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ユメモノガタリ~2~  作者: 久川 りつき
7/51

ーこれからー




・・・泣き止むのに、



しばらく時間がかかった。



ピンッと張っていた緊張の糸が切れてしまったように。




私が泣いている間、


アカズサさんは、ずっと私の頭を撫でてくれていた。




その横で、




「・・・・、で。




何で俺を縛る必要があんのさぁ?」





少しイライラしながら呟くカンヌイさんを、




今、イオリくんが椅子に縛りつけている。






「何でも何も、お前は余計な事ばかりするから。



・・・本当ならシオンのヤツに(かせ)を行使させてやりたい所なんだ。」





イオリくんは、それは嫌な顔でカンヌイさんを見やる。




「ハハハハハハ!!!!



あー、確かにぃ、シオンちゃんには無理だねぇ♪




そんな酷い事させたら、




シオンちゃん、泣いちゃうもんねぇ?」





カンヌイは、イオリにニヤリと笑いながら答えた。





「・・・・イオリ、



さあ、コーヒーを淹れ直す、



今後の算段をしよう。」





アカズサさんが、睨み会うイオリくんとカンヌイさんを



見て、その会話に割って入り、


そう言うと、




イオリくんはもう一度カンヌイさんを睨んだ後、



スタスタとアカズサさんと私がいる側に来て、




椅子に腰かけた。




「 ・・・さて、じゃあ始めようか。



互いに、話の途中で意見があったら遠慮なく言い合おう。



でもまず、最初に言わせてくれ、



二人共、・・・今回は、俺のせいでこんな事になってしまって、



・・・本当にすまなかった。 」




アカズサさんは、私達二人に頭を下げる。




ーー!!も、もう謝らないで下さいアカズサさん!!ーー





「・・・まあ確かに、大体がお前のせいだよね。」






ーー・・・!!??イ、イオリくん!!ーーーー








「・・・でも、そんなのは今更(いまさら)だし、



もう済んだ事なんだ。



見ての通り僕達は生きてるんだから、


いつまでもくよくよしてられないよアカズサ。



大事なのはこれから、でしょ?」





イオリくんは、






・・・とても分かりにくい言い方だけど、






イオリくんなりに、アカズサさんを励ましているような気がする。





「・・・・うん、そうだな、イオリ。




・・・ありがとうな。



・・・それじゃあ、話を戻そう、



俺は、今までの事を、二人が眠っている間に、


少し整理してみたんだ。



まず、



シオンの(声)と(縁)を奪った張本人だけど、



やはり以前話したように、それは



俺の(親)である、<死の番人>の可能性が一番濃厚だ。」





「・・・それは、間違い無いかもな。



僕は、あの時カンヌイのフロアで



アイツを見てる。



その時言ってたんだ、



**ーーネズミの分際で


マナの体に気安く触るなーー**



ってね。」




イオリくんは、その時の事を思い出しているのか、


苦々しい顔をしている。




ーー・・・・・・






マナ・・・・・?ーーー











・・・・・・ドキッ・・・・・










その名前は・・・・・














確か、






カンヌイさんの部屋でも聞いて、






今朝も・・・・・・聞いたような・・・・・・





私は、言い様の無い不安がよぎった。









ーー・・・・・マナさんって、





カンヌイさんの部屋にも人形がありましたけど、




一体・・・・・・誰なんですか?・・・・・ーー








私が、意を決して切り出すと、





自然に名前を口にしてしまったのだろう、



イオリくんは、ばつの悪そうな顔をした。








「・・・・・・





マナは・・・・・・







昔、








・・・・・僕を騙して、




儀式の贄にした女の名前だよ」




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