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秒で寝る


 晩餐会の参加者はカイザー王と仁亜の二人だけだった。せっかくだからこの国の事を色々聞いてみようと思う。

 ギリアム夫妻は公務が長引いているため不参加。あの二人喧嘩とかしてないかなと少し心配になった。



「どうじゃ?美味しいか?」


「とっても美味しいです!特にこのスープ!シンプルに見えて深い味がして、具材の旨味を引き出してますね!」


 ちなみにこの料理を作った人も仁亜の球体発光を見たそうで、急にインスピレーションが沸き秘伝のスープを誕生させたそうだ。コンソメに近い味だった。


「そんなに嬉しそうな顔をされるともっと食べさせたくなるのう。ほれ、そろそろメインディッシュがくるぞい」


「きゃ〜!丸鶏の香草焼き〜!ナイフがスッと通るやわらかさ!それでいて皮パリパリ!」


「デザートもあるぞい」


「薔薇のシャーベットだー!後味スッキリー!」


 お腹が大満足になった所でお開きとなった。王との食事はとても楽しかった。おじいちゃんがいたらこんな感じなのかな、と心が温かくなった。


 客間までアイザック隊長に送ってもらい、シータさんにドレスを脱がしてもらった。そのまま備え付けの浴室で入浴を済ませる。

 入浴中に用意してくれていたネグリジェがこれまた可愛い。宣言していたベッドダイブをして一息つく。


「ふぅ〜幸せな時間だったぁ…あれ、何か忘れてるな」


 ベッドの上にペタンと座り直して考える。はっ。



「食事に夢中でこの国の事全然聞けてなかったああああああーーー!!」



 思わず叫んだ仁亜だったが、この後さらに叫ぶ事になる。寝室の横にあったドアから勢いよく誰かが飛び出してきたからである。



「ニア様どうしました?!不審者ですか?!」


「わああああああああお前が不審むぐっ

 『落ち着いて下さいニア様、私です』」



 途中で口を塞がれる。声の主はアイザックだった。仁亜が黙るとそっと塞いでいた手を離す。


「ぷはっ。あ、なんだ隊長さんでしたか〜。あぁビックリした鎖骨うううーー!!」



 ビックリにビックリが重なる。隊長の顔を見てホッとし、ふと目線を下にやるとクッキリした鎖骨。

 隊長は寝ようとしていたのか薄手のガウンのようなものを着ていた。それが仁亜の元に駆けつけた時、若干はだけたのだろう。

 気づいてサッと直した。



「す、すみません慌てて来たもので」


「どうして隣の部屋に隊長さんが?!」


「王の命で貴女の夜の警護役として隣室で待機しておりました」


「えっ昼も夜も警護するんですか?過労死しちゃいません?!」


「警護といっても就寝前と起床時に様子を見るだけですよ。外には見張りの兵もいますし。

 ご覧の通り、私も休ませていただきますが、何かありましたらすぐ大声で呼んで下さいね」


 そうだったのかと理解した後、王よ先に言っておいてくれ、とも思う仁亜だった。



 「…なんか今日は本当、ありがとうございました。ずいぶんお世話になっちゃって。 

 あ、そうだ!もし良かったら私と二人だけの時は敬語じゃなくていいですよ。堅苦しいの苦手だし」


 と、笑顔で言った。


「!ありがとうござ…ありがとう、ニア。俺の事も隊長ではなくアイザックと呼んでくれ」



「じゃあアイザックさん…おやすみなさい」


「おやすみ」



 お互いに挨拶をして、アイザックは隣室へ戻る。そして仁亜は就寝した。















……………………わけがなかった。





(いやいやいやいや!!えええええええすぐ隣に男の人いるのおおおお?!!!

 しかもあんなセクシーガウン姿でとかどんだけえええええ!!さっきチラっと見えたけど腹筋バッキバキだったああああ)



 仁亜は枕を抱えながら悶絶していた。

 あまりバタバタするとまたアイザックが飛んで来そうなので、なんとか心を落ち着かせようとする。



(落ち着けるかああ!!だ、だって隣に男の人(二回目)い、いやとりあえず横になってみようそうしよう)



 抱えていた枕を元の位置に戻し、仰向けになってみる。



(…あああああ眠れる気がしないいいいい…これでもし眠れたら相当神経が図太いな…)





―数分後―





「すぴー」






(…ニアは眠ったようだ。俺も休むとしよう)



 警護対象が無事就寝したのをこっそり確認して隣室へ戻ったアイザックだった。しかし、



「ニアは髪を下ろすとあんな感じなのか。昼や晩餐会の時は結い上げていたからな………何故だろう、雰囲気が××××様に似ている……」



 こちらは何か考え事をしていて、その結果寝不足となっていた。

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