埼玉 欅
こんにちは、織田信長です。うそです、五円玉です。
…くだらない前置きはさておき、新連載です!
今作は日本の47都道府県を個人的なイメージで女の子に擬人化させて、学校でグダグダさせるだけのショートコメディとなっております。
1話辺り1000文字前後を目安に書いておりますので、ちょっとした空き時間や暇つぶしぐらいの感覚で読んでいただけたら。
さて今回は47人のヒロインのうちの1人、埼玉ちゃん登場回です。
都道府県学園
ここは日本のとあるところにある学校である。
そしてこの学園の生徒は、みんな個性が豊かで・・・
47の少女たち
第1話「はじまりのあさ」
4月9日……
学園の新学期が始まる日。
俺の名前は日野本太郎、この都道府県学園に通う高校生だ。
「今日から高校2年生! さて、今年は何組かなぁ…」
朝、学校の校門前の掲示板に貼られているクラス分け表。
既に校門前には無数の生徒が自分のクラスの確認のために集まっていた。
「うわぁ…もうこんなに人が…」
沢山の人、人、人!!
学園に在学する在校生の殆どが集まっているだけあって、その人混みは台風後の濁流にも似た何かで…
「あっ俺1組だ!」
「私2組!」
「えっ私も2組!今年もよろしくね!」
「オイラは…?あれ?オイラは?」
掲示板の先から聞こえる、学生たちの一喜一憂な歓声とため息。
ごった返す人、人、人。
もう人が多すぎて表が見えない…
「うわぁ……人多っ!」
ふと、俺の隣から聞こえた…少女の透き通った声。
俺は声のした右隣に目をやった。
そこには必死に背伸びをし、一生懸命に人混みの向こうの掲示板に目をやる、1人の女の子の姿。
こちらの視線に気が付いたのか、少女はふとこちらに顔を向けた。
「ん? あ、おはよう本太郎。4月なのに今日は暑いねぇ…」
「おお、ケヤキじゃん! 昨日ぶり」
「あ、名前で呼ぶなバカたれ」
俺の隣で背伸びをしながら一生懸命に掲示板を見ようと奮闘していたこの娘。
名前は埼玉欅、俺と同い年で、ご近所さんだ。つまり幼馴染み。
「なんでだよ? いいじゃん名前」
「イヤだよ、ケヤキってなんか男っぽくて…」
背伸びの姿勢をキープしつつ、若干プイっと拗ねモード。
「そうか?」
「そうなの」
「ふぅん…別にそんな…じゃ、なんて呼べばいいのか?」
「えっ?」
ここで詰まったケヤキ。
ストンと背伸びをしていた踵を落とし、
うーん…と、腕をくみ考え中のポーズ。
そしてぱっと提案をするケヤキ。
「……じゃ、じゃあ例えば、名字とか?」
名字…呼んでみるか。
「埼玉さん?」
「うわ、なんかヤダ、ごめん無し今の無し」
「えぇ…」
即効の拒否反応。
ってか、自分で周りからの呼び名を決めるとか…
「うーん、けーちゃんじゃなんかアレだし、ケヤキんもなぁ……」
「自分でケヤキんって提案するのはどうなの?」
うーむうーむと悩むケヤキ。
なんか面倒くさい匂いがしてきた。
ケヤキでいいや、もう。
「…おっ、おいケヤキ、人どいたぞ、クラス見にいこうぜ」
気付けば、クラス分け表の前から、既に元いた半分くらいの生徒がいなくなっていた。
おそらく、もう確認した新しいクラスの教室にでも行ったのであろう。
「だから名前で呼ぶなバカたれ」
「まぁまぁ…」
ちょっと不機嫌気味にこっちを見てくるケヤキをなだめながら、俺は視線を表へ。
「……お、なんだ今年もケヤキと同じクラスだな。よろしく」
「えっ? 何組?」
「2組。関東先生のクラスだな」
「げ! 関東武蔵…あの教師は加齢臭がきついから嫌い」
苦虫を噛み潰したかのような表情を見せるケヤキ。
関東先生は社会科全般の担当教師で、結構なお歳。
そして…
「…おっ、ケヤキ! 千葉ちゃんも同じクラスだぞ! 2組!」
「え……えっ!?」
で、これから後書きではその回に初登場したキャラの擬人化設定なんかを紹介していきます。
キャラ№1
埼玉県「埼玉欅」
誕生日は11月14日(埼玉県民の日)
身長は小柄、バストは47人中もっとも壁に近い(埼玉県は47都道府県中最も女性バストの平均値が低い)→コンプレックス。
名前の欅は県の木から。
性格は面倒くさがり、暑がり(埼玉県熊谷は最も暑い町)、本人は気付いていないがかなりの美センス無し(ダサい、ださいたま、だ埼玉的な)
ちなみに作者は埼玉県民。実際はダサくないよ埼玉県民→フォローのつもり
後々登場する某関東県の擬人化キャラとはケンカばっかりの犬猿の仲。だが昔からの友達で、仲直りはすぐできる。つまりは腐れ縁。詳しくは次回。
ちなみにもう既に47人分キャラ設定は出来てます。47つもの性格、考えるのが大変だった。
次回第2話、千葉県民の方は楽しみにしててください。
次回は4月22日掲載予定、以降週1ペースで毎週月曜日の更新を予定しています。
1話と2話の間だけが結構空いてしまいますが、よろしくです。