03.異母兄妹
部屋の奥に引っ込んだ異母妹を見送った後ブラウンは隣で料理を給仕する執事に目をやった。
「お前はどう見る。」
「さすがブラン様の血を引かれたお方だと感心しました。」
「お前もか。他の父が関係した女が生んだ名家のドラ息子に比べて魔法の才能が飛びぬけている。私でもあの高級車の中で常時防御魔法を息切れもせずに展開するのは不可能だ。」
「あの方が女性でなければ思わず主を乗り換えたいくらいです。」
「おいおい。それほどか?」
「彼女が狙らわれていると分かってすぐ部下を護衛に就かせましたがことごとく見失いました。」
ブラウンがそれを聞いて食事の手を止めた。
「あいつらが巻かれたのか?」
「はい、行き先がわかっていなければ確実に見失っていたと報告が上がっています。それもどんな手段を講じたのか乗り物で15分もかかる距離を徒歩で制覇した模様です。それもその様子を誰も掴んでいません。先に花子様が通っております学校に先回りしているものがいなければ着いたことも確認出来なかったありさまです。帰りも同じような状態でした。」
「何かの魔法を使ったということか?」
「そうとしか考えられません。」
「うーん。私の異母妹はかなり優秀なもののようだな。他の父が戯れで作った者たちとは雲泥の差だ。明日あの異母妹がどういう行動をとるか楽しみだ。」
ブラウンの言葉に傍で給仕をしていたセバスも同意した。
仕えがいのある人物が増えそうな予感に滅多に感情を浮かべない表情に笑みを浮かべた。