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君の瞳に映りたい~恋と錬金術~  作者: 石月 主計


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第11章第5節

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翌朝、湊はダブラーの寝台で目を覚ました。昨夜は互いの思いを確かめながら、幾度となく愛し合った。隣で鼾をかいて眠るダブラーに、湊は小さく微笑む。このまま一緒に眠ってしまいたかったが、まだやらなければいけないことが残っていた。


ダブラーを起こさないように、そっと寝台の外へ出る。急に、それを阻むように手首を掴まれた。


「どこへ行くんだ?」


ダブラーが慌てたように見つめてくる。


「眠っていたのではないですか?」


「俺がそんなに鈍感だと思ったのか」


湊は肩を竦める。そのままダブラーに引き寄せられて、また腕の中にすっぽりと納まってしまった。


「アルダス様に指輪を届けようと思ったのです」


「あー、やめとけ」


「どうしてですか?」


ダブラーは湊の左手を掴み、薬指に輝く金の指輪を愛おしげに眺めた。


「こいつは、俺とおまえで作った愛の結晶なんだ。ずっと付けてろよ」


確かに作ったのは湊だし、材料を揃えてくれたのはダブラーだ。


「もう一個、作らなければいけないですね」


「俺とおまえなら、いくらでも作れるだろ……そうだ、これを商売にするってのはどうだ?」


商魂逞しいダブラーに、湊は思わず吹き出してしまう。こんな小さなやり取りの一つ一つが愛おしかった。自分からダブラーに口づけをする。ダブラーは呆気に取られながらも、嬉しそうに受け止めた。


「これからも、よろしくお願いしますね」


「大丈夫だ。俺に任せろってんだ」


二人は再び静かに抱き合った。夢中になった夜の名残を、もう一度確かめるように。

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