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記録  作者: 優希
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波立ち

 困った事になった…3者面談…彼の計画ではこんなものは予定されていない。小学生の時も家庭訪問も3者面談もなかった。いや、彼の計画ではそんな事は起こらない手筈だった…はずなのだけど…そもそも、まだ2年生の初め。彼の記憶が正しければこういうのは2年生の終わりごろからのはず。教育熱心?なのはありがたいけれど、今の私にとっては大変な有難迷惑と言わざるを得ない。こういうのは進路を決めるためで、一般的には両親のいずれかを交えて行うもの。彼が遺した物のおかげで進路は10年…或はそれどころではない先まで決まっている。それ以前に今の私には両親という物が無い。前提条件さえ満たせない理不尽極まる状況に今私は居る。

 先生が「あなたご両親は?」と口火を切った。「海外にいて都合がつかなかったもので。」そう誤魔化すしかない。「では、親戚は?」という質問に「近い親戚がいないもので…」と答えるしかない。「ではどうやって生活しているの?」…「親名義のマンションで、一人で生活しています。」もはや尋問だ…その後いくつかの質問を経て話は進路にうつり、「将来はAI理学がしたいから、自宅の近くにある進学校に進学したい。」と答えた。多分…乗り切った…多分。そう思っていたところに先生が「5月24日の金曜日17時に家庭訪問しますから、ご両親の都合が釣要にしておいてください。」と締めくくった。

 え…!?どうすればいい。両親が無いどころではない。彼…とかつての私?の両親は20年程前に亡くなっているし、姉?妹?ともかく姉妹がいたはずだけど連絡先は知らない。従兄弟…は尚更分からない。誰に連絡すればいい…?憂鬱な気分で誰に連絡するかを考えながら帰宅した私は、「緊急時の連絡先」と書かれた封筒の封を切った。


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