表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/1

2000年越しの出会い

私は王宮の廊下を堂々と歩いて行く。騎士や侍女たちとすれ違うけれどわあたしは初めからそこにいないかのように何事もなく目的の場所に付いた。

目的の場所というのは王の寝室だ。

どうして私が王の寝室に来たかですか?

そりゃあ風の噂で王が死んでしまうと聞いてしまったからです。さすがに子孫なんだから一目くらい見てあげようかなと思ってここまで来ました。

私はノックもせずにゆっくりと扉を開けて中に入った。

王の部屋はとてもきらびやかでとても高そうな調度品が数多く置いてあった。

「なんですかねこの変な形の壺」

私は鑑定眼の魔法を使い値段を確認する。

さておいくら万円・・・2と0が七個てことは2億円。

見る限り同じような値段のものがたくさんある。

「いったいこの部屋だけで何人の平民が暮らせるんでしょうか」

計算してみようかな思ったところで、まぁどうでもいいかなと思い踏みとどまった。

「それより、この部屋100年前より豪華になっていますよね・・・」

「それもそうであろうな」

「ッッ」

声のした方を向くとそこにはベッドに寄り掛かった老人。もといこの王国の王が座っていました。

ベッドの上には初代国王と私の肖像画が飾ってあります。

でもおかしいですね。わたしは今、認識阻害の魔法を使っているはずなのに・・・

「そう驚くことではない、これだ」

王は首にかけてあったペンダントを私に差し出した。

恐る恐るペンダント受け取るとそのペンダントから物凄い白色のオーラが溢れ出していた。

「なんですか・・・これは」

オーラというものは魔力が目に見える状態になっているということです。

そのうえオーラを見えるようにするとためには膨大な魔力量が必要になります。魔術師でもオーラを出すのはとても難しくほんの一握りのしかいないはずです。そっれにオーラが出るほどの魔法の力がこもった魔道具は世界を探しても片手で数えるほどしかないはずです。

私の知っている限りの話ですが。

それに白いオーラということは神聖魔法ですよね。

神聖魔法は使える人は数少なく、扱いが難しいことに加えて普通魔法は空気中の魔素と呼ばれる自然的エネルギーを使い魔法を発動させるのですが、神聖魔法は魔力と呼ばれる生まれ持った資質が必要になります。

これがオーラと関係するんですが今回そのことは横に置いておきましょう。

それに魔法は人に得意不得意があるように最初から人によって使える魔法の属性というものが決まっています。

炎を出すためには火属性の適性、水を出すためには水属性の適性。そのほかにも色々ありますが、そのあたりの魔法は魔素と呼ばれるものを主に使用して現実に超常現象を起こしています。

つまり私が言いたいことはですね。その二つを同時に持って生まれてくるというのはとても珍しいということです。

しかし属性に関しては遺伝する場合が高いのでその家にあとは魔力量が多い子供が生まれれば飯田件ですけどね。

このことからおそらくこの首飾りは聖女と呼ばれる方がこの魔道具を作ったと推測できます。

しかもこの眩しいくらいのオーラを出すためにはたぶん聖女の魔力の全てをつぎ込んで作られているはずです。

それほどの魔力をつぎ込んでいるこの魔道具には一体どんな魔法が込められているんでしょうか?

「あぁ、これは先代の聖女様が作られた首飾りだ」

「見ればわかりました。それで一体どんな魔法が込められているんでしょうか?」

私がそう問いかけると王様はガハハと豪快に笑うとベッドの近くにある執務机の上に置いてある一人の女性と男性が映った写真をそっと撫でていました。

「そなた。いや、リタ様はほどであればこのペンダントからあふれ出ているオーラを認識することができるでしょう。そこからこのペンダントにはどんな魔法が込められていると思いますかな?」

王様は挑戦的な目で私のことを見つめてきました。

「そうですね・・・防魔とか防護の祝福とかかしら?」

「ガハハ、違いますよ。このペンダントに込められた魔法は・・・」

「魔法は?」

「正体看破の魔法だ」

「正体看破・・・!?」

私が驚いて声を荒げると目の前の王様はピクピクと肩を震わせていた。顔はどこか誇らしげにしてやったりという表情をしていました。

そこまで笑うことでもないでしょうに・・・私だって間違えることくらいありますよ。

恥ずかしさから顔が熱くなっていくのが分かります。

「うぅ・・・確かにそれなら納得ですね。だかっら私の姿が見えていたんですね」

「先代の聖女と父上がこの光景を見ていたならさぞお喜びになっていたでしょうな」

王様は少し遠くを見るかのように遠い目をしていた。

「それはどうしてでしょうか?」

「逆に質問しますが、リタ様は先代にお会いになりましたか?」

そういえば赤ちゃんの頃にはおそらくあっているとは思いますが、きっと本人からしたら会った記憶すらないはずなので実質会っていないことになっているでしょうね。大人になった先代さんにも会おうと思っていましたが二千年も生きていると時間の流れが思ったよりも早く気づいたら100年たっていました。

「おそらく先代さんが赤ちゃんの頃には合っているとは思いますが、先代さんからしたら会ってはいないと同じだと思いますね」

王様は目を瞑ると過去を思い出しているのかとても優しい顔をしていた。

「リタ様に父上は会っているではありませんか。父上の思い違いでしたね。リタ様父の話を聞いてくださいますか?」

「ええ。聞かせてください」

「リタ様は王家では立派な王になった時に現れる白銀の聖女。王国に永久の繁栄をもたらしてくれる永久の魔女と呼ばれています」

「つまり先代さんは私が現れなかったことで私に認められてないと思っていたということですか?」

「ええ、そうです。なので父上はあなた様に認めてもらうために国を豊かにする政策をいくつもの立て国民にとても愛され賢王と呼ばれて親しまれていました。ですが、言い伝えの人物が現れないことから父上と聖女はある結論に至りました。姿を隠して私たちを見守っているのではないかと・・・そして父上と聖女様は姿を隠しているであろうリタ様を一目見るために正体看破のペンダントを作りました。けれどリタ様は父上の前に一度も現れることなくそのままぽっくりとなくなってしまったとさ」

「なんだか、申し訳ないですね」

もし私が忘れずに会いに行っていれば先代さんも清々しい気分で旅立つことができたんでしょうか。

「リタ様が気にすることではないですよ。だって父上は赤ん坊の時からリタ様に認められていたということですからね」

王様は目に涙を溜めて先代さんが映った写真を大事そうに胸に抱えていた。

「では、私はそろそろ行きますね」

私がそう言って踵を返すと私を引き留めるように王様は私の腕を掴んできました。

「ちょっと待ってください、私の息子に一度会ってはもらえないでしょうか?」

「えぇ。それくらいなら構いませんが」

だけど忘れるところだったけど今私は認識阻害の魔法を使っているから息子さん私のこと見えないんじゃないかしら。

「認識阻害の魔法があるので息子さんに私の姿見えるかはわかりませんよ?」

そう笑い掛けながら言うと王はぽかんと口を開けるとプッと噴き出した。

「大丈夫ですよ。言い忘れていたんですが、このペンダントの発動範囲内はこの王宮なんです」

「え?」

ということは私王宮の中堂々と歩いていたけど実はみんなに私の姿が見えていたということですか!?

よく騎士さんやメイドさんたちは私をスルーしていましたね。逆に堂々としていたから王の客人だと思ってくださっていたんでしょうか?

すごく恥ずかしい//

悶絶してくねくねしていると私はある事実に気づきました。

そうきっと、王族にしか効果が適用されない魔道具なのではないのでしょうか。

これだけの魔力が込められているんです。

なんだ私の思い違いでしたね。

「そのペンダントすごいですね。王族しか効果が適用されないようになっているなんて」

「いえ、これは王宮内のすべての人に適用されますぞ」

ピキッ私の羞恥心にひびが入る音が響きました。

それってつまり鼻歌を歌っているところ聞かれて、スキップをして転んだところまで見られていたということですよね。

これまで築いてきた私のイメージが今回だけで大暴落してしまったんではないでしょうか?

もうお嫁にいけません//

「来たようですぞ」

王様がそう言うと扉がトントンとノックされました。

「父上!入ってもよろしいでしょうか」

王子様?は興奮気味に王様に問いかけていた。

「あぁ、やはり我らは血に逆らえんのだな。入ってもよいぞ」

王様がそう言うと王子は扉をけ破る勢いで入ってきた。

黒色のなのに光が反射してキラキラと輝く漆黒の髪に血のように真っ赤な深紅の瞳。顔立ちは・・・彼のようにとても凛々しい・・・

「あなたは・・・」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ