表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/8

ゆうれい船とオオトカゲ1

0番格納庫の一角に停泊する船「心獣丸しんじゅうまる」の一室でムギムギパッチンは体を脱ぎ捨て幽体に船長服を着せていた。インコのジャムスキンは、空中をパタパタと飛んでいる。

この服は、幽体のみが着ることのできるマトー石を編み込んだ品であり、幽体離脱者達にとっては必需品だ。幽体離脱者には個人差はあるものの離脱できる時間が限られている、長期間離れた幽体は最寄りの実体に宿る習性があるからだ。ジャムスキンが普段インコに宿っているのはそのためである。もちろんジャムスキン自身の体も存在するが、ムギムギパッチンの体を借りる者達は全て実体の時はそれぞれの生活を営んでいた。

部屋の窓から美しくも苛立ちの混じる声がした。

「いったいいつまで待たせるのよ。早く探しに行きたいの」

依頼人の少女セティだ。

彼女は船の外で待っていた。

この船にはある事情で操縦室を兼ねた部屋一つしかないのだ。

宙を舞うインコが脱ぎ捨てられた体の頭上に着地した。

「カノジョモ、ツレテイクノカ」

「もちろん連れてくよ。蒼竜の姿も分からないし。会社こっちのことは任せたよジャムスキンくん」

「ワタシガヤッテンダロ、キレイナキシャダカラッテ、シュザイニダケカオダシヤガッテ」

ムギムギパッチンは船長服にマントを掛けると高さのある帽子を被りジャムスキンの方を向いた。

「似合う」

「イツモノ、オマエダ」

「じゃサクッと解決してセティとデートと決め込もう。奴を呼ぶぞ」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ