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ラビリンス

さて、イライラ未だ治まらず。


見たいものなんか無いけれど、気分転換に町を散策する事にした。


町に流れる小さな川に、ザリガニがいたので、それをひたすら眺めていたら、こないだ見た露天商のオッサンが商品を背負って歩いて行った。



首から谷間に隠した金袋には一円玉位の小さめの銀貨五枚、現代換算で五千円程度ほどある。

しばらくしたら市場に行ってみようと考えながら視線を川に戻す。


―共食いしてるザリガニを見つけてしまった。


そうだね。ザリガニなんて共食いしてるんだから女買ってきたくらいなんて事無い。


帰ったら二人の体験談を是非紙に書いてもらおうと心に決める。


ナニがないんだからオレが怒るのはお門違いと言うものだ。

後学の為に調書を取るくらいなら二人も協力してくれるさ。


紙とペンも買って帰ろう。



市場を歩くと人がたくさん居て前が見えん。

ヒョコヒョコ背伸びをしながら歩きあのローブがハンガーにかけられヒラヒラ揺れている露天商を発見した。


露天商が言うには、魔物素材から作られているのは確かなんだそうだが材質不明で何年も売れないから捨て値で売り始め、もう不良在庫としていい加減捨てようか考えているそうだ。


―即購入


人が死ぬとかみたいないわく付きでないならなんでもいいや。

冒険者っぽい装備ゲット♪


オマケで小盾や篭手に使われる魔物卵のカラも頂いた。

小さな穴がいくつも空いてるから防具としては使えそうだけどなんかに使えないだろうか。


考え事をしながら歩いていたら見たこともない路地裏を一人歩いていた。


どこをどう歩いたか記憶にないが歩いて来たらしき道を戻る事にした。


行き着いた先は行き止まりだった。




歩いてきた道を戻ってみたら行き止まりとか意味がわからない。


耳をすましてみても市場の喧騒が聞こえない。


どうやらオレは道に迷ったようである。


しかも日が暮れて来たようで辺りが薄暗くなってきた。


現代社会みたいな街灯は此方にはないし、住宅は木製の雨戸がで締め切られ明かりが洩れる可能性も低い。


そもそも住宅はあれど閑散としていて人の声どころか物音一つ聞こえない。


明かりを発するようなはおろかマッチ一本持ち合わせていない事を踏まえると、このまま真っ暗くなったら身動きすら取れなくなりそうだ。


しかも、やたらと雲が増えてきたんですがどうしたらいいでしょうか?


街中で遭難死とか間抜け過ぎてシャレにならない。


出口が見つからないまま小雨が降り始めたので軒先に避難してそこでローブを羽織る。


その間に一気に雨足が強くなり完全に真っ暗になり身動きが取れなくなる。


街中であるはずなのにこの地域だけ人気が全くない。


歩いた道沿いにあった建物も古そうな物が多かったが何故人っ子一人いないのだ。


入口のドアに手をかけるも裏側から打ちつけられているのかピクリとも動かない。

パキッと軽い音を立てて鉄製の取っ手がもげた。

触るとサビが浮いているらしくざらザラしていていた。


暗くては確認出来ないが、多分今オレの手の平は真っ茶色になってるんじゃないだろうか。


幸い此処は雨の影響を受けないようなので、諦めてドアを背に膝を抱えて座る。



今日一日を振り返ると、なにやら物悲しくなってきた。


―どうしてこうなったし


…誰か助けてくれませんか?

【現在工事中】

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