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吸血鬼ですが、何か? 第9部 深淵編  作者: とみなが けい
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俺とユキのセックスが四郎達に駄々洩れになっていた(汗)…そして多摩山中の悪鬼について話し合う。

俺は顔に違和感、と言うか痛みに気が付いて目が覚めた。

ユキの顔が目の前にあり、俺の顔を鷲掴みにして力を込めていた。


「……ユキ…なにをしているの?」


ユキが慌てて俺の顔から手を離した。


「あ、ごめんね。

 どんなに力を込めても彩斗の顔すぐに元に戻るから…数日間ひょっとこみたいな顔になるなんて…物凄い力だったんだね…そのシロナガスクジラ女って、悪鬼だったんじゃないの?…彩斗可哀想…。」


ユキがしみじみとした口調で言った。


「あ、いや…ユキ…あのね数日間ひょっとこのような顔になったなんて…はなちゃんが大げさに言ったんだよ…。」


俺はユキを抱き寄せてキスをした。

ユキは優しくキスに答えて俺達はまた抱き合った。

空は白々と明け始めていた。

テーブルには昨日ユキと楽しく過ごした『ひだまり』の制服がきちんとたたまれて置いてあった。


「汚れとかついていないかとか破れてたりしていないかチェックはしておいたわよ。

 …あの服、ちゃんとクリーニングに出すんだよね?…昨日は…ああいうのもたまには良いね。」


ユキは顔を赤らめて言った。


その時誰かがドアをノックした。


「…ゴホンゴホン!彩斗起きてるか?

 朝のトレーニングだがどうする?

 あのな…疲れているなら…休むか?」


四郎だった。


「四郎、起きてるよ。

 朝のトレーニングは勿論参加するよ。」

「そうか、まだ皆を叩き起こすまで少し時間が有るからゆっくり準備して良いぞ。」


ドア越しに四郎が答えて歩き去る足音が聞こえた。


「ユキ、御免ねこれから朝のトレーニングなんだ。

 ユキは部屋でゆっくりしていて。」


俺はベッドから体を起こすと戦闘服に着替えた。


「彩斗、私も…せめて見学したいわ。」

「え?…いや、クロスカントリーで遠いところまで走るんだよ、ユキはついてこれないしその服だからね。

 もしよかったら四郎が朝食の準備をするのを手伝ってくれる?」

「ええ、勿論よ。」


ユキが笑顔で服を着始めた。


俺が玄関ホールに降りて行くと既に真鈴とジンコと圭子さんと明石、そして『ひだまり』からランニングしてきた加奈とクラと凛が既に待っていた。

真鈴達が俺の顔を見てくすくすと忍笑いを。

ああ、俺の顔についた顔の痣を見ているんだろうな。

いいさ、笑えよ。


そして俺達は裏庭で準備体操をして見送る四郎とユキを後にクロスカントリーに出かけ、屋敷に帰って来てスクワットをして加奈とクラと凛は『ひだまり』に帰ってゆき、残った俺達は朝食を始めた。


「あ~なんか昨日はね~なんかエッチィ夢を見て落ち着かなかったわ~!」


真鈴が朝食を食べながらぼやいた。

ジンコが真鈴を見ながら頷いた。


「あ、真鈴も~?

 私もなんか変なエッチな夢見ちゃった。

 なんだろうね?普段はあんな事無いのにさ…なぜか夢の中で『ひだまり』の制服を着ててさ~!」


俺とユキはぎくりとして明石と圭子さんと四郎は目を見合わせてニタニタした。


朝食後に四郎が俺に耳打ちした。


「昨晩は彩斗の思考が駄々洩れにわれ達の頭に流れ込んでな…われは非常にリリーに会いたくなったぞ。」

「え…。」

「とにかく彩斗は自分の思念を調節する方法を考えた方が良いな。

 このままだとワイバーンメンバーの頭が彩斗のスケベ思念汚染してしまうぞ。」


四郎がにやにやしながら俺の腕を軽く叩いた。

明石も俺と四郎に近寄ってきてにやにやしながら小声で言った


「彩斗、昨日は凄かったようだな。

 俺も圭子も影響を受けてかなり燃え上がってしまったぞ、いひひひひ。」


…それはやばいな…俺がエッチしてるのが筒抜けになる可能性もある訳か、いや、今でも充分筒抜けだ、プライバシーもへったくれも無い状態は非常にまずい。


朝食後、俺はユキをランドクルーザーに乗せて家まで送り届け、またユキの家で愛し合ってしまった。


「彩斗、あれが凄く上手になったね。

 がつがつした雰囲気が無くなったよ。

 ちゃんと私の身体の事を考えて触ってくれて、凄く気持ち良かったよ。」


終った後でユキがそう言いながらまた俺に抱きついてきた。

嬉しかった。


その後暫くユキの家でダラダラと過ごしてから俺はユキの家を出た。

帰りに書店によって精神的な修行だとか制御に役に立ちそうな本を何冊か買い込んで死霊屋敷に戻り、完成間近のプールや明石一家の家や喜朗おじと加奈の家の工事を見た。


もう何日かで完成するので、明石一家や喜朗おじや加奈の引っ越しの準備をしなければ。

それに四郎達の結婚式もやる予定だ。

俺は既にワイバーンの事などを知ったユキも結婚式に招待しろと明石や圭子さんや四郎に言われて、ユキに電話をした。

電話の向こうでユキははしゃいだ声を上げて是非、出席したいと言っていた。


俺はスマホを切ってから四郎達にユキが出席する事を告げた。

四郎達は大歓迎だぞ!と喜んでくれた。


ああ、俺達は順風満帆だなと嬉しく思った。

ワイバーンファミリーの未来は明るいと思った。


そしてしばらくおざなりだった多摩山中で人を食い殺す悪鬼の情報収集の為にまた活動再開で明石と四郎ははなちゃんを連れてレガシーで多摩山中の殺人現場に向かった。


夕方になって帰って来た四郎達ははなちゃんが奴らの痕跡を追って奴らのうちの1匹の住んでいる所を大体突き止め、暫くはその近辺に探りを入れ、奴の住所をはっきり特定する事に決めた。

上手く行けば奴からいもずる式に他の悪鬼の事も探り出せるかも知れない。


「しかしな、まあ、人がなかなか来ない事は判るのだが、毎回同じところで人殺しをするのは何か理由があるのかも知れないな…。」


夕食とトレーニング後に暖炉の間に集まってコーヒーを飲んでいた時に明石が煙草に火をつけながら呟いた。


「うむ、景行が言う通り。

 人間の警察相手ならともかく、悪鬼であればあの痕跡はすぐ判るしな。

 それに毎回同じところで殺人を犯すとその痕跡はますます濃くなるものだ。

 いささか不用心だな。」


はなちゃんが手を上げた。


「確かに四郎や景行が感じた事は判るじゃの。

 あれくらいの土地ではの、神の端くれになるくらいの者がの、人間由来か動物由来か古樹木など由来の者が結構いての、結構賑やかな場所になってるはずなんじゃが…静かじゃったの。」


ジンコがはなちゃんに尋ねた。


「はなちゃん、それはあの場所にはそう言う存在が居ないと言う事?

 悪鬼はその気になれば死霊とかを食い殺す事が出来るんでしょ?」

「うんにゃ、ジンコ、いるにはいるんじゃがの。

 何と言うか口を閉ざして気配を消してな、わらわが何か情報を聞き出そうとしても答えてくれなんだ。

 矢張りあの悪鬼どもを恐れてるのじゃろうかの。」

「…。」

「あの殺しを続ける悪鬼はの5匹いるじゃの。

 そして、かなり強いじゃの。

 また、用心深い奴らじゃの痕跡を付けられない様に見事に気配を消しているじゃの。

 わらわでさえやっと1匹のあとを見つける事が出来たくらいじゃの。」


圭子さんがため息をついた。


「なんかちぐはぐね~同じ場所で犯行を繰り返すほど無用心なのに注意深く痕跡を消していると言う事?」


真鈴がじっと考え込んだ。


「あの場所で殺人を行い続けることに何か理由があるのかしら?」

「そうか~何かに生贄を捧げる儀式でもしてるのかも…。」

「あ!彩斗!その可能性があるかもね!」


真鈴が俺の呟きに反応して言うとジンコも頷いた。


「そうね、そう言う可能性もあるわよ。

 それなら同じ場所で殺人を行う事も理解できるわ。

 はなちゃん、何かそう言う凄い存在みたいなのあの場所で見なかった?」

「いいや、ジンコ、そう言う気配は感じなかったじゃの。

 もしや、地中深くに注意深く身を隠しているのか、普段は他の場所にいて悪鬼どもが生贄を捧げる時にその場にやって来るのか…よく判らんじゃの。」

「やれやれ、その存在を別にしても中々強い悪鬼が5匹か…われら全員で討伐に臨まんと危険だな。」


四郎がぼやき、俺達は頷いた。

俺達はもうしばらく注意深く5匹の悪鬼を調べることに決めた。








続く



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