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古代魔法

誤字脱字、その他わからない表現等ありましたらご連絡ください

「あなたがアイナ・トレノロワールであるか?」

「うん…」

国王ミリムがそう聞くと、宮廷に呼ばれた少女「アイナ・トレノロワール」は無愛想に答えた

「貴様!国王陛下に向かってその態度はなんだ!」

「べつに…」

「っ!貴様舐めてるのか!」

「やめなさい」

執事がアイナの態度に怒ったのをミリムが止めた

「あなたは古代魔法の研究を続けているのよね?」

「そう…私、古代魔法の研究続けてる…」

「私は古代魔法は魔力量に比例しない魔法だと聞いたのだが、本当か?」

「本当…古代魔法は魔力量に比例しない…習得して努力して何度も使って…そうしたら威力もあがる…魔力量関係ない…」

「なるほど、では、あなたが誰かへ習得させるのはできるのか?」

「私が…?」

「そう。実は古代魔法を教えてやってほしい人物がいるのだが。習得させることはできるか?」

「基礎なら…だけど応用は…私まだまだ研究不足…私も完璧じゃない…」

「じゃあ基礎なら教えることはできるのだな?」

「うん…それなら…」

「そう言ってくれてありがたい!もちろんただではないから安心してくれ!」

「わかった…私、頑張る…」

「うむ!期待しておるぞ!」

アイナの返答でミリムは大いに喜んだ

アイナが去ったあとミリムは執事と話していた

「いいんですか?あんな女の子に大役を任せて…」

「古代魔法はまだまだ研究が届いていない未知の領域。今やいろんな人が研究を進めている分野だ」

「それならあの子じゃなくても…それに私はあの子の態度が気になります。陛下を前にしてタメ口で…ボソボソと…失礼だと思うのですが…」

「私がいいと言っておるのだからいいのだ。変に固くなるより彼女もリラックスできるだろうし、それに、フレンドリーに接した方が彼女も友好的にこちらの要求を聞いてくれるだろ?」

「いや…まぁそれもそうですけど…」

「どうだ?そなたも私にタメ口で話してみてはどうだ?」

「え!?いや…それは…恐れ多い…」

「はっはっは!固いやつだなぁ。まぁ冗談は置いといて」

そう言うとミリムはアイナについて話し始めた

「彼女は…」


ーーーーーーーーー病棟にてーーーーーーーーーー

アイナはミリムの指示通り病棟へ向かった

「何者だ!」

病棟の入り口で国軍兵士に止められた

「えっと…私はアイナ・トレノロワール…学者…」

「学者がなぜこの宮殿病棟にいるのだ?」

「私は…国王陛下から…」

「なんだ!はっきり喋れ!」

「えっと…」

「もういい。話にならん。とっとと帰れ!」

「ちょっと待って…!」

「おい…」

病棟の入り口から1人の男が現れた

「アルカティア様!?どうかされましたか?」

「何を騒いでたんだ?」

「私たちはこの学者を名乗る宮殿への侵入者を追い出そうと…」

「なぜこの子が侵入者であるとわかるのだ?」

「なぜってこんなところに学者が来るわけ…」

「馬鹿者!!」

アルカティアは兵士を一喝する

「お前たちは偏見で人を選ぶようなやつらなのか?身元の確認やここにきた動機、身分の証明を行なって入れるか入れないかを決めるのではないのか?この子が学者だからという理由だけでここから追い出すような薄情者なのか?」

「しかし…」

「彼女は国王陛下から直々に呼ばれた方だ。ちゃんと宮殿の立ち入りを許可されている」

「そうなんですか?」

「嗚呼そうだ」

「それはそれは…失礼いたしました…」

アルカティアのおかげで誤解が解け病棟の中はようやく入れた

「国王陛下から話は聞いております。私はバナコスタ帝国軍第一部隊大尉兼バナコスタ帝国軍総指揮補佐をしておりますアルカティア・スレイと申します」

「私はアイナ・トレノロワール…古代魔法の研究をしている学者だ…」

「では中へ」

「アルカティア様!ちょっと待ってください!」

中へ入ろうとするアルカティアを兵士が呼び止めた

「どうした?」

「古代魔法の研究をしているってどういうことですか?」

「ほう。ご存知ないか」

そういうとアルカティアは話し始めた

「彼女はアイナ・トレノロワール。古代魔法の研究を行う学者で、古代魔法の性質や種類・効果や習得方法などが記された暗号、『レヴァリアの石碑』を世界で一番最初に解読し、古代魔法を習得した第一人者である」

「よろしく…」

「え!?そんな…ご無礼を働き申し訳ありませんでした!」

兵士は深々と頭を下げ謝罪した

ちょうどその頃宮殿でもミリムが執事に話していた

「彼女はあのレヴァリアの石碑を解読し古代魔法を習得した最初の人物なの」

「え!?あの全世界の研究者が50年かけても解読できなかったレヴァリアの石碑を!?」

「そう。彼女はレヴァリアの石碑をわずか1年で解読したの。彼女はその並外れた頭脳と記憶力から『スキューケル』の生まれ変わりと言われてるわ」

かつて世界一の頭脳を持つとされた人物フランミエル・スキューケル

彼は全世界のすべての言語を網羅し、数式や化学現象、その他ありとあらゆるものの法則などを見つけ出していった

また彼は記憶力も凄まじく、一度見たものは死ぬまで忘れないというほどの記憶力の持ち主であった

「そんなすごい方がなぜここへ?」

「オルタの魔力がほぼ底をついている今、打開策としては古代魔法の習得以外ないわ」

「確かに魔力量に比例しない古代魔法なら…でも、わざわざそんなパイオニアみたいな人を連れて来なくても…」

「さっきも言ったじゃろ?古代魔法はまだ研究の行き届いていない未知の領域だと。使える魔法や能力、属性などまだ未発見なものは多い。つまり古代魔法の習得はまだまだリスクのあることなのだ。だから古代魔法の第一発見者のアイナに頼むのだ」

「なるほど…」

「それに」

「それに…なんですか?」

「実は彼女はオルタと関わりが深いのだ」

「え!?」


ーーーーーーーーーー病棟にてーーーーーーーーー

「ここがその部屋です」

「ここ?ここって…」

その時アイナはドアにかかった名簿を見て驚いた

「え!もしかして…古代魔法習得させるのって…」

そして勢いよく病室に入っていった

「あ!待ってください!」

アルカティアが止めるがアイナはそのまま中へ入っていった

そしてベットに横たわる少年を見て涙を流した

「オルタ…!オルタ!オルタ…だよね?」

そんなアイナとは対照的にオルタはキョトンとした顔をあげた

「誰?うーん…思い出せない…」

「え!?」

そんなオルタを見てアイナは非常に驚いた

「アイナ様、実は…」

アルカティアが事情を話す

「なるほど…だから私呼ばれた…」

事情を聞いたアイナは悲しげな表情を浮かべた

「私頑張る…オルタに古代魔法習得させる…」

状況を飲んだアイナはやる気に満ち溢れていた


14年前、世界各国の貴族や名家から時を前後して5人の子供が生まれた

アストロイア連邦の貴族「シュタルヒン家」

ルベルタ共和国の名家「シェルマール家」

神樂國の将軍家「柊木家」

ガドワール民国の名家「トレノロワール家」

そしてこのバナコスタ帝国の名家「ガルナドーラ家」

この5つの名家から生まれた5人の子どもは、全員特別な能力や優れた力を持っており、一人一人が優れた人材であったため、奇跡の世代と呼ばれた

14年経った今5人の子どもは大きく成長し、それぞれが出世している

その世代のうちの2人がオルタとアイナなのである

昔から親交の深かったバナコスタ帝国とガドワール民国はその友好関係を示すため、人質として子どもを相手国に預けなければならないという掟があった

そんな掟の元、ガドワール民国に人質として出向いたのがオルタなのであり、オルタを引き取ったのがトレノロワール家であった

約6年間という長い間オルタは人質として預けられその間オルタはまさに実の子であるように育てられた

しかし実の子だったアイナはオルタとは対照的に、その飛び抜けた知能と記憶力から子どもながら学者、研究者としての将来を見込まれ勉強漬けの日々を送っていた

この扱いの差にアイナは最初はよく思ってはいなかったものの、徐々にオルタに心を開いていった

こうして幼馴染として仲良く過ごしていたがオルタが11歳になる頃、父に不正が見つかり将軍職を失脚、国の掟により生贄として自ら命を絶ってしまった

この父の死によりオルタはガドワール民国から帰国

その後オルタとアイナは出会うことは無くなってしまった


「なるほど…彼女とオルタ様にはそんな関係が…」

「そう。だから彼女に古代魔法を教えさせたい一番の理由なのだ」

ミリムは全てを執事に語り尽くした

「それに、オルタには父の二の舞になってほしくないのだ…」

「陛下…」

話し終えて陛下はオルタのいる病棟へ向かった


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

つづく

ししゃもっこです

バタバタしてて執筆が疎かになってしまいました

すみません…

さて、もう3話目です

早いですね〜

あっという間です

最初は自分の思いつきで始まった小説執筆でしたが、書いてるうちにキャラクターに愛着が湧いてきました!

そこが小説執筆のいいところです…!

改めましてお読みいただきありがとうございます!

誤字脱字等ありましたらご連絡ください!

今後ともよろしくおねがいします!

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