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暗黒街のお嬢様~全てを失った伯爵令嬢は復讐を果たすため裏社会で最強の組織を作り上げる~  作者: イワシロとマリモ
動乱の始まり

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千年の因縁

気が付けばPVが三十万を越えておりました!大感謝です!読んでくださる皆様の道に光りあれ!

 正午、初夏の『ロウェルの森』では最後の決戦が繰り広げられていた。魔族やエルフ達が周囲を取り囲む中、シャーリィ、マリア、獣王ガロンの三者による戦いは壮絶を極めた。




「うぉおおおおっっ!!!」




 獣王ガロンはその巨体からは想像もつかない狼獣人らしい俊敏な動きで動き回り、鍛え上げられた肉体から繰り出される攻撃は二人の少女を一撃であの世へ送るほどの威力を秘めていた。

 空を飛ぶシャーリィ目掛けて高々と跳躍し、手斧を上段から振り下ろす。




「ウインド!」




 シャーリィは柄を自分の右側へ向けて風を巻き起こして左へ身体を流して手斧を回避し。




「ウインド!サンダーレイ!」




 左側へ向けて風を生み出し姿勢を制御しつつ、至近距離で必殺の稲妻を放出する。空中で無防備な獣王ガロンに避ける術は無いように思われたが。




「スタンプ!」




 突如獣王ガロンが加速しつつ急降下し、稲妻を避ける。




「吹き荒れよ!ストーム」




 着地した瞬間を狙い、マリアが漆黒の炎を解き放つ。




「まだまだぁあっ!!」




 着地した瞬間の無防備な状態から脚力を使い無理矢理身体を左側へ飛ばして炎の渦を回避し、そのまま大地を駆けてマリアへ迫る。




「ブースト!」




 マリアもすかさず身体強化を行い、思い切り地面を蹴って真後ろへ跳躍。次の瞬間マリアが居た場所に手斧が振り降ろされ、大地を抉る。





「ウインド!輝けぇ!!!」




 突風を利用して一気に加速したシャーリィは、急降下しながら魔法剣を振り降ろす。




「魔法が貴様らだけの専売特許だと思うなよ!グラビティ!」





 獣王ガロンの尾が青く輝いた瞬間、彼はそれまで以上の俊敏さで左側へ跳躍。シャーリィの必殺の一撃を避ける。




「ウインド!」




 シャーリィも直ぐに突風を巻き起こして姿勢を制御し上昇する。




「大地の精霊よ!我が願いに答えその雄大なる力を示せ!バインド!」




 魔王の剣を天秤を象った杖に戻したマリアが地面に杖を突き立て、願いを込める。

 地面から無数の(つる)が飛び出してまるで触手のように獣王ガロンの足に巻き付く。




「なにっ!?」




「捕まえたっ!」




「ウインド!」




 その好機を逃さず、再び加速したシャーリィは魔法剣でガロンの首を狙う。




「グラビティ」




 再びガロンの尾が青く輝き、まるで潰れるようにその場に伏せ、シャーリィの一撃を紙一重で回避する。




「今のを避けた!?ウインド!」




 シャーリィもまた上昇する。ガロンはそれに目も向けず手斧で足に絡み付く蔓を切り裂いてその場を放たれた。




「厄介な!やはり魔法を使うみいたね!」




「魔法を!?」




「教えてやる義理など無いわ!」




 ガロンは空に浮かぶシャーリィに手斧を投擲。凄まじい速度で飛来する手斧をシャーリィは加速することで回避する。

 だがこの一撃はシャーリィに対する牽制に過ぎず、自らは大地を蹴ってマリアへ急接近する。




「ぬんっ!!」




「聖なる守りよ!プロテクト!」





 振り抜かれた拳はマリアの正面に現れた光の壁によって勢いを失うが。




「うぉおおおおっっ!!!」




 それに構わずガロンは拳を連続で叩きつけ、光の壁に亀裂が走る。




「っ!ブースト!」




 限界を察知したマリアは慌てて身体強化を行い後方へ跳躍するが。




「逃がすか小娘ぇ!グラビティ!」




 先程以上の加速を見せて逃げるマリアに迫るガロン。

 その鋭い爪が今まさにマリアへ迫ろうとした瞬間。





「ファイアーボール!」




 頭上から飛来した火球を察知して攻撃を取り止め、回避に移る。




「貸しですからね、マリア」




「直ぐに返しますよ!シャーリィ!」




 上空からマリアを援護したシャーリィの攻撃であった。




「しかし厄介な。どんな魔法ですか?」




「おそらく重力操作よ。周りではなくて自分自身に作用するタイプ!」




「重力、星の力ですか。厄介な。自分の重さを自在に操るようなものですね」




 事実、獣王ガロンが使う魔法は重力魔法。ただし自分自身にしか効果を発揮しない下位のものであるが、それでも獣人の身体能力と組み合わせれば凶悪なまでの力を発揮することとなる。




「言っただろう、貴様らだけのものではないと!血の滲むような努力の果てに、我は星の力を得ることに成功したのだ!」




 獣人族は基本的に魔法の適性が低い種族であるため、不意打ちにも使える。




「ああもピョンピョン動かれたら、攻撃を当てるのも難しいですね。長引かせたくはないのですが」




「出直すって選択肢もあるわよ?シャーリィ」




「冗談を言わないでください、マリア。ここで仕留めないと、後々面倒なことになるのは分かりきったことではありませんか」




「愚問だったわね!」





「グラビティ!いくぞぉおっ!」




 再び自らの重力を減らして一気に加速するガロン。




「下手な鉄砲も数撃てば当たる、ですよ。当てられないなら、当たるまで撃ち続けるだけです!ファイアーボール!」




 柄をガロンに向けて先ほどと同じように初歩的な炎の魔法、ファイアーボールを放つシャーリィ。

 小さな火球は一直線にガロンへ向けて飛んでいく。




「小賢しいわ!」




 軽く身体を動きして軌道から逸れるガロン。




「こんな芸当も出来るのですよ!弾けろ!」




 飛来していた火球が六つに分裂してガロンへ襲いかかる。




「なにっ!?ぐっ!?」




 突然の事態に反応が遅れて、一発が右肩に直撃。威力は低いもののダメージを与えて動きを鈍らせることに成功する。




「シャーリィには負けていられない!降り注げ!レインソード!」




 マリアが杖を天に掲げると、魔方陣が上空に現れ真っ黒な炎の短剣が雨のように降り注ぐ。




「むぅ!?グラビティ!グラビティ!」




 空を見上げて目を見開いたガロンは全力疾走に移り、かなり無理をして降り注ぐ短剣の雨から逃れる。

 繰り返される攻撃に対して、身体能力と重力魔法を活かして回避に専念するガロン。双方決定打に欠ける応酬が繰り広げられ、長期戦を覚悟し始めた時。

 ガロンの様子をじっと観察していた幼子が動き始めた。




「アスカちゃん!?」




「バカ!巻き込まれるぞ!戻れ!」




「おいアスカ!」




 突如包囲網から飛び出した幼い影。それに驚いたリナ、ベルモンド、ルイスが制止するがアスカは止まらず一直線にガロンへ向けて駆け抜けていく。




「アスカ!?」




 上空に居たシャーリィは接近するアスカに気付いて慌てて攻撃を中断。




「何してるのシャーリィ!?レインソード!」




 シャーリィが攻撃を中断した結果密度が減ったことでガロンは狙いをマリアに定めて加速するべく魔力を練り上げる。彼の尾が青く輝き魔法を解き放とうとした瞬間。




「ぐぁあああっ!??」




 音もなく迫ったアスカにガロンは気付かず、その自慢の尾はアスカの短剣によって切断され、宙を舞う。




「アスカ!」




 直ぐ様シャーリィが急接近してアスカを抱え急上昇。ガロンから距離を取る。

 突然現れた幼子にマリアも慌てて攻撃を取り止めたので、シャーリィとアスカが被弾することは避けられた。そして。




「ぐぅあああっ!!おのれ!おのれぇえっ!!我の尾をよくもぉ!!」




 激しい痛みを堪えながらガロンも吠えるが、彼から感じられた魔力が急速に落ち込んでいくのをシャーリィとマリアは察知する。




「まさか、あの尾が触媒だったのですか!?」




「気付けなかった!凄いわね、その子」




「お手柄ですよ、アスカ」




 シャーリィとマリアは直ぐに察してアスカを称える。




「……ん」




 そしてアスカは無表情な顔をガロンに向け、そしてガロンはアスカを見て顔を強張らせる。




「なにが……何がなり損ないだ!半端者だ!あの馬鹿者め!フェンリルではないかぁあっ!!」




 ガロンの雄叫びが響き渡る。




「おや、良い拾い物をしました」




「……?」




 その絶叫を聞きシャーリィはアスカの頭を撫で、本人は首を傾げるのだった。

ここまで読んでくださったあなたに最大限の感謝を。もしもあなたの暇潰しの一助となれましたら、幸いでございます。お気に召して頂けたならばブックマーク、評価など頂けましたら幸いです。

そしてもし宜しければ賛否構いません、感想を頂ければ望外のことでございます。如何なる意見であろうと参考にさせていただきます。あなたの人生に安らぎと幸福が訪れますように。

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