就任(中編)
要の疑問に、紗弓もそういえばと疑問を抱く。
「そうですね、部活動長は生徒会役員ではありませんから、ちょっと分かりにくいですよね」
次いで蕾と一騎も首をかしげる。
「会計のボクから言わせれば、全ての部活の部費は、生徒会で予算組んでるから、部活動長は管轄外だよね」
「そやな。部費は生徒会、トラブル起きたら風紀委員。したら部活動長の出番って、ほんまにあらへんなぁ」
「貴様ら、揃いも揃って……」
不甲斐ない彼らに、昴が溜め息を漏らすと、彼らにも聞かすように説明する。
「いいか? 生徒会はあくまでも学園の運営だ。全てを管理していると言っても過言ではない。費用管理、陳情、データ管理、その他諸々を含めて生徒会の仕事だ」
そう言って、一先ず席を立った昴が、先程、誠に買いに行かせた缶珈琲を冷蔵庫から出す。
そしてプルタブを開け、一口飲むと、再び話を続ける。
「次に風紀委員会。委員会に所属しているが。他委員会と違って、トラブル等があれば、仲裁に入る事が出来る。それ以外にも、持ち物検査などもそうだな」
ただしと、椅子に座り直した昴が、足を組みながら告げる。
「部活動の仲裁はするが、処分や処罰を下す事は出来ない。風紀委員に、そこまでの権限はないからな」
そこまで言って、珈琲を飲んだ昴が、要に話を振る。
「要。部活動勧誘の時、風紀委員から要請があったのを覚えているか? 」
「ああ、まぁな。なんか適任だと言われたな」
「あの、その事なんですが、要先輩」
ふと紗弓か口を開き、会話に割って入る。
「実はその頃から、風紀委員から生徒会に打診があって、要先輩を推薦すると言う話が上がっていたんです」
その紗弓の話に頷いた昴が、とにかくと、改めて部活動長について語る。
「部活動のトラブルは最終処分は部活動長にある。部活動以外のトラブルは別にしてな。他にも、各クラブの相談や部長からの報告、連絡だな」
要はまたもや腕を組み、考え込む。
つまり、纏めるとこうだ。
生徒会は学園運営が主な仕事。
風紀委員は仲裁や検査などの管理が仕事。
そして、部活動長は各クラブの部長などの報告、連絡、相談を請け負い、部活動トラブルの処分や処罰を下すのが仕事。
基本、各部活の部長がいるわけだし、要が就任したとしても、剣術部の部長として、剣術部を見ていけるので支障はないだろう。
「分かった」
覚悟を決めた要が口を開くと、真っ直ぐに昴を見据えて告げた。
「1度、部活勧誘会の時に任されている身だ。オレしかいないと言うならば、受けるしないな」
「そうか、助かる。お前ならば、適切な処分、処罰を下してくれると、信頼しているよ」
要が部活動長に就任した瞬間である。
少しだけ、昴の肩の荷が降りた気もした。




