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海鮮はうまいけど

「移動どうすんの?」


「跳んでけばいいだろ?」


「徒歩かよ。」


気功師の使う技は仙術と呼ばれ、その奥義の中に軽気功と言う物がある。

体をタンポポの綿毛の様に軽くする気の運用法だ。

俺たちはそれを習得しているので流水や風に舞うように移動ができなくはない。

攻撃力は落ちるが避けたり移動するだけならこの技術は極上なので香港アクション映画のワイヤーアクション並みに飛んだりはねたりが可能なのだ。


結局の所自力で行くしかないと…。


でも、海に行っても出来ること少ないんだよね。

うん、潜るとなるとオレはほぼ泳げないから溺れはしないけどクロールや平泳ぎで前に進めない。

…平泳ぎなんかは何ゆえにか後ろに進むし。


―でも、だるま浮きと犬掻きが少しだけできます。


この世界の海に初めて行った時は海の幸が食いたかったとかいうよりお出汁にする海藻が欲しくて潜ったんだよ。


定番のイソギンチャクの魔物なんかも海にはいるんだよねぇ。遠くから倒したから問題なかったけどさ。


でも、さしすせそのさしすまでしかないから今なお和風なお出汁や味付けができないんだけど。

そもそも、鰹節なんか絶対無理だってーの!仕方ないから郷に言ってはごうに従うしかないのっ!


ましてや三人だけしかいないからね、これが召還モノなら他に日本人とかいて味噌とか醤油の作り方知ってる人がいてヒャッハーするんだろうけどさ。


「とにかく、海は決定事項だから。」


決定はいいけどなんで今回そんなに強気なんだ。


「…しびれ薬がなぁ」


「あれは不可抗力だよ?」


真一がジト目で一言だしてきたから、有無を言わさず言い返す。なんか悔しそうにしてるけどあのマイナス補正とか流石に予想外過ぎるからね?


反対はしてないよ、あくまで理由を聞きたいだけだよ?



「水着を作ったから…」


「…影ちゃんに着てほしい」


OKブラザー任せとけっ!

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