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異世界サバイバルゲーマーはMODを駆使して生き残る  作者: 神崎由貴
第1章 ニューワールド
19/48

19.デストラップ

皆様のおかげで4月14日ブックマークが100件を突破致しました。

ありがとうございます。


※今回の話は、戦闘メインで、サブタイトルの通りゴブリン相手ですが、残酷なシーンもございます。

苦手な方は、気分を害される可能性もありますので、ご了承お願いいたします。


4月16日 誤字修正


 防衛拠点に戻ると、【紅の風】のメンバーと兵士が待機していた。

【紅の風】と兵士でそれぞれ1チームとして、各1名が見張りに立ち、残りのメンバーが襲撃まで、拠点で待機する状態だ。


 村の中は、自警団や猟師らに任せて、現在俺達は構造上一番もろい、北と南の門を警備している。


 夜の向けて、村のあちこちでかがり火の準備がされていく。


 ゴブリンは夜目が聞くので、暗い中では人間種は不利となる。俺達だけなら、暗視ゴーグルなり、サーモグラフモードにすれば対応できる後、今回はそういう訳にもいかないので、村の中は家に延焼しない範囲で、十字路等にかがり火の準備をしている。


 門の周りにも、かがり火と、たいまつを準備された。

 電気設備もないこの村では、炎による明かり必須だ。

 光属性の生活魔法にライトがあるようだが、効果範囲が狭く、今回のような野外での戦闘には不向きなようだったのでこちらを準備した。


 たいまつは、「WARS」特製のサバイバーたいまつで、燃焼時間は12時間で、木材と燃料等の簡単な素材でクラフトできるので、かがり火が置けないような場所に設置。


 夜に向けての準備と、ある程度の休憩が取れたころで、森の方で動きがあった。

 村を囲む柵から、森まで約150m、肉眼でも森の際にゴブリンが集まっているの見える。どうやら連中も、本気でこちらに攻勢をかける準備が出来たようだ。


 数的状況は、圧倒的に不利。北門の守備は、俺達の臨時パーティー6名と、兵士5名。

 マリーダ達の想定したゴブリン達の総数は100匹程度だったが、北門と南門でこれまでに倒した数が約50匹。森からこちらを窺っている数を考えると、北門だけでも50匹以上はいるだろう。北南併せて100匹、倒した数も考えれば200匹以上の大集団だ。

 マリーダから聞いたゴブリンは集団で行動するモンスターだが、群れの数は10匹から多くても30匹程度。明らかに群れという規模を超えた数だ。


「ロード級がいてもおかしくない規模です。ロードがいるのなら、チャンピオンやジェネラルクラスがいてもおかしくありません。シャーマンも当然いるでしょうから、遠距離攻撃に気を付けてください。」


 マリーダが青ざめた表情で想定される敵の規模を報告してくれた。


 一応南門のティアにも、通信で状況を確認するが、キース隊長も同意見のようだ。


「了解。ゴブリンが出てきたら、距離50mまで引き付けて攻撃を開始。トラップゾーンまで敵が到達したら、マリーダさんは打ち合わせ通り願いします。各自回復薬は任意での使用をお任せしますので、無理のないように。大丈夫です、数はこっちが少ないですが、防御陣地から数を撃ち減らしていけば、必ず退けられます。死なないように頑張りましょう。」

 冷静を装い、防衛にあたるメンバーが何をするか、再度確認をする。


 ゴブリンの攻勢が始まったらどう対応するか、事前に打ち合わせは終わっているので後はどう数を削るかだ。


 日が傾き、あたりが薄暗くなって来たころゴブリン達が一斉に動き出した。

 こちらに向かって森から飛び出し、駆け出してきた。


「各自、撃ち方用意、距離100…80…60…撃て!!」

 遮蔽物に持を隠しながら距離を測っていたメンバーが一斉に射撃を開始する。

 俺とヴァルトラはP90による斉射、いちいちヘッドショットは狙えないので、胴撃ちで3連射バースト、【紅の風】のメンバーと兵士は弓やクロスボウで順番にゴブリンを打倒していく。

 仲間のゴブリンが次々と肩や頭を吹き飛ばされ、射貫かれていく中でもゴブリン達は止まらない。

 村の北門を目指して駆け寄ってくる。


 門までの距離30mに達したところで、先頭を走るゴブリンが何かを踏み抜いた。

 同時にゴブリンの目の前に先端を尖らせて木の杭の列が飛び出してくる。

 高さ50cm、幅2mの先を尖らせた杭の列が斜めに突き出し、ゴブリンの柔らかい腹につき刺さっていく。


 ヴァルトラの仕掛けた、加圧式の原始的なトラップが次々と発動し、ゴブリン達を貫いていく。体に刺さった杭を抜こうとするゴブリンは足元がやけにぬかるんでいることに気が付く。


「マリーダさん、今です。」


 ゴブリンが森から駆け出して、有効射程距離に入っても、一切攻撃に参加しなかったマリーダから、トラップに掛かったゴブリンの足元に向けて一斉にファイアブラストが放たれる。

 トラップには、踏み抜くと当時に板バネで杭が飛び出る仕組みと、発動時に設置された容器の中身をあたりにぶちまける仕掛けが施されている。


 容器の中身は、サバイバーたいまつの燃料で、強い燃焼力と、持続力を持つ。

 トラップに掛かったゴブリンは一瞬で火だるまになり、断末魔を上げる。

 同時に、トラップは、そのまま、あたりを照らすかがり火になった。


 杭のトラップは北門から見て、森からの街道を中心にちょうどカタカナのハの字を逆さにしたような感じに敷設しており、木の杭と炎によりゴブリンの侵攻ルートを北門に向けて絞り込む形になる。

 トラップと炎に勢いを削がれたゴブリン達をホブゴブリン達が奇声を上げて強引に北門へ向かわせる。

 ホブゴブリン達も北門へ向かって押し寄せる。


 その中に1体ホブゴブリンよりさらに大型の茶褐色の肌を持ち、肉包丁のような肉厚の刃を持った大剣を持ったゴブリンがいた。

 周りには杖をもったゴブリンも数匹いる。あれがシャーマンなのだろう。


「おそらく、チャンピオン級です。ホブゴブリンとは比べ物にならない強靭な肉体と筋力を持っていますので、接近戦は危険です。まわりのゴブリンシャーマンは攻撃魔法と簡単な回復魔法を使用するので、早めに処理をするようにしましょう。」


 マリーダがあの茶褐色の大型ゴブリンを指しながら説明してくれた。


 逆ハの字のトラップによって侵攻ルートを限定されたゴブリンの集団が、こちらに向かって前進してくる。

 前列には弾除けのゴブリンが前面に出され、そのあとをホブゴブリンとゴブリンシャーマン、最後にゆっくりとチャンピオンがこちらに向かってくる。


 ゴブリンが逆ハの字の真ん中を過ぎたあたりで、俺の隣に立つヴァルトラの口角が少し上がった。


 前衛のゴブリンが通過した後にホブゴブリンが真ん中差し掛かった時に、それは起こった。

 ホブゴブリン達もそれなりに知能があるようで、トラップを警戒してゴブリンを先に歩かせて、ゴブリンが通過した場所を通るようにしている。


 ゴブリンが通過した安全な地面を歩いていたホブゴブリンの足元で、バッキっと、何かが折れる音がした。


 同時に逆ハの字の頂点に近い部分位から狭まったハの字の内側に向かって高速の鉄球が無数放たれる。


【M18クレイモア】指向性地雷の一種であるこの地雷を侵攻ルートを狭めて、敵が集中する場所に向けてヴァルトラは設置していた。

【M18クレイモア】の攻撃範囲は有効加害範囲約50m加害範囲は60度である。最大加害範囲は250mに達する。それがゴブリンの集団に向けて放たれた。


 敵の戦力を集中させ、集まったところに殺傷性の高い【M18クレイモア】を設置した。

 ヴァルトラの際めて殺意の高い必殺のトラップである。極めて


 事前にゴブリンの死体を確認し、ゴブリンの体重では折れない耐荷重の木製のスイッチをワイヤートラップと組み合わせて設置、敵主力のホブゴブリンをゴブリン共々殺戮するためのデストラップだ。

 侵攻ルートを絞り込む炎のトラップと併せて、ヴァルトラはゴブリンをトラップによって確殺しに来ていた。


 そしてこの表情である。

 普段おっとり美人のゆるふわお姉さんだが、自身の渾身のトラップが決まった瞬間のうっとりとした笑みには、味方である俺ですらブルってしまう。


 ワルキューレのキャラクターはキャラメイク、装備、性格設定まで俺自身が設定している。

 ヴァルトラは、暴走気味のブリュンヒルデをサポートする指揮能力と分析力に優れたキャラだ。

 役割は工兵で、爆発物の取り扱いから、陣地敷設までオールラウンドにこなせるステータスと、知識、スキルを持たせた。

 この性格はあれか、趣味に【デストラップ研究】と記載したことが原因だったとしたら、キャラ個性を出すために様々な性格や設定をしたNPC達が、どんな性格になっているか想像して少しお腹が痛くなってきた。



【所持MP9】

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