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ユメモノガタリ~2~  作者: 久川 りつき
3/51

ーネズミ同士の確執ー



そうして、



しばらくケケのされるがままになっていた私は、



少し考え事をしていたためボーッとしていたが、



ケケの合図で、髪の毛のセットが終わったと告げられた。



髪は、もう私には表現できない結い方で、


所々を三つ編みにした部分を繋ぎ会わせ、


左側にまとめてあるようだった。



その、まとめている部分には、



華やかなアクセサリーが付いている。



私は、鏡で自分の姿を確認すると、


あまりに華やかに飾られた自分を見て、




ーー・・・・・馬子にも衣装って、イオリくんに言われちゃいそうだなぁ・・・ーー




と思わず苦笑いしてしまった。



** お気に召しましたでございましょうか、シオン様・・**





いつの間にか回りの物をキレイさっぱり片付けていた


ケケちゃんが、腰をかがめ、



私の評価を待っているようだった。



ーー!!!!あ、ありがとうケケちゃん!!



本当に、私には勿体ない位素敵だよ!! ーー




私は、また身ぶり手振りでケケちゃんにお礼をのべると、



ケケちゃんは嬉しそうに微笑んでいた。







「・・・・へぇ、




ドブネズミの割にはマトモな服を作るじゃん?」







そこへ、






あまり聞きたくない声が後ろから聞こえた。







ーー・・・・!!!カ、カンヌイさん、



起きてたんですか?・・・ーー





「うん、



何か、随分(ずいぶん)シオンちゃんの楽しそうな声が聞こえたからさぁ?



気になって起きたら、



小汚ないドブネズミがいるから驚いたよぉ。」





カンヌイさんは、さっきから失礼な物言いをしている。





ーー・・・カンヌイさん、



ドブネズミって何ですか、



ケケちゃんに失礼ですよ、やめて下さい!!ーー










** ・・・・・・・お前は、ハリネズミ・・・!!! **









ケケちゃんは、カンヌイさんを凝視している。





ーー・・・・・??ケ、ケケちゃん?




大丈夫・・・・??ーーー




私はケケちゃんの様子がおかしかったので、





もしや、





さっきのカンヌイさんの言葉に傷付いたのではと心配したけど、







・・・どうも、そうではないらしかった。









** ・・・・ここは、アカズサ様のお部屋だ、



何で人形狂いのネズミがここにいる・・・






ベッドから降りろ、





・・・・お前を殺してやる・・・・**








・・・・・・・ん?・・・・・・







・・・・今、







ケケちゃんの可愛い小さな口から、






とんでもない言葉が聞こえた気が・・・・・









・・・・いや、きっと幻聴だ、うん。







「???は・・・????



ハハハハハハ!!!!



お前・・・ドブネズミの分際で、



この俺を殺すぅ?




身の程を知らないドブネズミはぁ、



今すぐ生きたまま皮膚を剥がしてやるよぉ!」





カンヌイさんは、ハリネズミの姿から、




ボンッ




と少年の姿になると、


手から青紫色に光る針のような物を出現させ、




ケケちゃんに飛びかかった。





ーー!!!!?????ケケちゃん!!!!!!ーー




私は、思わず目を(つむ)りながらケケちゃんの前に出たが、




一向に衝撃がくる様子が無く、恐る恐る目を開ける。



すると、


ケケちゃんはいつの間にか私の目の前に移動していて、




カンヌイさんが振り下ろした針の一撃を、




・・・見たところ、ホウキ一本で軽々と受け止めていた。





ーー!!!!!?????ーー




私は、あまりの光景に呆気に取られていると、




ケケちゃんは目にも止まらぬ早さで



その受け止めているホウキを






・・・カンヌイさんごと降り投げた。




「・・・・ッ!!!!???」




カンヌイさんは予想していなかったのか、



とっさに受け身を取る事ができず、背中を、


壁に強かに打ち付けたようだった。




「・・・・グッ!!!」




** ・・・あら、



噂は聞いてましたが、



お前の魔力はその程度なのですか。



言っておきますが、



私は許しません。



お前はシオン様とイオリ様のお命を危険に晒した・・・




今すぐ引き裂いて差し上げます・・・!**





ケケちゃんは、スカートなのにも関わらず、



目にも止まらぬ早さでカンヌイさんに接近すると、



首を締め上げる。




「グッ!!!!!ア・・・!!!」





**・・・・死をもって、お二人に懺悔なさい・・・**





これは、






これはまずい!!!





私は、弾かれたように走りだし、





ケケちゃんの腕を掴んだ。




**・・・・・!?・・・シオン様?・・・**





ーーケケちゃんヤメテ!!!




お願い!!!!ーーーー





私は、声は届かないと言ってもいられずに、



必死に腕にしがみつく。





**・・・・・何故ですか、・・・・





コイツはシオン様とイオリ様のお命を奪おうとしたのですよ!?**






ケケちゃんの声は、少し震えている。





ーー・・・・・それは、




そうだよ。





でも、




私のせいでケケちゃんが人殺しになるのはイヤなの!!ーーー





私が叫んだのとほぼ同時に、





ドアが開き、




聞き覚えのある声が、ケケちゃんに投げ掛けられた。






「やめろケケ、ソイツを殺せばシオンが死んでしまうぞ。」






ケケちゃんは、




その言葉を聞いた瞬間、



目を見開いて




パッとその手を離した。




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