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千葉 三葉

47の少女たち


第2話「けんかばっかり」





「出た、千葉」


「ん? ……ってアンタ、埼玉!!」


掲示板で新しい自分のクラスを確認して。


教室へと向かうべく昇降口へ、そこで俺とケヤキはツーテールのとある女子生徒とばったり。


「おお千葉ちゃん、一か月ぶりだな」


「ほ、本太郎……。 なに? 今日も埼玉と一緒なの?」


彼女の名前は千葉(ちば)三葉(みつは)、ケヤキと同じく同級生で幼馴染みその2である。


「今日も、ってか…まぁ、そうだな。最近はわりかし会ってるな」


なんだかんだでケヤキとはコンビニや駅でばったり遭遇することが多々ある。


「…ほら私、家が本太郎ん家の前だからさ、なんて言うか、会うのは当たり前って言うか?」


突如謎のドヤ顔で会話に乱入してきたケヤキん、もといケヤキ。


「なっ…⁉︎」


何故かドヤ顔のケヤキに千葉ちゃん怯む。


…怯みながらも、謎の反論を繰り出すべく口を開く千葉ちゃん。


「ふ、ふんっ! 所詮道路挟んだ向かいでしょ? ウチは道路挟まずの斜向かい! ウチの方が本太郎ん家に近いのよ!!」


「むっ…」


腕組んで胸張る千葉ちゃん。

その表情、怯みなく爽快に。


で、逆にムッとした表情を作るケヤキ。


「おい、お前らなんでそんな事で……」


突如として始まった日野家との家の距離近いアピールバトルの意味を見出せず、まあよく分からない中ではあるが、


俺、とりあえず仲裁に入る…が、どシカとされる。


「だいたい埼玉、アンタなにその服!?」


「なに?」


閑話休題とばかりに千葉ちゃんが指摘したのは、今のケヤキの服装。


ここは学校、もちろんケヤキはブレザーの制服を着ているのだが…


「ブレザー片腕だけまくって、ソックスも片方だけ下げて、靴蛍光ピンク、しかもYシャツの下に着てるのって、まさか…」


「うん、長ネギTシャツだけど?」


Yシャツの下、透けて見えるは黄緑と白のボーダー模様。


まさに奇抜。

緑と白のボーダー版のぐわしっである。


「本太郎、可愛いでしょ?」


「えっ!あっ…いや、可愛いと言うか…」


俺の方を見ながらバチコンっと、軽いウィンクしてきたケヤキ。


こっちに振るな。

ってか、正直可愛いというか…


「ダサいわよ、アンタ」


千葉ちゃんが何の溜めもなく、濁しも無しに、言った。


ストレートに言っちゃった!!


「えっ」


そしてケヤキ、動揺。

むしろ何の自信でそこまで…


「なにが長ネギTシャツよ! それなんか青虫みたいに見えるわよ!」


「なっ…あ、青む…」


「しかも何? 靴の色が蛍光ピンクとか、今どき小学生でもそんなどキツイ色履かないわよ!」


「しょうがく…せ…」


「ブレザーもソックスもなんで片方だけまくってんの? もはや意味が分からないわ!」


「そんな…」


突然の否定に膝から崩れ落ちるケヤキ。


千葉ちゃんの放った言葉の剣は見事にケヤキの心臓をざっくざっくに斬り刻んだ。


「いや…だって…そんな…私が、ダサい…?」


自信過剰ってのは怖いな…って、今のケヤキを見ていて思う。


絶望に震え、ありえない…という様な表情を見せるケヤキを見下ろしながら、肩にかかったツーテールの髪をふわっとかき上げる千葉ちゃん。


「ってかさ、埼玉ってほんと美センス無いわよね? 確かこの前も紫と黄色の気持ち悪いボーダーの服を…」


千葉ちゃんは結構キツイ性格だ。


なんと言うか、ツンツンしてると言うか…


「……可愛いわよ」


その時、ボソッとケヤキが呟いた。


「可愛いわよ、長ネギ!!」


そして、叫んだ。


目を真っ赤にし、多分怒りで震えてる拳を握り、ふっキレたかのように。


で、突然の事に千葉ちゃん硬直。


因みに俺も硬直。


「だいたい、千葉のほうがセンス無いんじゃないの?」


「なっ…」


開き直りからの、まさかのアテのないカウンター。


「なに普通に制服着てるの? 靴だって普通のローファーだし、下Tシャツ着てないし」


「な、あ、アンタには言われたくない!!」


「だって片方まくった方がカワイイでしょ? 色だってはっきりした色のほうが…」


「それがダサいって言ってんのよ!!」


「ダサくない!可愛い! 長ネギとか超可愛い!」


「どこがよ!?」


「白と黄緑のバランス…とか?」


「だったら白菜とか大根とかも可愛いのアンタ!?」


「ううん。 長ネギだけ別格の可愛らしさがある」


「だったら将来長ネギ農家とでも結婚したら!!」


「ぜひ!」


「納得したよこの人!?」


コントか。


うーん、ケヤキと千葉ちゃんはご近所同士、昔からの友達…なのだが、


最近は会うたびにケンカしてるような…


「まぁ、いわゆるこれが、腐れ縁ってヤツなのか」


もう、チャイム鳴るぞ?



キャラ№2

挿絵(By みてみん)

千葉県「千葉(ちば)三葉(みつは)


誕生日は6月15日(千葉県民の日)

ツーテールの髪にツンツンの瞳。名前の三葉は千葉県の名産品の三つ葉から。最初の段階では県の木から、マキって名前にしようとも考えたけど、まぁね。


性格はツンツンさん。ツンデレのツンの方。これは千葉県そのものの形から。千葉県は先端が尖ってるでしょ?つんつんでしょ? 安易な発想です…

あと可愛いモノ好き、けっこう夢見がち。浦安の某ネズミランドからの発想、設定。

って事でメルヘンチック。昔書いた将来の夢はお姫様だったり。


と、ネズミランド故にネズミの類いが好きだが(ハムスターとかモルモットとか)地味に犬も好きだったり(南総里見八犬伝)

しかし南総里見八犬伝→古のお話、だか古文の勉強は苦手な千葉ちゃん。

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