誰か泣いてる
……ぐすん……死にたくないよぉ……
……どうして……私達まで……せめて主人を止められていたら……
……ひっく……父上も侍女も止められなかった責任は私達にあります……ですから……死を与えられるのも……当然です……
……ん?何だ?この泣き声は?
ぱちっと目を覚ました僕は辺りを見回す。
……気の使い方は身体が覚えている筈、試しにやってみるか。
意識を集中させた僕は、練り上げた気を城全体に広げる。
気と言うのは、自然のエネルギーの事、世界は違って僕は使えると判断からだ。
やっぱり気は使えて、その気を発見器や探査機見たいに泣いている人を限定にしてみると、地下の方から三人の青い気が見えた。
気と言うのは呼び名が違うけど、オーラーと同じで、感情の色によって見え方が違う。
ちなみに、城にはほとんど動物しか居なかった。
「ワ……ワン?」
「ギャル?」
「くうん?」
「きゅう?」
ふと、横を見ると一緒に寝ていたのか、4匹の子犬が毛並みを逆立ててびっくりしながら目を丸くしていた。
……子犬には悪いけど、一か八かだ……。
この世界が魔法の世界なら、僕は気と魔力を組み合わせれば飛べると思った。
だから迷わず、僕は魔力と気を組み合わせて宙に浮かぶイメージをする。