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異世界サバイバルゲーマーはMODを駆使して生き残る  作者: 神崎由貴
第1章 ニューワールド
14/48

14.防御拠点構築

4月25日 傭兵MODの有効時間を変更


 どう攻めようか考えているとティアから通信が入った。


「アツシ、戦況を考えると、北、南の門を防御拠点として改築する必要がある思います。目視する限りの敵勢力からの遠距離攻撃は、弓による射撃のみと思われます。仮にマリーダさんのファイアブラスト程度の攻撃力なら、石壁程度の構造体で防ぐことが出来ると思います。」


 確かに現状は、破壊された門を、石のブロックで塞いだだけの状況だ。

 これをベースに門の上に防御用の拠点を整備して、安全にゴブリンを処理できれば、攻勢の準備を整えることが出来る。


「了解、門の高さや、周囲の柵の高さを考えると、石組のブロックをベースに高床式の防御拠点を構築して、高所よりの射撃による掃討が確実だな。南門の拠点化を完了したら、そちらに向かう。それまでそちらを頼む。」


 さて、マリーダに確認をして門の拠点化を進めよう。

 陣地防御において、爆発物等の心配がない限りは、高所に陣取った方が有利なのは間違いない。

 高所に陣取りながら、矢玉から身を隠すための拠点となると、サバイバルゲームの基本的な拠点ともいえる高床式の拠点が考えられる。

 足場は強度を考えると、石材をメインに組み上げる形だろう。外側からの攻撃を考えると身を隠せる高さの壁を等間隔に置いて、身を隠しながら迎撃するのが、数的に不利なこちらとしては妥当だろう。


「マリーダさん、門は塞ぎましたが、今後の防衛を考えて、ここに拠点を作ろうと思うんですが、勝手に作っちゃっていいですかね?材料はこちらで用意しますので、お気になさらずに。」


 マリーダは仲間と話していたが、慌ててこちらにやってきた。


「ここの防衛力が上がるのなら、問題ないと思います。アツシ殿は、先ほどの門を塞いだ時に使ったような、構造錬成まで出来るのですか?」


 少しやりすぎている様な気はするが、マリーダを助けると決めたからには、全力を尽くそう。了承も得られた事だし、防衛拠点を作ってしまおう。


 門を塞いだのと同じ要領で、レシピから石材ブロックを選択して、足場を門の上部まで組んで、木材ブロックで床を貼っていく。


 斜めに傾斜のついた石材の壁を門の外側に向けて配置することで、矢玉除けになるだろう。


 上に登るための階段も木材で組み立てていく。

 建築スキル(ビルド)によって、本来ならば数日はかかるこの作業が数分で完了する。


 一応、防御拠点が完成したので、マリーダに確認してもらう。

 ついでに、マリーダの仲間、たしか「紅の風」だったかな、一応自己紹介しておこう。

「マリーダ、防御拠点が完成したから、上がってきてくれ。ここからなら安全にゴブリンを各個撃破できると思うのだが、どうだろうか?仲間の弓使いさんにも確認をしてほしいのだが?」


 マリーダは仲間たちと共に、防御拠点の上に上がってきた。


「初めまして、マリーダから話は伺っている、【紅の風】のリーダー、ルクス=コーエンだ。こちらが斥候のオリビアと弓使いのアーティアだ。先ほどは危ないところをありがとう。助かりました。」


 真っ赤な鎧を着た長身の女性は握手を求めてきた。

 後ろには短髪のすらっとした女性と、エルフと思われる弓を手に持った女性が頭を下げた。


 ルクスと名乗った女性と握手を交わしながら、防御拠点を確認した。


「これなら、弓で上からゴブリンを射貫くのには最適ですね。兵士で弓を使える者も併せて全員で射ちましょう。すぐに弓を扱えるものを集めます。アーティアとりあえず、ここから狙撃を続けて下さい。弓と矢をすぐに集めてきます。オリビアあなたもクロスボウで、ゴブリンを倒してください。」


 ルクスがそういうと、兵士と猟師らしき人間が弓と矢の束を担いで上がってきた。おのおのが弓を準備して、2人ほどは周辺を警戒するようだ。村の自警団らしい人間も弓矢をもって集まってきた。

 こちらは大丈夫だろう。


「マリーダ、今度は北門にも同じような防御拠点を作るから、出来れば一緒に来てくれるか?」


 通訳の為にマリーダに同行してもらうことにした。


「一応ルクスも貴族の出身ですので、ニホウンゴは話せます。どちらかと言うと実技が得意な人なので、あまりうまく話せないかもしれませんが。」


 なるほど、ルクスも日本語が理解できるのね。最悪ティアと俺が北と南に分かれても、何とか意思疎通はできるよ言う事か。


 北門に到着したので、南門の拠点化を完了したことを伝えて、北門も同じように防御拠点化を行った。


 距離を取って戦えるようになったことで、少し余裕が生まれたので、キース隊長に防御拠点の防衛をお願いし、ティア、マリーダと共に今後について話し合った。


「北と南の門の防衛拠点化は完了しました。現在の敵の総数なら、十分持ちこたえられるでしょう。次は攻勢に出るために必要な準備にかかりましょう。まずは、戦力の増強と北南の両方をカバーできる監視塔の作成を勧めましょう。」


 戦力の増強といっても、北の砦からの応援は、おそらくあと2日はかかるだろう、この状況下で戦力の増強と言ってもどうしたものか。そんな事を考えているとティアがそんなことはお見通しといったどや顔で提案してきた。


「アツシ、傭兵MODによる救援要請を提案します。直接的な出打撃力が欲しいので、ワルキューレ隊から、第一部隊を招集いたしましょう。」


 ティアが言った傭兵MODとは、「WARS」におけるNPC部隊の召喚を可能とするMODである。あらかじめ設定しておいた傭兵部隊を即時召喚し、一時的に一緒に戦うことが出来るMODで、一回の召喚で1部隊最大4名まで召喚可能。召喚時間は8時間。ゲーム内通貨を消費することで召喚可能となる。自分でキャラメイクした傭兵も設定可能であり、隊長格はレベル100、部隊員はレベル80。俺は近代兵器を装備したワルキューレとドワーフ戦士団、エルフの魔法騎士団等を設定しているが、現状では、近代兵器による斉射が一番有効だと考えられるので、ティアの提案通りワルキューレへの緊急要請が一番現実的だろう。


 タクティカルボードを操作して、MODの追加を実施する。

【所持MP:10】 【傭兵MOD 取得MP3】


 傭兵MODを選択し、【取得しますか? はい/いいえ】で【はい】を選択

【所持MP7】

 傭兵MODが白抜きされて、招集可能な傭兵が部隊ごとに表示される。

 その中から、ワルキューレを選択し、第1攻撃部隊を選択する。装備はデフォルトのままで召喚を行う。


 見慣れたエフェクトのあと、あたりが閃光に包まれて、4人の人影が目の前に現れた。





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