表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界サバイバルゲーマーはMODを駆使して生き残る  作者: 神崎由貴
第1章 ニューワールド
24/48

23.探索者(シーカー)の現状

 風呂から上がって、身支度を整える。

 ドレスを装着して、都市迷彩服から、動きやすきジーンズとパーカーをオーバーレイする。

 武装はサイドストレージにしまい手ぶらで1階へと降りていく。


 途中、クエストボードの前で、達成したクエストの確認だけはしておこう。


「これは、報酬がどれだけになるか、すぐには計算できないな。」

 ワルキューレのみんながかなり張り切ったようで、凄まじい数のゴブリンが討伐されており、討伐系のクエストボードは下にスクロールしないと確認できないほど、達成の文字で埋まっていた。


 眠る前にマリーダに眠い中で確認した限りでは、回収したゴブリンの死体については、一旦こちらで保管し、砦からの部隊が到着後に、魔族やロードの死体は見聞し、報奨金の相談をすることになっている。


 次に、食堂のキッチンスペースに置いてある冷蔵庫型のストレージから、レシピ確認のために作って、そのまましまってあった数多くの料理と、様々な飲み物を、自分のストレージに移していく。


 基本的に俺は、高価な材料で作った料理を勿体ないという思いから、手を付けずにここにしまっておいて、安い店売りの栄養バーと水で空腹と渇きを満たしてきた。

 だが、この世界に来て、味覚を得てしまうと、ただ安いだけの栄養バーでは、とてもではないが、まともに食事する気になれない。


 栄養バーの件から推測するに、【店売りの商品】⇒【自動クラフト製品ノンクオリティー】⇒【スキル使用のHQハイクオリティー品】の順に味が良くなっているはずだ。

 これからは、よほどのことがない限りは、【スキル使用のHQハイクオリティー品】を食べようと心に誓った。


 ガレージの扉を出て、一時的に借りている民家のリビングに行くと、うちのメンバーは全員そろっていた。

 全員がラフな格好をしているが、それぞれ最低限のサイドアームである拳銃類は装備しているようだ。


「すまない、俺一人すっかり休ませてもらったようだ。みんなもお腹すいているだろうから食事にしたいと思うが、今後の事を考えて【紅の風】とも交流を深める意味で食事会を行おうと思う。」


 食事という言葉に全員が反応した。


 みんなお腹が空いていたのに、俺が起きるのを待っていたのだろう。

 すごく申し訳ない気持ちになる。せめてこれから食べる食事は手持ちの料理の中から選りすぐりのものを用意して、みんなの努力に報いる必要があるな。

 俺達6人と【紅の風】のメンバー4人、計10人が食事をするには、ここのリビングでは無理があるようだ。


「ここだと全員で食事を採るには少し手狭なので、外にテーブルを作ってそこで食事をしようと思うので、みんなには食事の準備の手伝いをお願いしたい。」


 外のテーブルとベンチは俺がクラフトするとして、食事のセッティングや、食器の用意等やることは、たくさんある。

 手分けして、準備を進めることにする。ティアに【紅の風】のメンバーを呼びに行ってもらい、ワルキューレメンバーに食器などの準備をしてもらう。

 料理についても、ヴァルトラのストレージにある程度移して、テーブルが完成次第順次並べてもらうように頼んだ。


 俺は、ストレージ内の木材から、6人掛けのテーブルと、気楽に座れるようにベンチをクラフトして並べていく。


 ヴァルトラ達が料理を並べ終わるころ、手前の民家のドアが開いて、マリーダ達【紅の風】のメンバーがやってきた。


「アツシ殿、ゴブリンの襲撃を退けていただいた上に、食事にまで招いていただきありがとうございます。」


 マリーダが頭を下げてきたので、席を勧めながら、俺達も座ることにした。

 席次は何故か俺が真ん中で、右側がティア、シュバルツ、オルテ。左側がブリュンヒルデ、ヴァルトラとなっている。

 対面にマリーダ達【紅の風】のメンバーが座る形だ。

 ティアとブリュンヒルデはご機嫌で、順に表情が暗くなっていく。オルテに至っては、目の前の肉料理に向かって呪詛めいたつぶやきを放っている。やめなさい、反対側のアーティアさんがドン引きしてるじゃないか。


「それでは、一応ゴブリンは撃退したという事で、酒はまだ状況が状況なので控えるとして、全員の無事を祝って乾杯。」

 まだ完全に襲撃が無いとは言い切れない状況なので、さすがに酒類は避けて、果汁系の飲み物を中心に用意した。


「アツシ殿、この食事はすごく美味しいですね。開拓村でこんなおいしい食事がいただけるとは思いませんでした。この飲み物も冷たくて美味しいですし、感謝の言葉しかありません。」

 ルクスさんが、きちんとしたテーブルマナーで食事をすごい勢いで口へと運びながら、食事をほめてくれた。

 エルフのアーティアさんも、オレンジジュースがいたく気に入った様子で、上機嫌だった。マリーダさんとオリビアさんも、食事を楽しんでくれている。


「そういえば、マリーダさんは、このローラント王国の貴族の出身と伺いましたが、何故貴族のご令嬢が探索者シーカーのようなお仕事をなさっているのですか?少し気になりました、差し支えなければお伺いしたいのですが?」

 今後の事を考えると、マリーダの貴族の令嬢とういう肩書は何かと俺にとっても様々なことで都合がいいだろうから、マリーダの立ち位置を把握しておきたい。


「私は、この地を預かるアービング辺境伯家の娘ですが、【紅の魔弾の射手】に認められたので、より優れた魔術の使い手となるべく修行のため、【紅の風】をルクスと共に作り、日々研鑽に努めています。アーティアとオリビアも私の家と縁がある家の出で、力不足の私を支えてくれています。」


 なるほど、魔術特性に優れた令嬢を、より効率的に【プロメテウス】を運用するためにレベルアップを図っているという事か。

 それにしても辺境伯の令嬢って。予想以上の大物だ。俺の少ない知識(ラノベや異世界転生もので仕入れたにわか知識)でも貴族としての地位は高いことがわかる。


「なるほど、マリーダさん達の立場は判りました。出来るだけお力になれるように致します。それで、1つお伺いしたいのですが、探索者シーカーのお仕事なのですが、どこかの組織が運営されているのでしょうか?。」


 今後俺が考えている事を実行した場合、探索者シーカーの組織と利害関係がぶつかる可能性がある。ここは慎重に相手の組織力を把握する必要があるだろう。


「それについては、私から説明しよう。探索者シーカーは元々は、建国王が国軍や各貴族の私兵では対応できないような魔物モンスターの討伐や採取に対応するために組織したものが源流にある。その目的は、個々人の武力の向上や魔術アイテムに認められる為の優秀な人材の育成も含まれていた。」


 ルクスさんが、組織の成り立ちから、目的まで説明してくれた。

 そして、お替りですね。はい、今出しますね。


 健国王が作った組織であるのならば、国が後ろ盾になっている巨大組織じゃないですか、無理だ、1手目から詰んだ。


「だが、建国王が亡くなられてからは、各貴族家は自らの私兵の組織力によって自身の武力を高める方向に向かい、今では、都市部では討伐依頼などほとんどない状況だ。現状は唯一のモンスターの討伐があるこのアービング辺境伯領でのみ活動があるような状況だ。各家の魔導具も長い歴史の中で限界に近い状況で貴族が自身が武力を示せる機会も少なくなっている。実質的にアービング辺境伯家が、組織運営を任されている様な状況だ。」


 失礼のないように気を使いながら、ワルキューレのメンバー達のカップに飲み物を注いであげたり、料理を取り分けながらルクスさんの話を聞いた。


 かつては国営だったが、組織の必要性が失われて、需要のある地方に丸投げしている状況。その地方でも予算や組織運営の部分で持て余している感じがある。

 うまくやれば、組織の民営化が出来るんじゃないだろうか。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ