第1章 「ブルーエンジェル発足」
梅雨が終わり本格的な暑さがやってきた。
その中、冷房をいれずにただ正座をしている少年がいた。
彼の名は龍門寺 燎 とある事件で謹慎をしている。
その中、コンコンとノックをした後に扉が開いた。
スラッとした体型に短く揃えた髪がさわやかさを強調している男だ。
彼は上原大佐だ。俺の上官で俺の部隊の隊長でもある。
「久しぶりだな。龍門寺大尉」
と穏やかに挨拶をされたので、
「こちらこそお久しぶりです。大佐、こんな所にきていただいてありがとうございます」
と正座を崩さず礼をした。
「挨拶はそれくらいにして、これをお前に渡しにきたのが私の仕事だ。」
と言いながら、小さい封筒を渡された。
封筒を開け、燎は中の文に目を通す。
[龍門寺 燎大尉、貴官を臨時特別部隊に異動する事を命じる。集合場所は2日後の正午に訓練場だ。
時間をしっかりと守るように。以上]
「これは一体?」
大佐に燎は疑問をぶつけた。
「臨時特別部隊、通称ブルーエンジェル、この部隊は、首都奪還を目的に発足した寄せ集めの部隊だ。
いつ死ぬかわからないという噂がある。気をつけろよ」
と言い残して部屋から出て行った。
「それほど危険なら、訓練をしないとな」
そういうと隣に立てかけてあった剣をとり一気に抜いた、そして縦に振った。そして鞘に収めて剣を見た、ズシンとくる重量に懐かしさを感じた。
2日後、訓練場に早くきた燎は、自分より早く来ていた女性に気づいた。
横に束ねたきれいな黒い髪とぱっちり開いた瞳が印象的な女性に燎は見覚えがあった。
彼女の名は鳳凰寺 友梨香、幼なじみであるが、軍に所属していないはず…と考えていると友梨香はこっちに気づいたようで俺を見るなり睨んできた。
「なんだ、あんたまだ軍にいたんだ」
出会ってそうそうに毒を吐いてきた。
口を慎めば、美少女なのにとため息をついた。
「お前こそ、なんでここにいるんだ」
と言うと、
「入隊したに決まっているでしょ。救護班の適性検査に合格して、この部隊に配属されたわけ」
と、胸を張って言った。
「まぁ、怪我や体調不良の時は幼なじみに診てくれるなら、安心だ。これからもよろしく頼む」
と言うと頬を赤く染めて友梨香が、
「あんただけ、治療代もらうからね」
とそっぽを向いてしまった。
なんで?と疑問をもったが入口から入ってくるよ4人に目を向けた。
右から1番目の男は、スラリとした面持ちだが、それを疑わせるように30キロはあるアックスを片手で担いでいた。
その隣にいる女性は小柄で茶色い長い髪が大人っぽさを出しているが童顔であり子供っぽさが抜けていない。
何故、軍にいるのか疑問を抱くが腰には刀、左腕には盾が装備していた。
その次にいる男は、中年男でハンマーを装備している。
1番左にいる男は間違いなく上原大佐であった。
両刃両手長剣を背中に装備をしている。
「大佐、何故ここに?」
とつぶやいたのが聞こえたようで、
「私もここにとばされたのだよ。この部隊の隊長に命じられてね」
「これからもよろしくお願いします大佐」
と敬礼をして一列に並んだ。
「君達の隊長になった上原だ。俺の部下になった奴らに必ず言う言葉がある。死ぬな、必ず生きて帰ってこい、死にそうになったら逃げろ、だ。いいか、これが守れないならここに除隊届があるから書いていけ、俺の部下は絶対に守ってやる。覚悟はできたか。よし、1人ずつ自己紹介をしろ」
と燎に指を指してきたので、挨拶をする。
「龍門寺 燎です。ポジションは前衛です。
よろしくお願いします」
と言うと、
「鳳凰寺 友梨香です。支援攻撃と救護班として頑張りますのでよろしくお願いします。」
と友梨香も言い終わり、
「僕の名は亀平 隆介です。ポジションは前衛です。武器は見ての通りアックスです。よろしく」
と深くお辞儀をした。
私の名前は虎崎 明日香です。ポジションは、中衛です。よろしくお願いします」
と顔を真っ赤にしながら頭を下げた。
「俺は狸沢 雄介だ中衛で、武器はハンマーだ。よろしく」
と面倒くさそうに頭を掻きながら言った。
「我らの部隊は、首都奪還の為の拠点確保のため、山梨の単独制圧を試みる。1時間後にここに集合せよ。解散」
と勢いよく大佐は号令をした。
これが臨時特別部隊ブルーエンジェルによる首都奪還の為の戦いが始まる。




