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異世界サバイバルゲーマーはMODを駆使して生き残る  作者: 神崎由貴
第1章 ニューワールド
18/48

18.夜に向けてできる事

いつも拙い文書をお読みいただきありがとうございます。

今後ともよろしくお願いいたします。


 紅の風のメンバーが合流したので、今後の方針と行動について相談することとなった。


 まず、兵士5人は2名がクロスボウを使用しゴブリンを射撃、2名が巻き上げを担当し、最後の1名が周囲の警戒と、近接装備にて不測の事態に備える。


 紅の風のメンバーは、マリーダを中心に弓やクロスボウ等の遠距離で対応。兵士と同じように、ルクスさんが周囲の警戒と、接敵されたときには近接戦闘を行えるように待機する。


 俺と、ヴァルトラは各チームのフォローを行いながら、キル数を稼いで、紅の風のメンバーのパワーレべリングを行なう。


 作戦としては、至ってシンプル、この人数では森に入ってゴブリンを狩りつくす事は出来ないので、防御拠点に籠って敵の戦力を削る作戦だ。



 ゴブリンが森の中へ退いているうちに、防護柵と防衛拠点の耐久値のチェックと修復、ゴブリンの死体の回収、ヴァルトラによるトラップの設置と、夜に向けての明かりの確保を実施した。


 死体の回収は俺が拠点から降りて素早く行った。ゲームと同じようにストレージに回収する要領で、手をかざすとストレージに回収されるので、素早く北門付近の死体は素早く処理できた。

 ゴブリンの攻撃によって破損した部分は石材ブロックや、木材ブロックによって補修を行った。


 パーティー登録については、マリーダから説明してもらい、俺自身が

 タクティカルボードから登録する。


 紅の風のメンバーのステータスを見て何点か気が付いたことがある。


 1つは、各メンバーのスキルポイントが、使い切られていない点だ。

 マリーダに確認したところ、この世界では、スキルポイントという概念がなく、訓練や、戦闘の中で自然に技術を身に着けていく。受動的なスキルの取得方法が一般的なようだ。


 つまり、訓練や戦闘の中で無意識にスキルポイントを使用してスキルを取得しているのだ。


 だから、ステータスを見るとレベルの総取得スキルポイントに対して3分の1ほど未使用状態だった。


 兵士達とヴァルトラにゴブリンを警戒してもらっている間に、拠点から降りて紅のメンバーにそのことを説明し、せっかくなので、本人たちに確認を取って、マリーダは魔力関連と魔術、ルクスは筋力と体力と剣術、オリビアは敏捷と筋力と隠密、アーティアは魔力と器用さと弓術と各自の職種に応じた能力値とスキルを伸ばすことになった。


「これはすごいな、自分自身でも違いが判るほど、身体能力が向上している。人は本来の能力の何割かは使いこなせていないと言われていますが、なるほどアツシ殿はそれを引き出すことが出来るという事ですね。」


 自身の剣を素振りしながらルクスがその差を実感していた。


「一応、これはあまり公にしたくない内容なので、ここだけの話にとどめてください。大勢に大挙して能力値の解放を迫られても非常に困るので。」


「確かにものの数分で、こんなに強くなるなら誰もかれもがアツシ殿を訪ねるだろうな。せっかく強くしていただいたのだから、我々からは誰にも話さない事を誓おう。」

 ルクスさんは、納得したように了承してくれた。


 まあ、これから今晩中ゴブリンと戦い続けるのだから、もっと強くなってしまうし、恐らくその戦果を見れば、その結果として急速な成長を遂げたと納得してもらえるだろ。


 もう1つは、ルクスさんが装備している赤い鎧がドレスだという事だ。

 対物理に秀でたドレス【羅刹】の胴体部分をオーバーレイで深紅の鎧に形作っていることが分かったので、こちらも応急的に耐久値を補修しておく。


 レベルや、スキルポイントという概念がない理由として、ここの人達には、自分自身のステータスを確認する術がないのだ。

 俺達は、タクティカルボードで自分自身やパーティーメンバーのステータス画面を確認できるが、それが出来ない理由はドレスを使いこなしていないからである。


 ドレスには防御力/身体能力の向上効果以外にも、グレードによってのストレージ機能(収納数)や各種通信、視覚/聴覚のモード切替や、タクティカルボードの起動等の様々な機能が搭載されている。


 その機能が、長年の耐久値の摩耗により機能不全を起こしていたり、レベル不足による本来の使用方法と違った使い方(一部のみ装備)等により失われている。


 この国に存在するドレスはおそらくどれも同じ状態と推測されるので、この国が俺自身にとって、敵か味方かもわからず、上層部の考えやこのことに対する認知度も不明な現状では、俺自身の頭の中だけに留め置くことが今はいいだろう。


 紅の風のメンバーからは信頼を得ることは大切だが、軍事バランスや政治的な話になりそうな部分は、ひとますこの開拓村での事が片付いてから考えることにしよう。


「準備が整ったので、交代で休憩を取りながら、ゴブリン達が出てくるのを待ちましょう。出てきたらおそらく休む暇はないでしょうから、朝まで頑張りましょう。」


 ヴァルトラに警備を任せて、一人拠点を離れて、北門の監視小屋にあるトイレは向かった。


 ゲームにはなかった尿意を催したからだが、改めて自分自身に何が起きているのかわからなくなった。

 ドレスを解除してトイレを済ませながら、この国の健国王も俺と同じような体験をしたのだろうかと考えてしまう。


 マリーダの話では、当時から存命なのは宰相だけらしいので、いつか健国王が何を考え、どう生きたのか聞いてみたいと思ったが、まずは、この局面を無事に乗り切ってからだ。


 そう自分自身に言い聞かせて、北門の防御拠点に戻った。


【所持MP9】

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