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記録  作者: 優希
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包まれて…

人の気配を感じながらお風呂なんて何年ぶりか…私だけでも5年ぶり…彼の記憶の時間を含めれば56年…?何とも言えない温かい気持ちを感じる。心の中でありがとうそうもう一度言ってから壁越しに、そろそろ出るね。と言ってから湯船から上がりざっとシャワーを浴びてから4つ折りのドアを開けた。え…?何…?想定外の光景に私はそう声を上げた。そこには両手でタオルを広げた春香が立っていた。大体の意図は分かったうえで、どういう事?と聞いてみた。春香は、何をしようとしているかは。分かるでしょ?と答えた。私は記憶や知識の上では56歳も年下にこういう事をされるのはどうかと怪訝な顔を少ししたうえで、分かったと言わんばかりに左掌を振り、体格の差もありこれでは殆ど母親に甘える子供…うまく周りに頼れないあたりは子供そのものか…と心を巡らせバスタオルに飛び込んだ。予想通り春香は私を包み込むように抱きしめた。春香の気持ちに数秒付き合えば良いや程度のつもりだったけれどそうはいかなかった。抱きしめられて背中をポンポンと叩かれた途端、涙が溢れて腰が抜けたように力が入らず春香に寄り掛かってしまった。春香は、優希?とだけ聞いて背中を撫で続けてくれた…5分ほど静かに泣いて少しずつ落ち着いた。落ち着いたところで春香は私と目線を合わし、つらかったんだね…理由は話せる?と聞いてきた。私が首を横に振ると、首をゆっくりと縦に振ってもう一度強く抱きしめてくれた。その後、髪の毛を拭こうとしてくれたけれど、春香待って。その拭き方すると髪の毛痛む。と言って止めた。春香は、どうやって乾かしているの?と聞いてきた。私はオイルドライしているよ。と答えると春香は不思議そうな顔をしていた。下着とパジャマを着た後足元に色が濃い目のタオルを置いて、水でべたべただとオイルの方が追い出されちゃうからタオルで包む程度に拭いて、根元から毛先に向かって椿油を広げてゆくのね。こうすると髪の毛と髪の毛の間にある水が追い出されて乾くの。と話しながらやって見せた。春香は、こんなに水出てくるのね。と感心していた。私は、最後に余った椿油をふき取って終わり。と言ってオイルドライを終えた。

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