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異世界サバイバルゲーマーはMODを駆使して生き残る  作者: 神崎由貴
第1章 ニューワールド
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2.ニューワールド

4月30日文章表現を変更 加筆

 エラーメッセージが消えた後、目の前に広がっていたのは、拠点としていた【商業都市ルーセント】の繁華街ではなく、鬱蒼とした森だった。


「これは・・・、どうなっているんだ?」

 あたりを見渡すとガレージの扉の外は、森だった。


 ガレージの扉は、巨大な岩の切り立った部分の下に張り付き、地面はガレージの出口と同じ高さにあり、一歩踏み出せば、森に繰り出せる状態だった。


 後ろを振り返り、ティアに状況を確認する。


「ティア、何が起こったか、判るか?」


 ティアは困惑した表情ながらも答えてくれた。


「現在判明していることから判断することしかできませんが、ガレージから出ようとした瞬間に発生したエラーにより、我々のキャラクターの座標が狂い、未踏破エリアへと移動してしまったようです。併せて、同エラーにより使用中だったMODがいくつか機能を停止、使用不能となっています。現在、座標を確認中ですが、場所を割り出せていません。」


 ティアの話した内容を反芻しながら、考えをまとめ、確認する。

 ティアはキャラクター座標が狂い、未踏破エリアに移動してしまったと言った。

 未踏破エリアとは、PCプレーヤーキャラが探索していない未知のエリアである。しかし未踏破エリアという言葉に違和感を覚える。

 先ほどまで俺達がいたワールドは、約1年掛けて探索し、未踏破エリアを全て埋めた完璧なMAPだった。


 自分自身のタクティカルボードを確認しても、確かにMAPはすべて未踏破のグレーで覆われており、自分の現在位置を示すマーカーだけが点滅している。

 座標位置も本来あるべき座標と大きくずれている。


「ティア、現在のこの座標には前のMAPには、何があった?」


 俺自身、ティアが答えるであろう答えは判っていたが、それでもなお確認したかった。


「はい、現在の座標は、先ほどまでいたMAPでは、MAP外。ゲーム的な表現をするならば、世界の外側です。」


 やはり。想定していた回答が返ってきた。

 ならば、もう1つ確認しなけらばならない事がある。


「NEW WORLD7って、SEED値、誰が設定したんだ?」


 そう、タクティカルボードのMAPの上には、ワールド生成時のプレーヤーが設定したSEED値と呼ばれる任意のデータがあり、これを基に「WARS」の世界では、地形や町などが形成される。

 それが全く知らないSEED値に書き換えられている。

 SEED値名は【NEW WORLD7】もちろん俺はこんな名前のワールド生成を過去にもしていない。


「不明です。開発元へのコールも現在行っていますが、返答はありません。」


 開発元への確認はティアが行ってくれているようなので、現状を打破する方法を考えよう。


「これって、一旦ログアウトしたら、元に戻ると思うか?」

 そう言いながら、タクティカルボードのメニュー画面を操作していく。







 ・・・が、設定メニューがなかった。


「WARS」では、キャラクター操作の為の設定や、画面の明るさや音量等の環境調整、開発元へのメールや、ユーザー同士でのメール、ゲーム内から現実世界でのニュースなどを確認する為のコミニケーションツールはすべて設定メニューを使用する。


 そして、ゲームを終了する為のログアウトボタンも、この設定メニューの一番下に存在する。


 状況を整理しよう。

 まだ焦るような時間じゃない。


 システムエラーによる未知のMAPもしくは、ワールドへのPCプレーヤーキャラの転移。

 原因は不明。

 幸いにもPCプレーヤーキャラのステータスは問題なし。

 ガレージも確認はしていないが、消失ロストしていない。

 サポートAIのティアは正常通り起動しており、会話も出来ている。


 エラーメッセージから読み取れる内容は、何かしらのアップデート?によるバージョンの違いによりいくつかのプラグラムが使用不能となった。

 恐らく、ティアが言っていたいくつかのMODモッドが使用できなくなったのはこれが原因だろう。

 MODモッドはゲームシステムに連動して動く補助的な追加プログラムだ。バージョンが変われば、使用できなくなるのは、当然だろう。

 後日修正版が追加されるだろうから、それを適用すればまた使用できるだろう。


 こういったバグのような状況は、一旦ログアウトして、ゲームを再起動さえできれば、解消されるものだ。

 最悪、解消できなかったとしても、ネットで同じような症状を検索すれば解決策はみつかるだろう。


 そう、一旦ログアウトさえできれば。












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