第3話 どうして俺の妹はこんなにも可笑しいのだろうか? モード無羞恥陽華登場の巻
お久しぶりです。天条光です!
そして長らくお待たせして申し訳ありませんでした。
時間が大変掛かってしまいましたが、こうして投稿することが出来ました。
それでは、相も変わらずマイペースな物語をおたのしみください。なんか矛盾してる?
朝食の食器を流しに置き、テーブルの上をふきんで吹き終わった後、俺は自分の部屋に戻り、学校に行くための最終確認を始めていた。もちろん、あらかたの準備は昨日、陽華が「明日の朝にやる? 駄目絶対だよ!」とうるさく言ってきたので済ませてあるのだが、まさか初日から忘れ物をするわけにもいかない。だから、念のための最終確認である
。
それを終えたのち、俺はクローゼットを開けて碧音高校の制服を取り出した。ほこりが付かないようにと被せてあるビニールを剥がしてから、しわにならないように慎重に羽織った。碧音高校の制服は紺色を基調としたもので、胸の首元から腰の辺りまで赤い線が2本走っているのが特徴的な部分であるが、その特徴も目立つような明るい赤ならともかく、どこか薄暗い感じの黒赤といったようなものだから、よく注意深く見ていないと気づかないレベルである。左胸には碧音高校の校章が付いており、今日から高校生になるのだな、という実感を俺に与えてくれる。まぁ、高校生になっても俺はいわゆる高校生デビューなんてするつもりはこれっぽちもない。俺が望むのは平穏無事な高校生活であり、なんの変哲もない日常の連続である。
「よし、行くか! ……あぁ、やっぱりめんどくせぇ……」
気合いを入れようと、意気込んでみたのだが、その程度でどうになるものでもなかった。
正直なところ、俺は高校なんて自分からわざわざ勉強という名の強制労働を強いる職場に行きたくないのである。が、陽華がそれを許してくれないし、両親も「うちの子はニートになるのか……自宅警備員か……親不孝だ」やらとグチグチ言ってくるのに耐えるのが辛いし、めんどくさいし、ウザったい。なので、そういう口を黙らせるために手っ取り早いと判断して行くという妥協案を選んだだけだ。個人的には、働きたくないでござる、勉強したくないでござるなのだが。
そんな風に心の中で本音を垂れ流してから、俺は机の上に置いてあるこれまた新品の高校指定のバック(中には教科書が入っている)を気だるそうに持って、部屋を出てた。
「はぁ……行ってきます……」
部屋に入るための唯一の手段であるドアが徐々に閉まっていく様子を見つめていると、どこか捨てられる子犬の気分のようになり、思わずちょっと寂しさの滲んだ声になってしまった。おい、どんだけ部屋が好きなんだよ、俺は。引きこもりかよ、自宅警備員就職まっしぐらじゃねぇか!
俺は早くも両親の不安が悪い意味で実現してしまう予感じみたものをひしひしと感じた。
部屋から周れ右して、階段をゆっくりとナマケモノ並みの速度で降りて、一階の廊下に着いた時。ちょっとのどが渇いたと感じた俺は嫌な予感というか、もう必然と待ち受けている未来をありありと感じながらも、リビングのドアを開いて中に入っていく。
「あっ、お兄ちゃん。どうしたの?」
あれ? 案外普通の対応だな。
「い、いや、その、なんだ。学校行く前にのどを潤してから行こうかなと思ってさ」
あまりに予想外過ぎてキョドちまったよ。
「なるほどね。じゃあ、私が飲み物入れてあげるよ。何がいい?」
「あぁ……いや、自分で入れるからいい。陽華は自分の準備をしろよ」
「それなら心配ご無用だよ、お兄ちゃん。私はお兄ちゃんと違ってしっかり者だから、もう準備は昨日の内にすべて終わらせたから」
なんか今軽くニッコリスマイルでディスられた気がするんだけど、気のせいだよね?
それはさておき、これはどういうことなんだろうか。これだけ、俺がコンビニで万引きしようとしている人間ごとく挙動不審になっているのに陽華は何も言ってこないのは。目ざといというか、妹スキル(お兄ちゃんの行動は全てお見通しだよ?)を所有している陽華はこれだけ落ち着きを欠いた俺を見たら、気づくのが当たり前のはずなのだ。なにかあるのではないか、と。
しかし、目の前で椅子に腰かけながらこちらを見ている妹が気づいているような様子は皆無。だって、これでもかというぐらいのドヤ顔なんだもの。……あぁ、やっぱり気のせいの気がしなくなってきたぞ?
そんな俺の胸中の不審を知ってか知らずか、陽華は「というわけだから、飲み物は私が入れるよ」と一方的に決めると、席を立って台所に設置してる冷蔵庫に歩を進めていく。俺はそんな姿を呆然と見ていたのだが、このまま立っているのも馬鹿らしいと感じたので、陽華の座っていた対面に腰かけた。
それから一、二分待っていると、陽華がお盆にお茶を入れたコップを持って戻ってきた。
「はい。お茶で良いよね?」
「あぁ、別に構わないよ」
まぁ、欲を言えばコーヒーが良かったのだが、入れてもらっておいて文句を言うのは何様だといものだろう。それにオーダーを出さなかったのは俺だし。
陽華からお茶を受け取り、少し口に含んでから、ごくりと飲む。
「たまにはお茶も良いもんだな。落ち着く」
「でしょ、でしょ! やっぱりお兄ちゃんは分かる人だと思ってたよ、うん、うん」
陽華がなぜか満足げにしきりにうなずいていた。
「なんでお前そんなに偉そうなの? いや、確かに緑茶最高だけどさ」
俺がお茶が好きであることがなぜそこまでうれしいのか謎だったので、そう尋ねた。
陽華は「それはね」と一度前置き的な言葉を挟んでから、これまた嬉々とした口調で喋りはじめる。
「いや~お兄ちゃんもあんな黒い石油みたいな飲み物よりも緑茶の方を好んでくれているんだなと思ったら、うれしくて」
クエスチョンマークが乱立する俺。
「黒い石油みたいな飲み物?」
陽華の口から飛び出してきた謎の単語が分からなくて、俺は首を傾げた。
黒い石油みたいな飲み物。真っ先に思いつくのは某有名飲料メーカーの主格的商品であるコーラーである。見てもらえば分かるが、ていうか知らないヤツはいないと思うが、液体の色は真っ黒だ。超健康に悪そうだ。てか、悪いのだが、確かに陽華の言うところの黒い石油みたいな飲み物の特徴と合致するし、何より陽華の性格からしても無くはない線だとは思うが……違う。健康に悪いけど。
なぜなら、時間的にそんなものはそもそもの話として飲ませてくれないのだ。まぁ、俺としても朝からコーラーなんてヘビーな当分大量摂取は御免こうむるが。朝はやっぱり、コ……うぉん? 朝はやっぱりコーヒーに決まってる……コーヒーに決まってる。おっと、これは答えが出ちゃいましたね。
俺がその答えに行きついたと同時に、陽華はなんの気負いもなくさらりと答えを言ってしまう。
「コーヒーだよ、コーヒー。あんな苦くて黒い飲み物は石油と同じだよ。あんなものを飲む人の気持ちが分からないよ、うん」
「ほほう……」
今の発言で全世界のコーヒー愛好家、コーヒーメーカー、コーヒー豆の農家の皆様を敵に回したよ? もちろん、俺のことも。
だが、なにも俺はコーヒーが嫌いだということに対して怒るつもりはない。人間は好き嫌いがあってしかるべきだからだ。
しかし、それは一度でも味を知った上で判断されたものであるという前提があることに限る。何も知らないで、何もわからないのに、それで分かり切ったような表情でコーヒーをディスられるのは我慢ならないのである。そう、今の陽華のように。
「お、お兄ちゃん? なんか怒ってない?」
俺の様子が切り替わったことに本能的に気づいたらしい陽華は、おそるおそるといった感じで声を掛けてくる。声に隠し切れない怯えが混じっているが、そんなことは今の俺の感情を抑え込むことにはならない。
「怒ってるに決まってんだろうが! あのな、別に陽華がコーヒー嫌いなことに対して文句はないし、コーヒーを好きになれって強要するつもりもない。けどな、そんな風にコーヒーを適当な感じでバカにするのはやめろ」
「でも、あの飲み物なら……」
陽華がなにやら言い掛けていたが、感情が爆発していた俺はそれを遮ってぶちまけた。
「でも、じゃねぇよ。飲んだこともない陽華にコーヒーの何が分かるんだ? あの口に含んだ瞬間に広がる芳醇な味、そして鼻から突き抜けてくる香り。なんと言ってもコーヒーの魅力というか、美味しいところは苦味なんだよ。あの苦味が舌を伝って感じる瞬間、ふわりとした感覚に襲われて、なんだか疲労感がなくなったように感じるし、落ち着いた気分にもなれるんだ! それだけがコーヒーの魅力とは言わないけどな」
と、俺がコーヒーの魅力に対して持論を語っていると、陽華の顔がみるみる内に困惑に染まっていく。まるで、なにか勘違いしているのではないかという風に。あれ、これって困惑ではなくて哀れみじゃないか?
そして遂に見ていられないという決意に満ちた目で立ち上がると、陽華は言いにくそうに口を開いた。
「あ、あのね、お兄ちゃん? 落ち着いて聞いてね」
「お、おう、なんだよ。反論があるなら言ってみろ」
「その、ね、わたし、ね」
「うん」
「コーヒーを、コーヒーを、ね」
「まて、言わなくていいぞ、妹よ。それ以上言われたら、お兄ちゃん自殺する自身があるから」
危険信号がひっきりなしに心の中で鳴り響いた。まるで、敵船に後ろを取られた船のように。
もうここまで言われれば、さすがの俺でも陽華の言いたいことは分かってしまう。ていうか、ここまで言われて気づかないような筋金入りの鈍感人間だったら死んだほうがいい気がする。
そう、このお叱りの議題は根本から間違っていたのである。なぜなら、前提が完全に覆されていたのだから。
そのことに気づいた俺は自らの心の崩壊を避けるために陽華の言葉の続きを止めようとしたわけだが、時すでに遅し。
処刑時間である。
「わたし、わたしっ!……コーヒー飲んだことあるの!」
「ひでふ!?」
妹のカミングアウト攻撃に俺のライフはゼロどころか、ライフゲージが破裂してしまった。オーバーキルである。
そんな衝撃を受けた俺の身体はピクピクとけいれんを起こしてしまっていたが、なんとか意識だけは繋ぎとめていた。
そんなみっともない醜態をさらしている俺を見ないようにして、陽華は言葉をつづける。
「前にね、お父さんと喫茶店に行った時に少し貰ったの……コーラーだと思って。でも、なんだかコーラーにしては温かいし、匂いも今までに嗅いだことない感じだったからおかしいとは思ったんだけどね。それでも、ちょっと飲んでみたら、苦くて」
「な、なるほどね……コーラーと勘違いしたと……」
いやいや、それはいくらなんでもアホすぎるだろう、妹よ。苦いコーラーなんてあるわけなかろう。それはもう、コーラーの前提条件を全て否定いるんだが、炭酸抜けた後のコーラーを思い出せば分かることだろうに。
内心ではそう思ったが、間違えた側なので口にチャックをしておとなしく聞き入る。
「で、私驚いちゃってね。これ、なに? ってお父さんに聞いたら、コーヒーだよって言われたから、それからコーヒーと聞いたら条件反射みたいに拒絶反応が出ちゃって……」
「つまり、苦いという味覚をいきなり感じてしまったから苦手になったということか?」
「うん……」
なんとも子供らしい答えであろうか。まぁ、陽華はまだ中学二年生。年齢的には子供と呼んでも差支えない。
「そうか。それを知らなかったとは言え、理不尽に怒ったりしてごめんな。いや、本当にすまん」
そう言って、頭を下げる。
間違えたことをした以上、謝ることは当然のことであり、それが理不尽で身に覚えのないことで怒ってしまったのならば、頭を下げるのが道理である。そこに年齢的なものは関係ないのだ。ただひたすらに非礼を詫びるのである、プライドをかなぐり捨てて。
元よりプライドなんか気にしてもいない俺は陽華に頭を下げることに対して申し訳なさ以外何も感じていないが。
「気にしないでいいよ、お兄ちゃん。私もコーヒー好きの人の気持ちを考えないで軽い気持ちで言ったのも悪いんだから。お互い様だよ、お互い様」
そう言う陽華の表情はまるで満開の花のような笑み。キラキラしている。
「あ、ありがとうな……」
俺も頭を上げて返すように、笑顔。しかし、歪な笑顔である。笑顔に慣れていないというのもあるのだが、それ以上に俺の笑顔を引きつらせる原因がある。
その原因というのは、妹が何やら知らぬ間に取り出して、両手で握っている紙。そしてそこに書かれている文字。お兄ちゃんの一日の予定。その横には、一本のボールペンが置いてあり、どうやらその二点を利用してなにやら行うつもりらしいのだが……。
なんだそれは、妹よ?
「じゃあ、気分を切り替えて毎朝の日課を始めようか、お兄ちゃん」
「ッ!?」
日課、という言葉に嫌な予感を覚えた俺は、必死の拒絶を示す。
「断る。断固拒否する」
「問答無用だよ、お兄ちゃん。」
「は、話せば分かる!」
「問題無用! 大人しく受け取りなさい、お兄ちゃん! はい、これ」
俺の抵抗も陽華の勢いを殺すには至らなかったらしく、こちらに差し出された紙を素直に受け取ることになってしまった。受け取った時点で、もうこの争いの勝者は陽華であり、それに付随するように会話の主導権もあちらに渡る。
敗者たる俺は僅かばかりの苛立ちを声に滲ませて聞いた。
「で、これはなんだ」
まぁ、お兄ちゃんの一日の予定をまとめるための紙なんだろうが。
案の定、陽華は俺の予想通りの答えを口にする。
「タイトルそのままの意味だよ。高校初日という慣れない日を過ごすとなると、いつもとは違う危険があるかも知れないでしょ?」
「まぁ、確かにな」
人間関係とか、知れない道で鉢合わせになるヤンキーの軍団とか……端的に言えば、人間との接触である。
「だから、全てのお兄ちゃんの行動を把握する必要があるの。どこで何をしているとか、何時になにしているとか」
「おい、それってストーカーじゃないか! さすがにそこまでやられると気持ち悪いんだが」
いや、一歩間違えれば犯罪者ですよ、陽華さん?
しかし、この状態になった妹にはいかなる羞恥も忠告も意味をなさない。
「そこは妹が心配してるでカバー出来るよ」
「できねぇよ! そこまでする妹がそもそもいねぇよ」
これだよ。俺がリビングに入る前に感じてた嫌な予感の正体は。
通称、朝のミーティング。
開催日、毎朝。開催場所、暗雲家リビング。
そこで毎回行われるのは一日の俺の予定をすべて取り決めることである。目的としては、陽華が俺の行動を管理することであり、一方で俺は決定予定表に従って行動することが義務というか、強要されている。なにこれ、怖いんだけど。てか、俺の人権が完全に無視されてるんだが。
そして今回の場合は高校初日ということもあり、いつにも増してねんみつな計画が練られることになり、必然的に俺にとって、めんどくさいことになることは想像するまでもないだろう。だから、リビング入りたくなかったんだよ。そう分かっていたのになぜ入ったのだ、俺……。
しかし、こうなってしまった以上は仕方がない。なら、どうすれば早く終わらせられるかということに意識集中させる方が頭の良い選択であろう。
そうして考えていると名案とまではいかないが、なかなかの良案が浮かんできたので、俺はそれを採用。
嘆息してから、さっそく実践する。言葉を一気にまくし立てるように矢継ぎ早に繰り出した。
「まずはそうだな。八時半までには高校到着して。それから、十分後に朝のホームルームが始まるだろ。で、それから一時間は始業式で潰れて。その後は、十二時まで新入生テスト。軽く休憩を挟んで、昼休みだろう。で、四時前まで授業をこなして、帰ってくる。……ってことで行ってくるから」
さすがに途中で息切れになりそうになったが、なんとか堪えて言い切った。これぞ、俺が考え出した。一気に言って、後から決めていこう作戦である。
これなら、逐一確認を取るという手間を省略でき、細やかな場所は陽華が聞いてくるので俺はそれに答えるだけでいいという、俺の負担を減らすことに繋がるという一石二鳥の作戦である。
その作戦は成功したようで、陽華は目を丸くしていたが、ハッ!としてから、
「ちょっと待ってね。メモメモ……メモメモっと」
陽華は目にも止まらぬ速さで筆を走らせて、ばしばし白紙になっていた部分を埋めていく。その筆のスピードは神速と言っても過言じゃないぐらいである。
しかし、ふとペンが止まった。不審に思って、少し前屈みになって謎の紙を覗いてみると、俺の視界にあってはならない欄が空欄で残っているのが光景が写し出される。それを見た瞬間の俺は戦慄、恐怖、畏怖と妹の将来を心配案ずる兄としての感情の濁流に呑み込まれた。
……こんなことまで把握するつもりなのか……これじゃ、まるで……。
「ねぇ、お兄ちゃん。一つ聞きたいことがあるんだけど……いい?」
「良くないです。絶対に良くないですよ!?」
それだけは何があっても答えるわけにはというか、言わせるわけにはいかない。それぐらい危険な単語が陽華の握っている紙には書かれていた。正直、血の繋がっていない妹なら可及的速やかに縁を切っているレベルである。それぐらいヤバい、半端ない。
そんな俺の気遣いを踏み倒すように陽華は禁断の単語を発する。
「トイレはいつ行くの? 教えて」
母さん、父さん……あなたの娘は大変ですよ!
「そんなの分かるわけがないだろうが! てか、そういうことを聞くんじゃありません!」
割と真面目な態度でそう叱ったのだが、陽華は俺の怒りが理解できないという風にしれっと言い放つ。
「何を恥ずかしがってるの? トイレなんて私もするんだから」
そうだけど、いやそうなんだけど……そうじゃないでしょ!?
「お、お願いだから、それ以上は何も言うんじゃない。俺の中での陽華のイメージがどんどん荒んでいくから、ただの痴女にしか見えなくなってしまう」
俺はそう言って、頭を下げた。
本日二回目である。しかし、一回目の方と二回目の間には天よりも高く、海よりも深いとてもとても大きな差が存在する。それは二回目に関しては完全に俺には非がないこと。
いや、もちろん例の事故に於いて植え付けてしまったことを加味すれば、少なからずの責任としての非は生じてくるだろうが。それも、間接的に関係しているのであって、直接的な影響は少ないだろう。まぁ、もし仮に影響を強く受けていたなら、もう土下座でもなんでもしてやる。妹を痴女にしてしまって申し訳ありませんってな……これ、恥辱ってレベルじゃねぇな。
そんなことが来ないことを切に願いながら、俺は頭を下げ続ける。
しばらくして、妹は真顔でこう言った。
「で、いつになったらトイレの時間教えてくれるの?」
「……」
……誠に妹がこんな痴女になってしまい申し訳ありませんでした。
読んで頂きありがとうございました。
今回もまたあまり話が進んでませんね……いや、これは本来のスピードなんですよ。
次回からはめっちゃくちゃ話が進んでいくようになると予定しております……はい、あくまでも予定ですよ? この言葉の意味を察して頂けると助かります……。
では、またお会いしましょう!