表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界サバイバルゲーマーはMODを駆使して生き残る  作者: 神崎由貴
第1章 ニューワールド
7/48

7.日本語化MOD

3月30日 重複する表記、誤字の修正

 突然のティアの提案に少し驚いたが、なるほど、日本語化MODか。


「WARS」は多国籍のプレーヤーが同じワールドでゲームを楽しむマルチプレイが可能であり、テキストチャットでのやり取りもできるが、VR化にあたって当然ながら直接向き合って会話することが多くなった。


 そこで、多言語対応の翻訳ソフトを介した、母国語への変換。

 つまり俺の母国語である日本語へテキストや会話を翻訳してくれるのが日本語化MODだ。


 現在、黒髪の少女がしゃべっている言語が、いったいどこの言葉なのかわからないが、少なくとも英語や中国語ではないようだ。

 MODをアクティブ化することで、翻訳機能が機能するかもしれないという事だ。


 さっそくタクティカルボードから、MOD一覧を開き、日本語化MODを選択

【取得しますか? はい/いいえ】で【はい】を選択


 ファンファーレと共に、【実績解放:MOD追加】【MP1取得MP所持8】の表示がポップアップされた。


 特に体に違和感はなく、MODの取得による弊害はなさそうだ。

 さっそく少女に話しかけてみる。


 黒髪の少女は、止血のためだろうか、肩に刺さった矢を包帯のようなもので固定してその場にへたり込んでいた。


「大丈夫か?矢の傷の治療をさせてくれないかだろうか」

 とりあえず、傷の具合を確認しながら、話しかけてみた。


「あなたたちの話しているのは、ニホン語か。ニホン語、ナラ、私モ、スコシハナセ、ハナセマス。」


 通じた。でもなんか変だな。途中から何故片言になったんだ。


「失礼、できれば、あなた方の言葉で、お話ししていただけると、助かります。」

 ティアが助け舟を出してくれた。

ティアは俺に耳打ちしてくれた。

「彼女は途中から、何故か日本語をしゃべり始めたため、翻訳機能が機能しなくなりました。なので、元の言葉でお話ししていただくようにお伝えしました。あと我々の日本語は、彼女に通じているようです。」

 なるほど、謎の言語ではなく、日本語で話されたから、日本語化MODが無効化されたのか。方言が日本語化MODで翻訳できないのと同じ理屈か。


「俺は東城敦史トウジョウアツシだ。彼女はティア。矢は刺さったままで大丈夫なのか?」


 少女は少し青ざめた顔色ながらも気丈にも答えてくれた。

「ああ、矢は大きな血管からは外れているようで、痛みはあるが、致命傷ではないようだ。私は、マリーダ=アービング。探索者シーカーだ。

 援護感謝する。あなた方は高レベルのハンターのようだな。ゴブリンやウルフをたった2人で片づけししまうとはな。2人が装備している銃も我々が知っている銃よりもかなり威力がありそうだ」


マリーダは俺達の銃火器に興味があるようだ。

魔法がある世界でも、銃はあるようだ。


そこで、ふと気になったことがある。

今のマリーダとのやり取りだ。NPCはあんな生々しい、まるで人間のような表情や、受け答えが出来るのだろうか。少しわからなくなってきた。


「とにかく、傷の処置をしましょう。見ているこっちが痛々しいです。」


ティアはマリーダの矢を気にしているようだ。

「アツシ、処置するのでちょっと周囲の警戒をお願います。」


どうやらティアはマリーダの傷を処置するので、男の俺を外させたいようだ。


いや、ゲームでの傷の手当って回復薬の投与か、救急包帯巻くだけで体力回復するよね。


そう感じながらも、ティアの言葉に従って、周囲を警戒するが、

さっきから、なんだろう、凄く違和感を感じる。

このNEW WORLD(この世界)に来てから感じるモヤモヤとした違和感。

ティアの言動の端々に感じる違和感。


考えないように、思考を意図的に遮断していたが、ふと思ってしまう。


本当に、ここはWARSゲームノセカイなのかと・・。

装備やスキル、オペレーターAI(ティアの存在や、タクティカルボードやストレージなどのゲーム要素や、ドレスの能力や目の前にあるステータス画面など、自分の信じたい事象を、自分を信じ込ませてきたのかもしれない。


目を背けたい現実である、本当は、世界が変わったのではなく、自分がどこか別の世界に紛れ込んでしまったのではないかという孤独感にも似た感覚だ。


喉がカラカラになっていくのを感じる。ストレージからペットボトル入りの飲料水を出して、ドレスの部分脱着を選択。頭部を収納して、素肌でこの世界を感じてしまった。外気には温度があり、インターフェイス越し以上に強いにおいを感じた。


強い吐き気を感じて、慌てて飲料水を流し込み、吐き気を抑えた。

そして感じてしまった。飲料水の冷たさと、飲み下した水が自らの体に入っていくリアルな感覚を。


間違いない、この体は現実のもので、俺の意思もここにある。つまりこのゲームのような世界が、現実なのだと理解してしまった。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ