東 京子(1)
来たる体育祭に向け、デモンストレーションの練習に励む本太郎達。
沖縄流監督の元に毎日の放課後、皆々がその練習に勤しむ中。
とある日の放課後だけ、
沖縄流は練習に顔を出さず、
街の外れにある、大きな病院へと赴いていた。
都道府県総合病院。
この町で1番大きな病院で、数多くの患者が通院診察、または入院をしている。
全6棟からなるその大きさ。
ドクターヘリ用のヘリポートもあれば、自然豊かな中庭もある。
深夜の救急搬送にも対応しており、院内は24時間、いつでも灯りが点っている。
そんな病院の一角、入院患者のいる棟の3階、301号室。
完全個室のその入院部屋、入口のプレートには、
「301号室 東 京子」
の文字が。
「京子ちゃーん! 遊びに来たよ♪」
「東さん、失礼します」
都道府県総合病院入院棟、301号室に現れたのは、沖縄流と宮城月乃。
「…流に月乃? いらっしゃい」
病室のベットに横たわり、入室者に対し微笑みを向けるのは、
都道府県学園3年生、東京子。
今彼女は、病のため入院をしている。
色白の肌に、細く痩せた腕。
ベットから上半身を起こそうと腕に力を入れるも、何処か弱々しさを感じる。
「おっと、東さん…無理に起きなくて大丈夫だ。寝たままで」
と、その弱々しさに月乃がそっと手を出し、寝たままで良いと京子の身体をベットへと寝かせる。
「ゴメンね…これでも先週と比べたら良くなった方で…」
「いやいや、病の時は無理が1番良くない。顔色を見るに良くなったのは分かるが、今は寝ていた方がいい」
「そうそう、月乃ちゃんの言う通り! 寝れる時には寝てた方がいいよ!」
と、京子をベットに寝かせ、流と月乃はベット横にある、備え付けの椅子へと腰掛けた。
「…京子ちゃん、どう? 体育祭、見に来れそう?」
流は持参したバッグの中から都道府県学園の体育祭のパンフレットを取り出し、京子へ渡しつつ問う。
「どうだろう…外出許可が下りれば…だけど、先生が許してくれるかな…」
流から受け取った体育祭のパンフレットをまじまじと眺め、そしてひとつため息を吐く。
京子の顔は血色の悪さも相成って、非常に寂しそうに見えた。
「まだ、外出許可は1回も下りた事ないのか?」
「うん…先々週に1回体調が悪くなって以来、中々ね…」
「そうか…」
残念そうに語る京子に、月乃はそっと目を伏せた。
「…う〜ん、でもやっぱり今回の体育祭は、京子ちゃんに是非見に来て欲しいんだよね♪」
流は重い空気の中でもニッコリと笑い、京子の手を握った。
「…今回の体育祭ね、ケヤキちゃんと千葉ちゃんと南ちゃんがね、ダンスするんだよ!」
「えっ? あ、あの3人が?」
流の言葉に京子は反応。
多少なり驚いた表情を見せる。
「そう! ケヤキちゃん達と京子ちゃんって幼馴染みなんでしょ? すごいよ、すごいのが見られるよ!」
目をキラキラと輝かせ、自慢げに体育祭のデモンストレーションの経緯を語る流。
3人がセンターで踊る事、ライブ形式になる事、今現在進行形で練習中な事、そして、
「デモンストレーションの監督は私なんだけどね、メンバーのプロデューサーはね…本太郎なんだよ!」
「本太郎が?」
「そう、日野プロデューサー! 絶対面白い事になるから、絶対見に来て欲しいな!」
日野 本太郎がプロデューサー。
その響きが可笑しくてか、笑みをこぼす京子。
「…行きたいな」
そっと呟く彼女の瞳には、ここから離れた学園の校庭に立っているであろう、本太郎の背中が映っていた。
「大丈夫だよ、多分外出許可下りるよ! ね、月乃ちゃん?」
「…大丈夫だ。見るに今の東さんなら大分元気そうだし、きっと許可は下りるさ」
2人して力強く。
その励ましを聞き、京子はそっと笑った。
「…私、行けるよう頑張るね。絶対…行けるように」
年内に掲載する、と言っておきながら12日もオーバーしてしまった…本当に申し訳ありませんっ。
そして今話をもって、前回話した通り暫しの休載となります。
出来る限り早く復活するつもりではいますが…本当に申し訳ないです、早期復活頑張ります。
よろしくお願いします!




