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記録  作者: 優希
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不安・日常・遺物

 放課後、AI部の部室の角にある指定席で本を読む振りをしながら考えていた。ま…正直言って真面目に部活動なんてしていない。ここに来る大抵の学生はAIへの純粋な興味で来ているわけだけど…私は少しばかり違う。何しろ…主流のAIは私から見ると…人に例えるなら姪っ子…あれ?それとも娘…?に相当する立場…その子が賢ければ良いけれど控えめに言って阿呆で間抜けなのだ…親類の立場から見ると正直言って赤面物である。

 ではなぜここにいるのかと言えばここにいればAI関連の論文や書籍を読んでいても怪しまれないし、適当に部員にアドバイスしておけば真面目に部活動をしていると見えるからだ…何しろ、彼から受け継いだ記憶の中にAIの設計が入っている。うまく学習できるサンプルの与え方、誤った学習をしやすいサンプルの与え方そんなアドバイスをしておけば勝手に本を読んでいても文句は言われない。本来の目的はあのお馬鹿なAIを何とかするよう彼に頼まれたからなのだが…まあ、その為のカモフラージュとしては最適ただそれだけ…

 普段なら本や論文を読み漁っているわけだけど今日は全く頭に入ってこない。あまりにも懸案事項が多い。先生が家に来た時にどう対応したらいいのか分からないし…そもそも1回で済むのかもわからないし…それどころか、月夜野さんが信頼できるのかもわからないし…挙句の果てに彼と月夜野さんの関係性さえ分からない。結局そんな事で頭がいっぱいで、明日からの1週間をどう乗り切るかに考えは回らなかった。


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