない物の買い出し、電話対応などなど忙しくなった。

昨日、凛の制服盗難の件で犯人はまた現場に戻ってくるケースのあるとの事ではなちゃんは2階で待機をしてやってくる客をチェックする事になった。


余りの忙しさに真鈴や加奈やジンコや応援のリリー達でさえ少しナチュラルハイ状態になっていて、満面の笑顔を浮かべて少し浮かれたような感じで接客を続けた。


文字通り目が回るほどの忙しさで、大勢の客が殺到する事を見越して用意した食材も午後には不足し始め、俺と四郎で車を走らせてスーパーで追加の食材を2回も買いに行った。


「彩斗!チョキのフィルムが…あれ?チョキ…のね!

 あれなんだっけ?ほらパシャ!てする奴!

 あれも追加でどっかから持って来て!」


余りの忙しさに普段は冷静沈着なジンコでさえチェキという単語さえ忘れてしまうほどの忙しさだった。

キッチンでも大騒ぎで皆頭が回らなくなっていて、あれ取って!とかほら!あれが必要なんだよ!とかあれさ!あれってなんだっけ?とにかくあれなんだよ!とか、具体的な名称を言えなくなりあれと言う言葉が飛び交い混乱に拍車を掛けていた。


とんでもない忙しさに俺達の昼休憩は10分と言う事になり、制服を汚さないように首までエプロンを着けて加奈達は大急ぎで2階で食事を掻きこみ、歯を磨いて顔のチェックをして慌ただしく店内に降りて行った。

はなちゃんは2階でスマホゲームをしながら例の制服泥棒の悪鬼は来ていないと言った。

だが、質は悪くないがかなりの悪鬼も客達に紛れ込んでいると言う事だ。

どおりで用意した食材が予想以上にどんどん減っている筈だ。

悪鬼は人間より遥かに大食らいだからだ。

店内を見るとひとりでオムライスにジャンバラヤや飲み物とスィーツを注文して瞬く間に平らげて更にサンドウィッチを注文する若い女までいて、あれは絶対に悪鬼だと思った。

普通の食堂にギャル曽根が十何人か来ただけでヤバい事になるだろう、そういう事だ。


午後に『ひだまり』は既に今までの最高の売り上げの2倍以上の金額を叩きだしていた。

司と忍が帰ってくるからと、圭子さんがハロウィーン制服の姿のまま、夕方の賄のお握りを握り、ハロウィーン制服姿のまま加奈の赤いRX7に飛び乗り、死霊屋敷に戻った。

その姿も敷地外から撮影しているテレビカメラに撮られた。


俺はやっと休憩を貰えたが、食欲を無くし、店の裏で缶コーヒーを飲みながら煙草を吸っていた。

その時、『ひだまり』に巣くうスケベヲタク死霊軍団の3人のリーダー、暗黒の才蔵、稲妻五郎、彗星のシュタールが慌ててやって来た。


「彩斗首領!大変でござる!」

「彩斗将軍!やばいことになった!」

「彩斗総統!これは大変な事だよ!」

「…普通に彩斗って呼んでくれる?」


3人の死霊は慌てて俺に暗黒の才蔵が代表で事態を説明した。


「ともかく大変な事になったでござるぞ!

 あのハロウィーンのエロを極めた制服のおかげでわれらの仲間がキャンペーンが始まってから27人も思いの残すこと無く昇天して行ったでござる!

 このままではわれらの勢力も半減しかねない事態でござるよ~!」


俺は、泣きそうな顔で俺を見つめる3人の死霊を見た。

確かにさっき店内を見たら、鼻血まみれで失神して床に転がっているスケベ死霊を除いても少しスケベヲタク死霊軍団の数が減っている感じがした。

どおりで加奈達のエッチィ脚がいつもより見えやすくなったわけだ、いひひひ。


ゴホン…まぁ、それはともかく俺はこの事態はヤバいと思った。

スケベヲタク死霊軍団の数が減れば加奈達の脚の美脚効果や敏捷性持久力アップの効果が薄れてしまう。


「それは…困ったな…何か良い手は無いの?」


3人は考え込んだ。


「彩斗首領、いや、彩斗殿。

 ここはさ迷うスケベ死霊をリクルートする範囲を広げて軍団員を増員するしかないでござる!

 だがしかし!

 その為にわれらもしばし『ひだまり』から遠くに行かなければならぬので、貴重なスカート覗きの時間が失われてしまうのでござる!

 なにか軍団員を増やす功績に対しての褒章が無ければぁ!」

「…よし、10人リクルートするごとのその死霊に加奈達の中から好きなメンバーとのチェキを赦そう。」

「そんなんじゃ駄目だよ~!

 もう少し心躍るような褒章が欲しいよ~!」

「吾輩もその程度で貴重なスカート覗きの時間が奪われるのは御免ですぞ!」

「そうでござる!

 もう少し素敵な褒章を!

 もっとスケベ死霊の人権を尊重して欲しいでござる~!」


3人のスケベヲタク死霊軍団のリーダーは地団太を踏んで訴えた。

チキショウ、こいつら自分達の価値に気付いていやがるな…だが、ここで死霊が少なくなると…。


「判った、チェキを撮る時に加奈達とハグしても良い事にしよう。」

「それだけですか~!」

「もっと心躍る褒章を!」

「スケベ死霊が感激する褒章を!」


全くこいつら…。

俺はもう一本煙草を取り出して火を点けた。


「わかった、じゃあ、チェキを撮る時に加奈達がほっぺにチューすると言うのはどうかな?

 俺達も最大の譲歩をしようじゃないか。」


3人は沈黙して顔を見合わせた。

やれやれ、これでも足りないのかな…。


「本当でござるか~!」

「それは光栄至極!」

「やるよ!僕たち死に物狂いで頑張るよ!」


3人は顔を真っ赤にして飛び跳ねて俺に約束でござるぞ!と念押しに叫んで店内に駆け戻った。

やがて店内からスケベヲタク死霊達の大歓声が沸き起こった。

考えたらこれでスケベ犯罪が激減する地域が広がって良いかな?と俺が思った途端に店内から爆発音が数回轟いた。

あとから聞くと俺の提案を聞いて気の早いスケベ死霊が数人爆発昇天してしまったそうだ。

余りの感激に昇天する際に店内で派手に爆発して体が飛び散った死霊がいた。


あとでリリー達、死霊が見えるウエィトレスからいきなりスケベ死霊が何人か爆発して死霊が見える者は店内が凄いスプラッタ状態になって、これはハロウィーンの企画か何かなの?と質問されてしまった。

俺はまあまあとはぐらかしながら、もしもほっぺにチューするチェキを撮ったりしたら派手に爆発昇天する死霊が続出するのではないかと心配になった。

間違いなくスケベヲタク死霊軍団のチェリー率は非常に高いと推察されるからだ。


ともかく、怒涛の忙しさの『ひだまり』ハロウィーンキャンペーンはやっと終わりを迎え、最後まで残った客達の盛大な拍手と歓声を浴びてフィナーレを迎えて閉店した。

これから死霊屋敷で打ち上げパーティの予定だが加奈達は大丈夫かと疲れていないかと心配したが、すっかりナチュラルハイ状態になった加奈達はパーティパーティ!打ち上げパーティー!と目を血ばらせて叫びながらそそくさと着替えをして死霊屋敷に走って行った。

車に乗るのももどかしいらしい。

夜道を奇妙な笑顔を浮かべて道路を集団で死霊屋敷に走って行く加奈達はちょっと不気味に見えた。


俺達は目立つとやばいんだけどね…。








続く



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