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君の瞳に映りたい~恋と錬金術~  作者: 石月 主計


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エピローグ

――ダブラーは、宝飾職人の店の前でふと足を止めました。ショーケースの中では、金や銀の指輪が静かに光をたたえています。安い銅の指輪に目が留まった時、なぜだか胸の奥がちくりとしました。


「どうしたのですか? ダブラー様」


クォークが不思議そうに声をかけます。


「指輪って……どうしてだろうな。見るたびに少しだけ切なくなる」


そう言ったあと、自分でもなぜそう思ったのか分からず、ダブラーは眉をひそめました。けれども、それは忘れてしまった夢のような、誰かのぬくもりのような……。胸の奥にだけ、何かが残っている気がしました。


「やめてくださいよ。ダブラー様らしくないです」


そう言ってクォークはくるりと踵を返します。


「おい、待てって。急ぐなよ」


ダブラーは肩をすくめ、クォークの後ろ姿を追って歩き出しました。何も変わらないイストリバの日常。でも、確かに何かが――もう戻らない何かが――ダブラーの中で、静かに息づいていました。

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