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異世界サバイバルゲーマーはMODを駆使して生き残る  作者: 神崎由貴
第1章 ニューワールド
4/48

4.探索開始

3月29日誤字及び モンスターとの遭遇の秒数修正(障害物の多い森での移動速度を加味)

ゲーム内時間の表記を変更

 ガレージから一歩出た俺は、改めて目の前に広がる鬱蒼とした森を眺めた。


 先ほどはシステムエラーやログアウト出来ないことで冷静さを失っていたが、改めて見ると、緑豊かで、深い森だった。光が鬱蒼とした木々の間から差し込み現在が、日の出ている時間帯であることを示している。

 事実、左手にはめた破壊不能オブジェクトであるデジタルウォッチは、ゲーム内時間で、午前11時32分を示していた。


「ドレス」に全身覆われているはずの頭部は「オーバーレイ」の効果で、俺自身の顔がむき出しになっている。

 その顔を森を吹き抜ける風が撫でた。

「WARS」では存在しないはずの風

 もちろん、狙撃に対する補正としての風速や演出としての砂塵等は存在するが、今俺の顔を撫でた風には森特有の、土と植物混じったようなの匂いが含まれていた。


 木々の揺らめきや大地の質感も、今まで、ゲーム内で感じていたものとは大きく違っている。

 噂ではα28でゲーム内のテクスチャー等の効果の変更をはかると言われていたが、ここまで激変するものなのか?


 というか、α28が突然来て、勝手にアップデートされるものなのか?

「ティア、現在のゲームバージョンはいくつだ?」

 とりあえず、困った事はティアの確認だ。

「はい、バージョンα27.5です」

 はい、普通に答えられました。

「そうだよな、α27.5だよな」


 ティアが何か言いたそうにしている。

「どうした?」


「あのですね、今までゲーム内では、私、感覚という概念がなかったんですが、このMAPに来てから、風の匂いや地面の感覚があって驚いてます。」


 あっ、言っちゃった。俺が怖くて言えなかった事、普通に言っちゃったよ。

「実は俺もそれを感じていたんだが・・・、どういう事?って、AIに感覚ってあるの?」

 ティアは少し困惑した感じで

「判りませんが、まるで生身の体になったような感覚です。」

 AIに感覚って。いきなり生身の体になって動けるのか。

 ずっと寝たきりの人間が、リハビリも無しに歩き出すようなモノじゃないないのか。

「ティア、体とか大丈夫なのか?ちゃんと動けるのか?」

 急に心配になってきた。探索してる場合じゃないんじゃないだろうか。

「はい、大丈夫ですよ。体を動かすという行為は、今までと一緒なので、特に変わりませんし、筋力的な意味では、ドレスがサポートしてくれていますから。」

 どうやら大丈夫なようだ。


「今までのゲーム内での感覚と少し違っているようだ、色々試しながら探索を開始しよう。」

 ティアはうなずいた。


 俺は周りを見回して、頭上に障害物が無いことを確認して、全力で垂直跳びをした。

 一瞬で体は3m近く跳躍し、重力にひかれて着地した。

 着地と同時に、前方へ向けてダッシュ。高速のダッシュ移動を行った。

 通常の人間では成しえないスピードで30mほど走破し止まった。

 銃火器をフル装備した俺の重量は90kg近くあるはずだが、「WARS」内でのレベル200という身体能力と、レベル上限ギリギリの装備である「ドレス」が俺に人間離れした動きを可能にさせている。


 感覚が鋭敏になっているため、高速移動などは体に負荷がかかるのではと思い全力ではないが、十分な速度を出すことが出来た。

 さすがアイテムレベル200の高機動型ドレス「斑鳩」

 銃火器を扱う上で、機動性能を重視した俺のプレイスタイルに合わせて調整した最高品質のドレスだ。


 ちなみにティアは情報戦と支援特化型のドレス「ヨシュア」を装備している。

 アイテムレベル100なので、支援型とはいえ、十分に戦闘をこなすことが出来る。


 ティアにも、先ほどの話が不安だったので、適当に動いてもらって、十分に動けることを確認したので、ガレージ付近の探索を開始した。


「斑鳩」の索敵範囲は半径30m視界の右上に透過した縮小MAPが表示され、自分を中心に半径30mが常時投影されている。

 ミニMAPを見る限り敵性生物は存在しないようだ。

「ティア、そっちはMAPに何か映っているか?」

 ティアの装備する「ヨシュア」は支援特化型だけあって、索敵範囲が広い。

「斑鳩」の10倍、実に半径300mをカバーしている。

「今のところ、ミニマップには怪しいモノや敵性生物は確認されていません。」


 俺達は、ガレージを中心に大岩の周囲を索敵し周囲に敵性生物がいないことを確認した。


 タクティカルボードの全体MAPを確認しながら今後の方針を決める。


「とりあえず、この大岩を中心に半径1kmの探索を行い、道を探す。道を確認したら道沿いに進み、集落を捜索する。」

 まあ、こんなものかな。

「WARS」では地形生成の際に道が生成されその道に沿って街や村といった集落が生成される。本来であれば、まずは高所に登って道なり集落を探したいところだが、あいにくとここは、森の中で特に高い場所というものがない。一番初めに大岩に登ってみたが見渡す限り鬱蒼とした木々に覆われ取り道や集落は確認できなかった。


「まずは、東に進み1km進んだところから、北上し反時計回りに道を探そう。」


 方針を決めたので、実行に移す。

 大岩から東に向かって進むことにした。

 道もなく、MAPに表示される包囲を確認しながら進むため、歩き始めてから10分で未だ400m付近だ。周囲を警戒しながらの探索というのも時間が掛かっている原因の1つだ。


 ようやく500mといったところで、ティアが警戒心のこもった声を上げた。

「アツシ、3時の方向、距離200mに敵性生物モンスターを発見。数は1、こちらに向かってきます。データ不足から敵性生物の名称は不明。速度からして40秒後に接敵します。」

 ようやく、この世界に来てからの初戦闘のようだ。

 俺はP90の安全装置を解除し、ドットサイトを一度確認し、改めて両手で保持した。


 ティアの警告からきっちり40秒後、下草の中から1匹の大型の狼タイプの敵性生物モンスターが現れた。




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