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暗黒街のお嬢様~全てを失った伯爵令嬢は復讐を果たすため裏社会で最強の組織を作り上げる~  作者: イワシロ&マリモ
夜明け

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魔女の知的好奇心と港湾事情

いつも読んでくださり、またブックマークしてくださりありがとうございます。今回も貴方にとって有意義な時間となりますれば、幸いでございます。

 ごきげんよう、シャーリィ=アーキハクトです。私は『海狼の牙』の頭、つまり海運王と呼ばれる人と会談を持つことが出来ました。ただその出で立ちは、まさに魔女!

 ゆったりとしたローブの下から遠慮無く主張する胸は私以上!じぇらしー。

 後、全身紫色の服なのは個性を感じます。髪の色も瞳の色さえも紫色なのですが。




「なに、驚いた?」




 固まっていると、声をかけてくれました。




「すみません、つい動揺して。暁代表のシャーリィと申します。貴女が海運王…?」




「サリアよ。海運王なんて呼ばれてるけど、見ての通り普通の魔女」




 なにが普通か分からないのですが。




「その魔女さんが、『海狼の牙』のマスターさんですか」




「成り行きって奴よ。私達はね、知的好奇心を満たすことをなによりも優先するの」





 それ故に、倫理や論理は二の次。悲惨な事件を引き起こす魔女も居るのだとか。




「つまり、知的好奇心を満たすために?」




「物流が人間社会の発展にどれだけ影響するか知りたくてね。で、現場を見てみたいからギルド『海狼の牙』に入ったの。しばらく知恵を貸したりしてたら、いつの間にかマスターになってたわ。むさ苦しい職場だけどね」




 魔女と言えば、魔石を使わずとも魔法を行使できて豊富な知識を持っていると聞きます。重宝されますね。




「まっ、私の事はどうでもう良いわ。わざわざ『海の大蛇』を討伐までして会いに来たんでしょ?なにが欲しいの?」




 怠そうかつ眠そうにサリアさんが聞いてきます。ダウナー系ですね。




「実は近々海運に手を出そうと考えておりまして、サリアさんの許可を頂きたく参上した次第です」




「私の許可なんか必要ないじゃない。支配者って訳でもないし、興味もない。勝手にすれば良いわ」




「いえいえ、新規参入するには先ず『海狼の牙』に話を通しておくのが筋だと考えまして。そうすれば、お互い誤解を招くような事故を未然に防ぐことが出来ます」




「人間の根回しって奴ね?そんなところは面倒臭い種族よね……別に構わないけど、事業の新規参入は難しいんじゃない?血を流さずにはいられないわよ?下らないけど」




「そこは何とかします。サリアさんの認可さえ頂ければ。今回の『海の大蛇』討伐はその手土産と言いましょうか」




「あいつらには船を何隻もやられて頭に来てたのよ。感謝してるわ。報酬としてうちの認可が欲しいのね?」




「まあ、そんなところです。少しばかり騒がしくなるかもしれませんが、『海狼の牙』に迷惑はかけません。黙認していただければそれだけで充分です」




「別に、それくらいなら構わないけど?うちに被害が出ないなら好きにしたら良いわ。私のものって訳でもないし」




「ありがとうございます。確認しますが、『海狼の牙』と懇意にしている組織はありますか?そこに手を出すわけにはいかないので」




「ないわよ、全部敵。足の引っ張りあいをしてるわ。つまり、どの組織を貴女が潰そうが関係ない。むしろ、うちと敵対しない組織が増えるなら助かるわ」




「ご期待に添えるよう微力を尽くしますので、今後とも我が暁をよろしくお願いします」




「貴女の組織には興味はないけれど、貴女には興味があるわ。聞いてたわよ、メッツとのやり取り。あんなに堂々と我が儘や屁理屈を押し通すなんてね。実に興味深い。また会いましょう、シャーリィ」




「サリアさんの興味を満たせるように頑張りますよ。では、失礼します」




 些か手短ではありましたが、黙認していただける確約が得られたので良しとします。『海狼の牙』、サリアさんと対等に交渉するにはまだまだ勢力が足りないので。




 お屋敷を後にした私は一旦海賊船に戻り、そして教会へと引き上げました。




「では、『海狼の牙』は黙認すると」




 シスターに報告します。




「そうです。私と変わらないくらいの女の子でビックリしましたが」




「シャーリィ、魔女は長命種族。見た目と年齢は必ずしも一致しません。侮らないように」




「はい、シスター」




「それで、どこから手をつけるんだ?お嬢」




 ベルから質問が出ます。




「港湾部には様々な利権があります。どこに食い込むか、迷いますね」




 桟橋そのものを保有して利用料を取ったり、倉庫を保有してその代金で儲けたり。港湾部には様々な利権が存在します。




「私達には船があります。よって、桟橋の一つと交易品のための倉庫を一つ手に入れたいですね」 



「となると、分取るしかないよなぁ」




「そうなります。『海狼の牙』の迷惑にならない範囲なら、騒がしくしても問題ないかと」




 既存の利権を保有する組織から買収するか。潰して奪うか。後者の方が簡単ですね。あるいは新たに作ることも出来ますが、ノウハウがありません。




「セレスティン、各桟橋の所有者を調べてください。倉庫は自前で用意するので土地の確保も」




「御意のままに」




「ロウ、『ターラン商会』に卸していない作物がありますね?そちらの増産もお願いします」




「畏まりました、お嬢様」




 実は農園で収穫されるものの内、『ターラン商会』に卸していないものがあるんですよ。ずばり、薬草類ですね。ロザリア帝国では薬草の類いはあまり使われませんが、南方アルカディア帝国では医療に薬草を使うとか。

 国同士が敵対していても、商人の繋がりは案外あるものです。これ等を南方で売りさばき利益を出します。つまり、海外貿易を行うのが最終的な目的です。国内交易より格段に利益が挙げられます。危険も伴いますが。それでも、先を見つめてただ行動あるのみ。私は、新たなる商売に希望を馳せるのでした。




「私は港湾部を見て回ります。シスターはいつものように留守をお任せします。ベルは着いてきてください」




「分かりました」




「あいよ」




『海狼の牙』の認可も頂けたので、いよいよ暁の港湾部進出が始まります。

ここまで読んでくださったあなたに最大限の感謝を。もしもあなたの暇潰しの一助となれましたら、望外の事でございます。お気に召して頂けたならばブックマーク、評価など頂けましたら幸いです。あなたの人生に安らぎと幸福が訪れますように。

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― 新着の感想 ―
[良い点] サリアとのやり取り [気になる点] 「あいつらには船を何隻もやられて頭に来てたのよ。感謝してるわ。報酬としてうちの認可が欲しいね」 ↓ 認可が欲しいってわけね? かな? [一言] 持ち前の…
2022/11/06 18:12 マリオの兄の嫁の叔母の妹の姪の孫娘
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