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高知 龍子(3)

今回はちょこっと過去のお話です。

私立都道府県学園高等部校舎の2階。


生徒指導室。


この日、他校の生徒と喧嘩をした、相手を怪我させた、と言う事で1人の女子生徒が生活指導の教師に呼び出しを喰らい、この生活指導室にて尋問が行われていた。







「ちげぇよ、確かに喧嘩はしたが…あれは向こうがこっちに因縁付けてきて…」


1人の女子生徒は声を荒げて机を叩き、目前の生活指導の教師へと激しく抗議の意見を述べる。


「そんな事など信じられるか! 高知、お前は本当いつもいつも…っ⁉︎」


一方の生活指導の教師は椅子に座り足を組み、威圧的な口調ながらもどこか落ち着きながら、威を飛ばす女子生徒…高知龍子を睨んだ。


「いつも…って、そんなに他校と喧嘩なんかしてねぇよ」


「他校とだけじゃない! 一般人や同じ学校の生徒とも喧嘩をしたり、そもそも悪行ばかり行いやがって。少しは真面目に生きようと思わんのか!?」


「なっ…だからンなに喧嘩してねぇし、まあやるとしても原因は大方向こうにある! そもそも悪行って何だよ言ってみろよ」


「他校の生徒に迷惑掛けてる時点で、それがそもそもの悪行なんだよ!」


睨み合いが続く。

そして、生活指導の教師は溜め息を1つ吐き、鋭い眼光を保ったまま続ける。


「だいたいお前は毎回毎回問題ばかり起こしやがって。どうして喧嘩せずにはいられないんだお前は!!」


「だからっ、毎回無闇に喧嘩してる訳じゃねぇよ! 全部先手は向こうからで」


「黙れッ! 何であれ喧嘩は喧嘩、向こうの学校からも苦情の電話は来てる。コレで何度目だッ!? 本当いい加減にしろッ!」


「このクソ先公がっ…話聞けよ石頭! いやハゲ頭ッ!」


怒りに頭が支配された感覚。


龍子は生活指導の教師に詰め寄り、顔を近づけ怒鳴り込む。

生活指導の教師は相変わらず座ったままだが、その視線は鋭く、怒りに染まった龍子の眼を射抜くかのように見据えていた。


…生活指導室の空気は重く、まさに一触即発の雰囲気だった。


「まーまーお2人さん。そんなカッカしてたってしょうがないよ〜」


そこへ、若干気の抜けた1人の女性の声が響いた。


生活指導室の隅の椅子に座り、スナック菓子をぽりぽりと貪りながら、気怠げな瞳で言い争いを繰り広げる2人を眺め、宥める…高知龍子とは別の、もう1人の女子生徒。


「うるせぇよ(ながれ)ッ! お前は黙ってろッ!」


「おおぉっ、怖っ」


一瞬。


生活指導の教師へと向けられていた怒りの眼光を保ったまま、一瞬だけ声を掛けた女子生徒の方へ意識を向けた龍子。


「そうだぞ沖縄、今は先生と高知で話し合ってるんだ。何か事情を知ってるとか言うから一応呼んだが、取り敢えず今は黙ってろ」


この1つの意見のみ龍子に同意し、同じく女子生徒…沖縄(おきなわ)(ながれ)に口を慎むよう促す生活指導の教師。


「ちょっ…2人して結託しないでよ〜っ!」


むーっと、不満を顔に出す流。


…そして、ちょこっと。口元に笑みを浮かべ、


「 …もう、龍子ちゃん。私、龍子ちゃんが今回の他校生徒と喧嘩した件で、龍子ちゃんが無実だって証拠持ってるんだけど、本当に黙っちゃっていいの〜?」


にっこり、と。


100%の笑顔を龍子へと向けた。


「なっ……は、はぁ?」


予期せぬ流の発言に、思わず思考が止まる龍子。


「な、何を言っているんだ沖縄?!」


意味が分からぬ、と言った様子の生活指導の教師は、その流の笑みを見て眉をひそめる。


「そう言えば沖縄。お前俺が高知を呼び出した時に事情を知ってると言うから取り敢えず呼んだが…お前、何を知ってるんだ?」


「さっき事情を知ってるとは言え今は黙ってろ、って先生が言ったんだよね? 身の変わり早〜っ!!」


あはは〜っと、屈託も…嫌味も無い笑みを浮かべた流。


「いいから! 何か知ってるなら早く言え沖縄!」


生活指導の教師は声を荒げた。


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