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魔物の国の外交官  作者: TAM-TAM
第4章 栄光の王国の勇者御一行
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【番外編】魔物娘アンソロジー・6(九尾のモフモフ試練)

※恒例の番外編です。058話と059話の間にアルビオンとテネブラを頻繁に往復していた頃の話です。

 このシリーズは微エロ・変態成分多めでお送りしますのでご注意下さい。


▼大陸暦1015年、炎獅子(第7)の月中旬


 それは、灼熱の太陽が猛威を振るう真夏日のこと。


「――こちらがクリストフ宰相からの書簡です。ご確認をお願いします」

「……はぁい。後で読んどくわぁ」


 テネブラ外務省、省長室にて。セレスティナが差し出したアルビオン王国からのお届け物をサツキ省長がけだるげに受け取った。

 今日のサツキ省長は浴衣によく似た木綿の衣装をしどけなく着崩した風通しの良さそうな格好で、9本の立派な尻尾をやる気なさげにへにょへにょと揺らしている。


「……それにしても、このクソ暑い中を毎日のように行ったり来たりして、ほんと元気よね。おかげでティナが帰って来る度にあたしは仕事が増えてもう過労死しそうよ。ああー、働かずに給料貰えたゆとりある日々を返せって言いたいわ……」

「それは、むしろ税金返せと言いたいですね。納税者として」


 上質の執務机にぽよんと突っ伏して愚痴をこぼすサツキに、セレスティナが溜息混じりに返す。

 そんな中、サツキがもそもそと動く都度、柔らかそうな胸元や太ももの肌色が露出して目の毒だ。


「あの、ところでサツキ省長、その、見えそうなのですが良いのですか? ええと、下着とか……」


 何かの弾みにこぼれ落ちそうな豊かな胸にチラチラと視線を彷徨わせつつ、控えめに問うセレスティナ。見せてくれるなら紳士らしく全裸靴下正座で拝観するのも吝かではないが、本人が気付いていないなら覗き見みたいな真似も気が引ける、そんなフェアプレー精神の発露である。


「ん? 下着見えると思った? でも残念、この格好の時はノーブラノーパンだから」


 事も無げにそう返すサツキにセレスティナは飲んでいた麦茶を噴き出しそうになった。


「――っ!? げほっ! ごほっ! ……の、のののの、ノーブラですか!? ななな、なんて素晴ら……いえ、けしからんですよっ!」

「だって、どうせ女しか居ない職場だし、それに尻尾が暑いのよー」


 言われて見れば、ただでさえボリュームのある狐の尻尾が9本だ。日々のブラッシングも完璧で極上の触り心地を誇っているが、冬場は良くても夏は辛いだろう。


「ティナも試してみる? この尻尾が夏場にどれだけ地獄を見せてくれるか。そうね、見事耐え切れたらちゃんとブラとパンツ着るわ。逆にもし耐え切れなければティナも今日1日をノーブラノーパンで過ごすこと」

「え? あの、ちょっと……それって、どっちに転んでも私に得が無……ふえっ!?」


 ぴこんと狐耳を立てて獲物を前にした捕食者の笑みを浮かべると、サツキ省長は立ち上がってセレスティナの手を引き、何故か当然のように省長室に置いてある天蓋付きのベッドへと転がす。


「ふにゃぅっ」


 そしてセレスティナの傍らに背を向けて座り込み、9本の尻尾をモフっと被せて埋めた。

 薄布越しにわかる形の良いお尻に思わずドキリとしたのも束の間、天気の良い日に干したお布団に包まれたかのように太陽の匂いと熱が身体を覆う。


「確かにこれは、真夏に毛布を羽織るようなものですね。この季節は辛そうです……」


 じっとりと汗が浮き出るのを感じながらセレスティナが評論した。

 ただ耐えられない暑さではないので彼女の表情にはまだ余裕が見える。これまで数多の激闘を潜り抜けてきた熟練の魔術師ゆえ、灼熱の炎も凍てつく冷気も克服済みということだ。


「結構頑張るのね。でもこれならどう?」


 そう言うや、サツキが自慢の尻尾に魔力を行き巡らせる。すると、9本の尻尾がゆらめく炎のようにゆっくりと往復運動を開始した。


「――ふ、ふゃっ!? あ、あのっ、くすぐったいっ! ふひゃっ!?」


 さわさわと優しいリズムでセレスティナの身体をなぞるように撫でていく九尾にセレスティナが抗議の声を上げるが、どこ吹く風といった風情でサツキの尻尾は、それぞれが独自の意志を持つ魔獣であるかのように、横たわったセレスティナの薄い胸やお腹、無防備な脇腹、夏服で肌が露出した腕や脚を順にくすぐっていく。


「くすっ。ティナは痛みや熱さ寒さには強いけどくすぐりには弱いのね」

「ひゃっ! そ、そんなことっ! ふぁっ! ないですっ! ふひゃあっ!?」


 セレスティナの笑い声とも悲鳴ともつかない怪音波が省長室に響く中、もはや当初の趣旨が迷子になってセレスティナの弱点探しに熱中しだしたサツキが尻尾を器用に動かして今度は彼女をうつ伏せに転がした。

 そしてそのまま尻尾の先が、柔らかいベッドの上でじたばたともがくセレスティナのすらりとした脚やお尻を経由し背中にまで北上した時の事。


「――あのっ! ちょっ! そろそろ! っふあああああああああああああっ!?」


 セレスティナの声が一際大きく、高く、そして甘くなるのを耳に受け、サツキ省長がにいっと笑みを深めた。


「……ふうん? ティナって、ひょっとして、背中が、弱いの、かしら~?」

「そそそ、そんなことないですっ! 全然平気ですっ! ひゃんっ!?」

「あらそう。じゃあいくら攻めても問題ないわよね」


 逃げようとする彼女の両手両足を4本の尻尾で押さえつけて、残る5本の戦力で背中へと集中攻撃を行う。

 背骨に沿って尻尾の先をゆっくりと上下させたり、脇腹や腋の下をこしょこしょと撫でたり、肩甲骨の辺りを円を描くようにくすぐったり、首筋や肩を軽くなぞったり、やりたい放題だ。


「ひゃあっ! ふああっ! だ、だめっ! ひゃふっ! もう、これ以上はっ!!」


 言うなればモフモフした触手プレイという、天国と地獄が半々に混ざり合った魅惑で迷惑な空間から逃れようと、セレスティナは必死に手を前に伸ばして這い出して――


「ふぎゃっ!」


 その結果、顔面から床へと落下した。


「ふっふふふ、やっぱり耐えられなかったわね。それじゃあ、敗者への楽しいペナルティといきましょうか」

「あ、あの、今のは暑さに耐えるって趣旨とは全く関係無いですからノーゲームじゃないんですかっ?」

「ふっ、言い訳は聞かないわ」


 転げ落ちた勢いで盛大に捲れ上がったドレスもそのままに痛む鼻を押さえながら怯えた目でサツキを見上げるセレスティナだったが、迫り来る彼女に抵抗できる程の体力はもう一滴たりとも残っていなかった……





 その日、外務省の館内で書類提出の為にあちこち行き来したセレスティナであるが、目撃者の話では「何故だか今日はお淑やかで恥じらいを感じる雰囲気だった」と噂されていたと言う。


「うわあ! 顔を紅くして膝を閉じてぎこちなく歩くティナの雰囲気がまるで新婚初夜明けで足腰立たない新妻さんみたいでそそるね! けきゃー! たまらん!」

「な、何ですかその生々しい例えはっ!?」



活動報告にこれまで寄せられました「Q&A集4」を纏めました。

http://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/590758/blogkey/1575324/


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