島根 結(3)
「そもそもアタシに色恋沙汰とか全然向いてねぇんだよ。今回の件が、それを証明してくれた」
恐らく高知先輩に出会ってから初めて見た、哀愁のあるその瞳。
「ま、まぁ高知先輩。あまり気を落とさず…」
俺は励ましの言葉をかけるも、高知先輩の胸には届かずだったみたいで、
「まぁいいさ。アタシは暫く、また前みたいに学校の周りをうろつく不良共の成敗に精を出す事にする。色恋沙汰は暫くいいや」
「高知先輩…」
島根ちゃんプレゼンツのドキドキ恋愛テクニック講座。
本人のテンパりもあり、まさかのレッスン1からクライマックス。
相手への告白へと邁進してしまった。
高知先輩からの告白。
相手の土佐先輩は、その告白に対しひとこと。
「悪りぃ、俺もう彼女いんだわ」
今回の1件について、
「総合しての悪しきは結ちゃんだな。恋愛テクニック講座言っておいて恐らく1番大事な下準備を飛ばしやがって」
「…面目無いです」
相手に彼氏彼女がいないか。
気になる異性が出来たらまずこの問題からだろ。
まあでも俺自身もすっかり忘れていたのであって。
「高知先輩に合わせる顔がない…」
「まあ、面目が無いだけにですよね」
「…結ちゃん?」
と、まぁ結局のところ、人様の恋路に勝手に首を突っ込み、かつフラれたところをガッツリ見ちゃった的な、
人として中々に嫌な事をやってしまった。
で、先日謝りに行ったら、不良共の成敗に精を出すとかいつも通りに戻りつつも、どこか空虚なところもあり。
「…私はラブマスターです」
ふと。
目前にいた結ちゃんが小さく呟いた。
「私に不可能な縁結びなんて無い」
「結ちゃん?」
「私、まだ諦めません!」
突然の自己表明。
どうした?
「確かに土佐先輩には彼女がいました。それ故にアウトになっちゃいました。なら…」
「なら?」
結ちゃんは力強く拳を握った。
「なら、他に高知先輩の好みに合った男性の人を探し出して、高知先輩とくっつけてみせます!」
ラブマスターご乱心。
「な、何言ってるの結ちゃん? え、他の人?」
「はい! 流石に強引に土佐先輩と高知先輩をくっつけて不倫、なんて事はマズいので、ならもう他の人です!」
「結ちゃんよ、今だから言うがもう高知先輩の色恋沙汰に首を突っ込むのは止めよう…かえって迷惑な気が…」
今の結ちゃんからは嫌な気しかしない。
「大丈夫です、私は学園1のラブマスター! 絶対に、絶対に高知先輩にもキュンキュンな恋をさせてみせます!」
やる気スイッチがオンになってる。
「取り敢えず、まずは高知先輩の好みを調べて…」
「…これは、長くなるな」
次回からまた新しいお話&新都道府県キャラ登場!
…なのですが、もし次回までに結構間が空いてしまったらゴメンナサイ……。




