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暗黒街のお嬢様~全てを失った伯爵令嬢は復讐を果たすため裏社会で最強の組織を作り上げる~  作者: イワシロとマリモ
模索

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海賊衆の帰還と農園襲撃

いつも読んでくださり、またブックマークしてくださりありがとうございます。今回も貴方にとって有意義な時間となりますれば、幸いでございます。

『暁』幹部連が十六番街に閉じ込められて十日が経過した。その間何度もシャーリィ達は脱出を試みるが『エルダス・ファミリー』が人員を大幅に増やしたことで封鎖は厳重となり、その悉くが失敗に終わっていた。

 度重なる戦闘で装備を少しずつ失い、肉体的精神的にも疲弊しつつあった。



 一方『エルダス・ファミリー』の幹部バンダレスは、幹部マクガラスに出し抜かれた形となりその失点を取り戻すべく行動を開始しようとしていた。




「ええっ!?農園を攻めるんですかい!?」




「当たり前だろうが!このままじゃ手柄を全部マクガラスの馬鹿に持っていかれちまうぞ!」




 部下達との密談でバンダレスは吠える。マクガラスに出し抜かれたことで手柄を全て奪われてしまうことを恐れたのだ。そんな彼は幹部連が不在となった『暁』本拠地の襲撃を計画。

 彼にはまだ腹心を含めて百人の兵隊が居り、それを使えば本拠地襲撃も成功すると考えていた。




「そりゃそうだけどよぉ、まるで空き巣野郎じゃねぇか」




「確かに、幹部の首を取るより手柄は低いぜ?」




「なにもしねぇよりはマシだろ。少しでも手柄を挙げねぇと親父に見限られちまうからな。兵隊を集めろ、武器も忘れんなよ」




「『ターラン商会』から流れてきた銃が山ほどあるからな、暴れてやるぜ!」




 バンダレス一派は気炎を挙げる。彼らの装備は精々リボルバーとライフル程度。対する『暁』本拠地である農園が塹壕などの近代的な陣地に機関銃や野戦砲などを装備しているとは知るよしもなかった。

 また、『暁』には幸運が続く。





 ~港湾エリア~




「久しぶりの我が家だ!野郎共ぉ!」




「「「おおおーっっっ!」」」




 エレノア率いる海賊衆が二度目の密輸から生還。前回を上回る莫大な利益を手に意気揚々と凱旋したのだ。そして。




「なぁにぃ!?シャーリィちゃん達が『エルダス・ファミリー』とやりあってる!?」




「おう、うちのボスの警告を奴らは無視したからな。此方も抗争の準備をしてる」




『海狼の牙』幹部メッツから『暁』の現状を聞いたエレノアは驚愕すると共に、前回同様良いタイミングで戻れたことを海に感謝した。




「それならあいつらは私達が戻ったことを知らない筈だよなぁ?」




「そりゃ知らないだろうさ、たった今の話なんだからな」




「なら好都合だ。シャーリィちゃんの敵は私の敵だよ。陸の奴らに海賊の戦い方を教えてやらなきゃね!」




「頼もしい限りだな。『海狼の牙』も必要なら参戦するとミス・シャーリィに伝えてくれ」




「あいよ、あんた達にも期待してるよ」




「うちのボスが気に入ってるからな、借りなんてケチなことは言わないさ」




「野郎共ぉ!戦闘準備だ!農園へ帰るよ!」




 エレノアは海賊衆に完全武装をさせた上で農園へと移動を開始する。





 同時刻、『エルダス・ファミリー』幹部バンダレスは百人の手下を引き連れて数台の馬車で農園付近まで移動。要塞化された農園に少しばかり警戒するが、幹部の大半が不在であることを考えて襲撃実行を決意した。




「野郎共、『暁』は随分と儲けてるって話を聞いたことがあるだろう?その本拠地なら財宝が山積みされてる筈だ。俺が欲しいのは奴等のシマを潰した功績だけ!奴等の財産は全部お前らにくれてやる!奪え!それが俺たちの流儀だ!」




「「「おおおーっっっ!!」」」




 バンダレスの号令に皆が雄叫びを挙げて各自武器を掲げながら前進を開始する。





 その一時間ほど前、周囲を監視していた偵察部隊から『エルダス・ファミリー』による襲撃の報を受けた『暁』軍司令マクベスは、二百人からなる戦闘部隊に戦闘準備を発令。自ら先頭に立ち防衛戦の指揮を執る。

 今回はドルマンが新たに試作した『三年式機関銃』もテストを兼ねて配備されていた。

 これはかつて『ライデン社』が試作したものの一つであり、従来の手回し式から自動式へと変換したもので『ライデン社』の最新式には遠く及ばない。

 しかし暗黒街では無類の強さを誇ると期待されていた。




「新型の調整を急げ!」



「はっ!」




「まさかこんなにも早くお披露目できるとはなぁ」




 指揮を執るマクベスの隣でドルマンが呟いた。




「今回もドルマン殿の自信作と聞いている。我々も安心して使える」




「『ライデン社』の新型に比べればヒヨコみたいなもんさ。ようやく自動式の再現に成功しただけで、こいつは最初期と言って良い。実際『ライデン社』も試作だけしただけだからな」




「それでも手回し式より遥かに有効だと考える」




「それに関しては自信があるよ。それに、頑丈な作りを意識したからな。多少粗末に扱っても壊れたりはしねぇ筈だ」




「それはありがたい。戦場では丁重な扱いなど行う余裕なんてないからな」




「報告します!奴らが現れました!数は凡そ百!」




 伝令が駆け込む。




「戦闘用意!」




 二百人の隊員達が配置についたと同時にバンダレス一派が姿を現した。




「むっ!これはいかん!騎兵が居る!」




 バンダレス一派には馬に乗った者が十数人確認できた。




「なんだマクベス、別に気にすることじゃないだろ」




「だがドルマン殿!騎兵の機動力は厄介なものだぞ!」




 マクベスに対してドルマンは肩を竦める。




「だからなんだ?此方には有刺鉄線の鉄条網と機関銃、塹壕がある。お嬢ちゃんの言葉を借りるなら時代錯誤って奴だ。奴らは自由な動きが出来ないまま死ぬだろうさ」




「ううむ、どうしても軍人時代の癖が抜けなくていけませんな。騎兵は厄介な存在でしたので」




「確かにマスケット銃装備の戦列歩兵なら騎兵は脅威だろうな。だが、俺たちはそれの数世代先を行ってる。ロマンなんかない、ただ合理的に処理するだけさ」





 ロザリア帝国正規軍でも騎兵の見直しが進んでいた。それは現在『ライデン社』が全力で開発中の『戦車』を見据えての事である。




「そう言うものですか、今一実感が湧きませんな。いや、お嬢様の慧眼を疑うわけではありませんが」




 懐疑的なマクベスを安心させるようにドルマンは気楽に言葉を紡ぐ。



「まあ見てな、お嬢ちゃんの見立ては間違いじゃない。騎兵の時代は終わったことを教えてやろうじゃないか」




 ドルマンは不適に笑う。確かに自由に機動出来る騎兵は脅威である。

 しかしシャーリィが考案して改良に改良を重ねた農園の陣地群相手には、全くの無力であることがまもなく証明されようとしていた。

 それは『帝国の未来』に記されていた騎兵の終焉と、新兵器であり兵科である『戦車』の台頭を予感させるものであった。

ここまで読んでくださったあなたに最大限の感謝を。もしもあなたの暇潰しの一助となれましたら、幸いでございます。お気に召して頂けたならばブックマーク、評価など頂けましたら幸いです。

そしてもし宜しければ賛否構いません、感想を頂ければ望外のことでございます。如何なる意見であろうと参考にさせていただきます。あなたの人生に安らぎと幸福が訪れますように。

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