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夢刻 夢を忘れる前に  作者: 緋色
6/6

第六夜 夕焼けのチャイムが鳴り止まない

仕事に、ちょくちょく出るようになった。 やることは決まっている。


セメントを混ぜて、流して、固める。 ほうきで掃いて、片づけて、また次。


作業は、終わらない。


無言の現場。重たい空気。 だが皆、当たり前のように身体を動かしていた。


あるとき、気がついた。 その中に、辞めていったはずの人間が混じっていた。 名前はもう思い出せない。 けれど、確かに見た顔だった。


彼らもまた、何も言わず、同じ作業を繰り返していた。


夕焼けのチャイムが鳴っていた。


ずっと、鳴っていた。


時間が終わるはずの合図。 それなのに、鳴り止まない。


作業は続く。


また、セメントを混ぜて。 また、掃いて。


誰も疑問を口にしない。 それが一日のすべてであるかのように。


チャイムは、まだ鳴っていた。

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