表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/175

閑話・ある冒険者の語り

妙な新人がやってきた。


冒険者ってのは、一般的な職業で、頭が足りなかったり礼儀が無かったり街の中の仕事にあぶれた連中ってのはまず間違いなく冒険者になる。


ギルドマスターにさえタメ口を聞いたり暴言を吐く奴はザラにいる。


新しく冒険者登録したそいつらは、頭が足りなそうには見えなかったし礼儀もある。


男二人はそこらの中堅冒険者では太刀打ち出来ない存在感があり、新人イビリのジョニーと呼ばれた男が彼らを見た時に背中を向けて誰もいない壁に向かって話しかけた。


新人をイビリ倒すくらいの実力しかないあの男は頭は悪いが勘は悪くない。


あいつの新人イビリで冒険者を辞めた奴は数多くいるが、冒険者には向いてなかったり早々に職を見つけたりして会わなくなる例が多い。


悪い奴ではないのだ。


あいつが絡まなかった新人は、あいつより頭が悪く物わかりの悪いとんでもない腕っ節の化け物一人。

ソイツは確かギルド内でケンカを起こし冒険者を再起不能にしてギルドマスターに除名され盗賊に身を落としたと噂されている。


あいつの時には、ジョニーは近寄ろうともしなかった。


今回は、新入りの方をチラチラ見ては真剣な顔で壁に向かってブツブツブツブツとしゃべっている。


俺は紳士だとか、聞こえたがなんの冗談だと吹き出しそうになった。


まぁ、新入りの中で異彩を放っているのが、リーダー格らしい男の妹さんだ。


長い漆黒の髪に同じ色の瞳。

背が高ければ絶世のと称されてもおかしくない娘さんだ。


美少女と言うには元気過ぎるし口も悪い、親しみを込めて娘さんと呼ばれてるだ。


ただ、礼儀正しく黙って座ってさえいれば居住まいは美しいが、行動は珍妙の一言に尽きる。

よく背筋を伸ばし椅子の上に正座をしているので仲間内では“お座敷娘”と呼ぶ物もいたりする。


お座敷娘ってのは精霊の一種で、昔から幸運を呼ぶと言われている。


罪人として座敷牢に捕らわれた独身男が夜中に座敷娘に出会ったお陰で厚生し、スラムの孤児院や学校を作ったなんて話も数多い。

そういった人間は必ず自らを紳士と称し彼らだけしか入れない政党もある。

ロリー党は、博愛主義のゴシック教会などからも支持され少数ながら絶大発言力を持っている。

にもかかわらず、政治の主導を握ろう暗躍したりしないしロリー党は代々の国王の支持もしている由緒ただしい政党で…。


―イエスロリー党・ノータッチ

がスローガンで、愛と正義を掲げていたか。


娘さんの年頃は13か14くらいに見え、あの年くらいの少女だと、数年間女学園に通っておけば国から職を斡旋されるから冒険者にはなかなかならないもんなんだが…。


まあ、なんにしても膝を折りたくなりそうな程可愛いと噂されている。


我らが受付嬢も“可愛いは正義”とか言ってたからな。


あの二人とギルド職員が目を光らせてる間は安泰だろう。



数日後。夜半すぎにギルドメンバーが旧都市に召集され、ある紳士から彼女の捜索を依頼された。

発見された彼女はよほど心細かったのか、震える声で儚げに感謝を告げ、そのまま兄達に抱きかかえられて行った。


翌日、彼女は怪しげな仮面を被ってギルドにやってきた。


―何があったし。

ロリー党とロリータは関係ないらしいです?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ