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異世界サバイバルゲーマーはMODを駆使して生き残る  作者: 神崎由貴
第1章 ニューワールド
3/48

3.探索準備

4月30日 文章内容の改変を実施

 ログアウトボタンが無いことで、意識が一瞬フリーズした。

 そりゃそうだろう、ゲームを止めたいのに、止め方が判らないのだから。


 据え置き型ゲーム機や、携帯ゲーム機なら、ゲームのデータを犠牲にする覚悟さえあれば、電源を切る事も出来るし、一旦手を放す等の選択肢も採れる。


 しかし「WARS」はVRサバイバルゲームだ。ゲーム内に感覚を移行することによってゲーム内での体験を、より現実に近い形で体験できるようになっている。

ゲームの終了は、ログアウトのみになっている。


 パニックになっても現実は変わらない。

 設定メニューが無いという現実は。


 一度冷静になろう。

 俺は、タクティカルボードを一旦閉じて、深呼吸をしてから、再度タクティカルボードを開いた。


 やはりメニュー画面の中に、設定メニューがなかった。


「ティア、設定メニューが無いんだが・・・。」


 きっとこの時の俺の顔は、本当に情けない顔をしていただろう。


 ティアは努めて冷静に、そして優しく微笑みながらこう言ってくれた。

「アツシ、現状は不明なことが多いですが、今できることをやりましょう。こちらのユーザーIDがゲーム上で不自然な切断をされた場合は、運営側が追跡を行います。不正アクセスや成り済ましの可能性がありますからね。」


 その一言で、俺は幾分冷静さを取り戻した。


「そうだな、最悪、VRマシーンの連続使用が12時間を超えた場合は、安全装置が働いて、強制ログアウトになるんだしな。

 明日は大学は休みだし、強制ログアウトされるまで、未踏破MAPのマッピングでもしながら待つとしよう。」


 俺は鬱蒼と茂る森を見まわして、一旦ガレージに戻ることにした。


 未踏破MAPの攻略となると、未知の敵との遭遇もあり得る。

 キャラクターレベルは上限値の200だ。そうそう死ぬ事はないが、レベルを過信していると、窮地になることもあるだろう。


 ガレージ内のハンガーに設置さてた拠点用の大型ストレージから、必要になると思われる装備を追加していく。

 装備はそのままに、ストレージ内に予備の武器や回復アイテムを補充していく。

現状のメインウエポンのP90は、サブマシンガンに分類される銃火器だ。

 弾数が多く、面制圧や多数を相手にする際にその威力を発揮する。

 専用弾の5.7x28mm弾は装弾数50発を実現しており、小型で貫通性も高いが、反面大型の敵に対する攻撃力という部分では、少し不安が残る。

 攻撃力重視の7.62×51mm弾使用のFN SCAR-Hを予備の武器としてストレージにマガジンとともに入れておく。


 未踏破MAPという事で、未知の素材が手に入る可能性もあるので、採掘や伐採のための道具も準備した。


「WARS」には、空腹とのどの渇きもあるため、味なんてしないが、儀礼的に摂取するためのレーションと飲料水もストレージに放り込んだ。


「WARS」には調理スキルがあり、俺は、調理師スキルも一応は上限まで所持しているので、ゲーム上のレシピはすべて作成できるし、材料も、道具も最高の品がガレージ内の厨房に用意されている。


しかし、味覚の存在しないゲームの中で、味のしない料理に時間をかけるのは勿体ないと考えて、一度製作品をコンプリートするために作成した料理は、冷蔵庫型のストレージに死蔵している。


 恩恵バフのつく料理も多数あるので、低レベルの時分は多用していたが、レベル200になって、ステータスが変動しなくなってからは、パラメーターの空腹を満たすためだけに、店売りのレーションばかり食べている。


 一応、移動手段もいくつか準備したが、先ほど見た限りの鬱蒼とした森の中では機動性に優れた乗り物は役に立ちそうにないので、最初は徒歩で移動する予定だ。


「ティア、予備の武器と索敵用の準備を頼む。未踏破MAPだとお前のオペレーターとしてのスキルが重要になるから、戦闘は俺メインで、サポートを宜しく頼む。」


 ティアにMP7A1と4.6×30mm弾のマガジンを渡しながら、指示を出した。


「了解です。支援をメインに索敵とマッピングを重点的にしていきます。回復薬も多めに準備していきますね。」


「ああ、頼む。」


 ガレージの設置条件はいくつかあるが、そうポンポンと出し入れできない。

 ゲーム内クレジットでガレージ設置ポイント用のアイテムを買わなければならない。

ゲーム内クレジットが大量にある現状でも、ストアー並ばなければ、購入することが出来ないので、そう多くは持っていない。

手持ちの数量も数十個あるとはいえ、多用していては直ぐになくなってしまう。


 プレーヤーは、拠点とする街に家を購入し、そこをガレージとして設定して基本的には動かさないのが、このゲームの基本だ。

ゲーム内でキャラが死亡した場合も、ガレージ内にリスポーン(死に戻り)する設定になっているので、ガレージはできれば、固定されていた方が何かと便利なのだ。


 ガレージが未設定のまま、仮にキャラが死亡した場合、リスポーン(死に戻り)は完全なランダムになる。



 特に未踏破MAPでのランダムリスポーンは非常にリスクが高く、広大なMAPだった場合は心が折れる。


 今回の場合は、完全な未踏破MAPなので、ガレージは一旦、この岩場に固定し、死なないように探索を進めて、街に到達後に、ガレージを移転させるのが定石だ。


 準備を整ったので、探索を開始する。


 再接続から約2時間、強制ログアウトまで10時間弱は探索できる訳だ。


「久しぶりの未踏破探索だ、わくわくするな。無理をしないで、近くの街を発見次第、ガレージを移転させて、それから本格的な探索だな。」


ゲームを始めた頃の感覚に戻り、俺はガレージのドアの向こう側へ1歩踏み出した。






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